スペインでの映画研究
こんにちは!ツアーガイドのFujikoです✨
13年前に書いたスペイン留学ブログ「不惑のハポネサ」を、25回のシリーズで別バージョンでお届けします。映画業界で働いていた頃の体験をお楽しみください!
スペイン留学の理由を聞かれて…
7か月のスペイン留学中や帰国後に、さまざまな質問を受けてきました。
多い質問の第3位は、
「スペイン人の彼氏は見つけた?」
返事は、
「えー、まぁ…」と濁します😅
第2位は、
「何をしにスペインに行った(来た)の?」
ごもっともな質問です。母国以外に住むという行為には何らかの理由が必要ですし、常に納得のいく答えを求められます。なので、
「スペイン映画の研究のためです」と、ほんとうの理由をハッキリ言います🎬
そして第1位は、
「何本の映画を観たの?」
核心を突く質問です。そう、私はスペイン映画を観るために留学したのです。
「劇場とビデオを合わせると134本。月19本程度は観ました」と答えます🎥
ただ、半年間で200本は観たいと思っていた私としては、この数字は少し残念です。映画祭スタッフ時代には、1日5本の映画を観ることも日常茶飯事でした。1日1本に満たない数字は、満足のいく結果には程遠いものです。よって、映画関係者にこの話をする時は、
「スペインは映画以外も魅力満載の国だったので」と、少し言い訳を付け加えなければなりません😅
マドリードで映画を観るための必需品🎟️
マドリードで映画を見始めたのは、渡西して2週間目でした。40歳を過ぎて空港で初めてお金を盗まれたため(連載第2回:「ピソの家主と大バトル?」参照)、手持ちが少ない私は、週末の美術館や映画館巡りに回す余分なお金がありませんでした💸(奢ってくれる紳士にも巡り会っていませんでしたし😅)
お金が振り込まれるまで、せめて情報だけは手に入れようと、マドリードの文化情報が掲載されている雑誌の中で、何を購読するといいかをキオスクのおじさんに聞いてみました📰
「これがいいよ。土曜日に『El País(エル・パイス)』に織り込まれる文化情報誌を見る人もいるけどね」
「Guía de ocio(ギア・デ・オシオ)」という、A5サイズで50~60ページ程度の週刊誌でした📖。1ユーロという破格の安さです。日本で言えば「週刊ぴあ」のような雑誌で、毎週金曜日に発売されています。中身は、映画、演劇、コンサート、レストラン、バルなどの旬な情報が満載。映画留学中の私には欠かせない愛読誌となりました🎞️
ごヒイキ映画館🎬
マドリードのガイドブックに必ず掲載されている国営映画館「Cine Doré(シネ・ドレ)」。スペイン政府教育・文化・スポーツ省が運営する映画館です。ここは、マドリード滞在中に必ず訪れようと決めていた場所のひとつでした✨
シネ・ドレは、中心街から徒歩15分ほどのAntón Martín(アントン・マルティン)というダウンタウンにあります。治安が良いとは言えない場所で、昼間に一人で探検していると、「china, china(中国の姉ちゃん)」と何度か呼び止められたり、じろじろ見られたりしました。夜は一人で歩けないと感じさせる場所です😓
そんなエリアにあるシネ・ドレは、夕方5時30分から24時まで、1日に4プログラムを上映しています。入場料は2.50ユーロ(約350円)、回数券だと10回分20ユーロ(約2,800円)という破格の安さ。映画好きには嬉しい場所です🎥
私はこの映画館によく通い、映画を見た後は、近くのガリシア料理のバルに立ち寄り、茹でダコをつまみにビールを飲みながら映画談義を楽しんでいました🍻
もうひとつのごヒイキ映画館🎦
スペインでの初映画デビューはガリシア人男性とのデートでした。その劇場はシネコンでしたが、映画好きとしては、老舗映画館にも足を運びたいと思い、マドリードの中心街にある「Cine Ideal(シネ・イデアル)」を訪れました。
シネ・イデアルは、1916年に建設され、1932年にはサルスウエラやミュージカルの劇場に生まれ変わりました🎭。現在は、8つの上映会場を持つ映画館で、外国映画を吹き替え版ではなくオリジナル版で上映する専門館です。
通常は8.50ユーロ(約1,200円)ですが、「día de espectador(観客の日)」には6ユーロで観られます。日本で言えば、毎週水曜日の女性1,000円デーのようなものです🎟️。私はこの日に狙いを定めて最新のロードショー作品を楽しんでいました🎬
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