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第3章 エーラト演出についての解釈の試み

 2012グラーツ『エレクトラ』を土台としてエレクトラの「死」というものを考えるにあたり、2013年9月13日、私は幸運にも上演地であったグラーツにおいて演出家エーラト氏に直接インタビューをするという貴重な機会を頂いた。
 これにより、文献や批評記事だけでなく演出家自身の生の声という重要な資料も含めての考察が可能となり、テーマにより深く肉迫できるであろうと私は確信している。

 この第3章では主にインタビュー内容をもとに、まずは『エレクトラ』という総譜、リブレットの内容に関してのエーラト自身の解釈に触れ、そこから彼の「演出」そのものへの意図や考え方に迫っていきたい。
 それは「演出」と「作品」「芸術」と「学問」の関係性といったより大きな問題の考察にもつながるであろう。

3-1. 境界の解体
a.) 「死なない」エレクトラ / 「死んだ」オレスト
b.) クリュソテミスへと引き継がれる「オレスト」

3-2. 瞬間的な共感
a.) 異化効果 ―「エギスト=フロイト」の錯覚
b.) 「自分」を見つける瞬間

3-3. 「演出」の到達点 ―「名前のない踊り」をもとに


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