平成24年度 機械科目 問2 電験3種過去問
問題
考え方
この問題は、直流他励電動機に関する問題である。回路図を書いて、各条件時の状況を整理していく必要がある。他励の場合は、電機子電流$${I}$$を求めるには、問題文で、ブラシによる電圧降下及び電機子反作用はないものとしているため、端子電圧$${V}$$、電機子抵抗$${R_{a}}$$、逆起電力$${E}$$が分かれば良い。
式で表すと、
$$
V = E+IR_{a}\tag{1}
$$
となる。
解答例
直流他励電動機の始動時の等価回路を図1に示す。励磁回路は、一定で考える必要がないため、書いていない。
始動直後は、逆起電力$${E_{1}}$$は、$${0\,{\rm{V}}}$$なので、図1より電機子抵抗$${R_{a}}$$は、
$$
\begin{align}
V &= I(R+R_{a})\notag\\
R_{a} &= \frac{V}{I}-R\notag\\
&= \frac{120}{120}-0.8\notag\\
&= 0.2 \,{\rm{Ω}}\tag{2}
\end{align}
$$
と求まる。
始動して時間経過すると逆起電力が徐々に大きくなっていく。問題文で電源電圧は一定としているため、式(1)より電機子電流は小さくなっていく。
電機子電流が$${40\,{\rm{A}}}$$となったときの等価回路は、図2のようになる。
図2より、逆起電力$${E}$$が求まる。
$$
\begin{align}
V &= E+I(R+R_{a})\notag\\
E &= V-I(R+R_{a})\notag\\
&= 120-40(0.8+0.2)\notag\\
&= 80 \,{\rm{V}}\tag{3}
\end{align}
$$
よって、直列抵抗を切り替えた時の等価回路は、図3のようになる。
問題文で電流は瞬時に変化すること及び回転速度が変化しないとしているため、
図3が成り立っている。
よって、切り替え直後の電機子電流$${I}$$は、図3より、
$$
\begin{align}
V &= E+I(R+R_{a})\notag\\
I &= \frac{V-E}{R+R_{a}}\notag\\
&= \frac{120-80}{0.3+0.2}\notag\\
&= 80 \,{\rm{A}}\tag{4}
\end{align}
$$
と求まる。答えは(2)である。
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等価回路でみる直流電動機
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サイト
https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
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