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デンパサールをお散歩 その1
バリ島にはさまざまな魅力的なエリアがありますが、今回は州都デンパサールに行ってきました。
デンパサールはバリ島の南部に位置し、都会的な雰囲気を持つ。
一方で、ウブドは中央部にあり、自然と文化が融合した静かなエリアです。
バリ島の州都・デンパサールを訪れて
バリ島の州都であり、国際空港の名前にもなっている「デンパサール」。
この名前には実は意味があって、
「デン=北」
「パサール=市場」
つまり「北の市場」という意味なんです。
私が普段滞在しているウブド(バリ島北西部)とは全然違う雰囲気で、都会的なエネルギーが満ちている場所。
政治や経済の中心地であるだけでなく、高校生や大学生など若い人たちが多く、街全体が活気にあふれています。
ショッピングモールや映画館、博物館もあり、文化的にも中心地であることを実感しました。
そして、ウブドとの大きな違いに気づいたんです。
それは信号機!そうなんです、ウブドには信号機がありません。
だから道を渡るときはいつも慎重に注意を払っています。
でもデンパサールでは信号機のおかげで交通がスムーズ。
これだけでも「都会だなぁ」と感じました。
バリ博物館で歴史に触れる
私は海外旅行をするとき、できるだけその土地の美術館や博物館を訪れるようにしています。
その国や地域の歴史を知ることができるし、建物や展示物から文化政策まで垣間見えるんです。
今回もバリ島の歴史をもっと知りたくて、デンパサール中心部にある「バリ博物館(Museum Negeri Propinsi Bali)」に足を運びました。
この博物館はバドン王朝時代の宮殿風の建築様式で建てられていて、とても趣があります。
ところが受付に着いた瞬間、驚きの出来事が!
受付にいた男性が英語で話しかけてきて、
「今日は電力会社からの送電がないので、館内は真っ暗です。
またエアコンも効きません。それでも入場されますか?」
と言うんです。
せっかくウブドから90分もかけて来たので、私は迷わず
「もちろん構いません!」
と答えました。
すると、その男性が私についてきて、博物館内を案内してくれることに。
どうやら彼はこの博物館のツアーガイドさんでした。
ただし博物館に雇われているわけではなく、フリーランスとして活動しているよので、私が彼をガイドとして雇うことに笑
ププタン広場と悲しい歴史
まずガイドのPutu Dangkaさんが案内してくれたのは、博物館前に広がる大きな広場。
「ププタン広場」というこの場所は、子どもたちや学生たちが走り回ったりサッカーをしたり、とても賑やかな雰囲気でした。まさに市民の広場。
しかし、この広場には悲しい歴史があります。
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1906年、オランダ軍による侵略に屈することを屈辱と感じたバリの人々が、この場所で集団自害したんです。
その数はなんと2000人。。。
その記念碑には王と王妃、そして王子(または王女)の像が立っています。その後もバリ島は波乱の歴史を歩みます。
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オランダによる植民地支配は1942年まで続きましたが、その後日本軍による統治時代(1942~1945年)を経て、第二次世界大戦後には再びオランダがバリ島を支配しようとしました。
しかしインドネシア独立戦争によってオランダ軍は撤退し、最終的にバリ島はインドネシア共和国の一部となったんです。
宗教という大きな違い
私はこれまでインドネシアでは、ロンボク島しか訪れたことがありませんでした。
ロンボク島とバリ島を比べるのは少し難しいですが、大きな違いとして感じたのは宗教です。
ロンボク島ではイスラム教徒が多い一方で、バリ島ではヒンドゥー教徒が圧倒的多数。
しかもそのヒンドゥー教はインドのカースト制度的なものとは異なる「バリ・ヒンドゥー教」という独自のスタイルなんです。
インドネシア全体では約9割がイスラム教徒ですが、このバリ島では8割以上がヒンドゥー教徒という特異性があります。(つづく)