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令和5年度上期 理論科目 問10 電験3種過去問


問題

出典:令和5年度上期第三種電気主任技術者理論科目A問題問10

考え方

コイルで発生する電圧$${e}$$は、インダクタンス$${L\,[{\rm{H}}]}$$と電流$${i\,[{\rm{A}}]}$$を用いて、

$$
e=-L\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}\,[{\rm{V}}]\tag{1}
$$

で求まる。したがって、最大値は、電流の時間変化が1番大きいところで発生する。

解答例

問題文の図2を図1に示すように、ブロック分けする。

図1 電流の時間変化をブロック分けしたもの

図1において、②と④では、電流は一定である。よって、この時に発生する電圧は$${0\,{\rm{V}}}$$である。

$${5\,{\rm{ms}}}$$で$${1\,{\rm{mA}}}$$変化しているため、変化率は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}&=\frac{1\times 10^{-3}}{5\times 10^{-3}}= 0.2\tag{2}
\end{align}
$$

となる。

$${5\,{\rm{ms}}}$$で$${-0.5\,{\rm{mA}}}$$変化しているため、変化率は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}&=\frac{-0.5\times 10^{-3}}{5\times 10^{-3}}= -0.1\tag{3}
\end{align}
$$

となる。

$${2\,{\rm{ms}}}$$で$${-0.5\,{\rm{mA}}}$$変化しているため、変化率は、

$$
\begin{align}
&\notag\\
\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}&=\frac{-0.5\times 10^{-3}}{2\times 10^{-3}}= -0.25\tag{4}
\end{align}
$$

となる。よって、変化率の大きさ$${\left|\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}\right|}$$が最も大きいのは、⑤の区間である。
電圧の大きさ$${|v|}$$は、式(1)より、

$$
\begin{align}
v&=-L\frac{{\rm{d}}i}{{\rm{d}}t}\notag\\
&=-5\times \left(-0.25\right)\notag\\
&= 1.25\,[{\rm{V}}]\tag{5}
\end{align}
$$

となる。よって答えは、(4)である。

サイト

https://sites.google.com/view/elemagscience/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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