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悪い時ほど、笑顔で
こんにちは!ツアーガイドのFujikoです✨
13年前に書いたスペイン留学ブログ「不惑のハポネサ」を、25回のシリーズで別バージョンでお届けします。今回だけ特別編26回目としてお送りします。
映画業界で働いていた頃の体験をお楽しみください!
マドリードでの衝撃再会💥
マドリードの高級ホテルで行われた「R財団マドリードクラブ」の月1回の定例会。
そこで、衝撃的な再会をしてしまった…私の天敵であるピソ女家主と私😱
私の頭のなかでは、あの1月の寒いマドリードの夜空を、とぼとぼと2つのスーツケースを抱えて歩く自分の姿がフラッシュバックしていた。蘇ったのは天敵への嫌悪感だけではない。あの女に追加のお金を要求されたらどうしよう!という不安がよぎる💸
計100人近いメンバーが昼食をとりながらの会議は、8名ずつ丸テーブルに分かれて静粛な雰囲気で始まった。アメリカを拠点とするR財団の支部が、ヨーロッパで初めて設立されたのは、ここマドリードクラブと言われている🌍
そのため、所属メンバー数も他と比べると多く、大手エネルギー会社の社長や弁護士といった上流層も多い。日本の大手家電メーカーの社長も視察に訪れたことがあるらしい。わぉ!これまで訪問したクラブのアットホームな雰囲気とは180度違う✨
アメリカやイギリスから訪れているクラブ員の紹介に続き、私の順番がきた。席を立ち、笑顔で日本人らしく一礼する🌸
私の天敵であるピソ女家主の視線を感じながら…。
Nさんが、小声で耳打ちしてきた。
「スピーチの時間は10分にして」
(なにー!慎重にしゃべって30分はかかるスピーチを準備していたのに、それを10分なんて…。私のスペイン語力は、アドリブで短縮できるレベルまで達してないよー)と焦る💦
スピーチ時間の変更と会場の雰囲気で急激に緊張感が芽生え始めた。しかも、あの女の存在がそれをあおる。目の前にある、せっかくのフルコース・ランチを胃が受け付けてくれない😖トホホ。
スピーチを始めると間もなく、Nさんが席から合図を送ってくる。
「早く!巻いて、巻いて!」
(お前はテレビ局のアシスタント・ディレクターか!)と心の中で突っ込んだ
スピーチはボロボロだった。言うまでもない💧
観客の反応を見るかぎり、私の伝えたい半分も伝わりきれていなかったと思う。観客にあの女が混じっていたことが、冷静な自分を保てなかった原因の1つだと思うと、余計に悔いが残る😔
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スピーチを終え、自分の席に座るとようやく食欲がわいてきたが、すでにメインディッシュの時間。前菜やスープは片づけられていた。少し食べ始めると、メンバーたちは席を離れて自由に歓談を始めた。互いになかなか会えないVIPたちの集まりだから、少しでも多く情報交換したいのだろう
40歳過ぎてスペイン留学をしているハポネサ(日本人女性=私)には、目もくれない。
私は知り合いもなく、隣席の弁護士と言葉を一言二言交わす。豪華な食事を最後まで堪能するより、今すぐこの場から立ち去りたい気持ちでいっぱいだった💨
Nさんを探すが見当たらない。あの天敵も、この瞬間は受付席にはいない。
今だ!
隣の弁護士に気分が悪いと告げ、帰ることにした。そして、天敵に見つからないように、人の影に隠れながら会場を後にした。
ホテルのポーターに何食わぬ顔で挨拶して、ホテルを出る
すぐさまAさんに電話して、あの女が受付をやっていたことを伝えた。沈黙が流れ、そして絶叫📞
「えー!!!ありえない。Nさんはあの女を知っているはずでしょう!?それなのにあなたと彼女を鉢合わせさせるなんて、事をわかっていないわ。藤子、ごめんなさい。私が一緒にいたらその場からあなたをすぐに連れ出したわ」
(ううう、Aさ~ん)
泣きたい気持ちで胸がいっぱいだった
あの女ともめたのは6か月も前のことだったけど、あの時感じた心の痛みに今も激しく揺さぶられる、弱い私がいた
最後はこれか!と、私のスペイン留学を総括するような出来事が起きてしまった🌧️
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趣味は「留学」🌍
この留学を終えて早3年が過ぎたが、スペインの体験は今でも鮮明に私の脳裏に焼き付いている。スペインの諺、「A mal tiempo, buena cara(悪い時ほど、笑顔で)」を胸に、いつも顔をあげて過ごしてきた自分と、そんな思いを優しく包み込んでくれたあの空気、匂い、音は、今でも鮮明に思い出せる✨
帰国後、‘大人留学’への決意を後悔したことも正直あった
でも過ぎてしまったことをアレコレ考えても、今を変えられないし、変わらない
今の自分は、スペインで懸命に挑戦した自分がいるから存在するわけで、それを否定する必要はないと思っている🌱
これまで高校留学、大学留学をし、人生のターニングポイントである不惑の年にも大人留学を経験した。ここまできたのだから60歳を過ぎたら「熟年留学」もアリかな、と思っている😊
誰かに「ご趣味は?」と聞かれたら、「留学です」と答えるのも面白いかもしれない
新たな“留学”への備えは、自分のなかでは始まっているのだから…
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