平成21年度 機械科目 問2 電験3種過去問
問題
考え方
この問題は、直流他励電動機に関する問題である。回路図を書いて問題の条件を整理していく。また、回転速度$${N}$$は、誘導起電力(逆起電力)$${E}$$、比例定数$${K_{g}}$$、1極あたりの磁束$${\Phi}$$を用いて、
$$
E=K_{g}\Phi N\tag{1}
$$
で求められる。電動機の負荷変化前後で励磁電流が一定であるため、1極あたりの磁束$${\Phi}$$は、一定である。よって、回転速度は式(1)より、
$$
N\propto E\tag{2}
$$
となり、誘導起電力(逆起電力)に比例する。
解答例
問題文で与えられた直流他励電動機の等価回路を図1に示す。
式(2)の関係から、電動機の負荷変化前の回転速度を$${N_{1}}$$、誘導起電力(逆起電力)を$${E_{1}}$$とし、負荷変化後の回転速度を$${N_{2}}$$、誘導起電力(逆起電力)を$${E_{2}}$$とすると、
$$
E_{1}:E_{2}=N_{1}:N_{2}\tag{3}
$$
となるので、誘導起電力を求めれば良い。
負荷変化前の誘導起電力(逆起電力)$${E_{1}}$$は、問題文より電機子反作用およびブラシの抵抗は無視できるので、図1より、
$$
E_{1} = 110-50\times 0.2=100\,{\rm{V}}\tag{4}
$$
と求まる。
負荷変化後は、電機子電流は変化せず、入力電圧のみ変化するので、
$$
E_{2} = 80-50\times 0.2=70\,{\rm{V}}\tag{5}
$$
となる。よって、負荷変化後の回転速度$${N_{2}}$$は、式(3)より、
$$
\begin{align}
E_{1}:E_{2}&=N_{1}:N_{2}\notag\\
N_{2}&= \frac{E_{2}}{E_{1}}N_{1}\notag\\
&= \frac{70}{100}\times 1200\notag\\
&=840 \,{\rm{min^{-1}}}\tag{6}
\end{align}
$$
となる。よって答えは、(2)である。
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