
最強のブラウザはObsidianだ!!
「最強のブラウザは何か?」と聞かれたとき、多くの人はChrome、Firefox、Safari、もしくは最近ならBraveやVivaldi, Arkの名を挙げることでしょう。しかし、私が提示する答えは少し異なります。
私は本気で「Obsidianが、ある種の“最強ブラウザ”になりうる」と考えています。

もちろん、Obsidianが従来のブラウザを完全に置き換えることはありません。しかし、特定の場面、特定のニーズにおいて、その圧倒的な生産性と効率性は、他のブラウザが辿り着けない独自のポジションを確立できるのです。
Obsidianとは
ObsidianはMarkdownファイルを軸にしたパワフルなノート管理アプリです。ノート同士を双方向リンクで結び、知識を「繋ぐ」ことで、膨大な情報を自分好みに整理・活用できます。拡張可能なプラグイン、柔軟なUIカスタマイズ、そして「自分だけの知的生産ワークスペース」を築ける懐の深さが、多くのユーザーを魅了しています。

Surfing Pluginによる「ブラウザ化」
このObsidianが、なぜ「ブラウザ」になりうるのでしょうか?その鍵は、「Surfing Plugin」にあります。このプラグインを導入することで、Obsidianのノートスペース内でWebページを直接表示できるようになるのです。

つまりObsidian内のタブのひとつとして、Google検索、記事閲覧、情報収集がサクサク行える──まるで、ノートアプリにブラウザを埋め込んだかのような体験が可能になります。
Surfing Plugin
GitHub - PKM-er/Obsidian-Surfing: An Obsidian plugin that lets you browse the web within Obsidian.
なぜ「最強」なのか?
ここで言う「最強」とは、単純な機能数や拡張性で他ブラウザを凌駕するという意味ではありません。
むしろ、「Obsidianで情報収集から整理、アウトプットまでを一元的に行える」という点にあります。アイデアの種を拾いながら、その場でノート化し、自分の知識ネットワークに組み込む──このシームレスさこそ、特定のクリエイティブシーンでObsidianを最強たらしめる理由なのです。
Obsidianブラウザの利点
メモと閲覧のシームレス統合:
新たに得た知見を即座にメモへ反映。ブラウザを行き来するストレスが消えます。誘惑と広告からの解放:
拡張機能やアドオンが使えず、一見「不便」に思われがちですが、それは逆で不便なサイトに行かなくなります。クソみたいな広告のAdblockなしでは使えないようなサイトにそもそも行かなくなるので、結果的に集中して作業ができます。よく行くサイトを厳選すれば、情報収集そのものの質が向上するでしょう。自分専用の情報空間:
調べた内容を即、ノートとして整理・関連付けし、Obsidian内で「知識の森」を育てられる。この一貫性は他のブラウザではなかなか再現できません。
致命的な欠点?ブックマーク・ヒストリー機能の貧弱さ
かつてSurfing Pluginにはブックマーク機能があったそうですが、現行バージョンでは正常に動作しませんでした。気になるサイトを後から見返すことが難しく、ヒストリー機能も貧弱で不便です。

「最強」と称しながら、この点は明らかな弱点です。既存のブラウザのように、ブックマークや履歴をサクッと活用する流れには程遠い。そもそもObsidianは知識管理アプリなのでここまで要求するのは高望みというものです。ただし、「常に必要なサイトは限られ、そこから情報を得てメモ化する」という特化環境では、意外とこの欠点は致命的にならないかもしれません。
課題点
拡張機能が使えない:
広告ブロック、カスタム生産性ツール、セキュリティ機能などが全て封印。とはいえ、特定の広告の激しくないサイトの閲覧に限り、テキスト中心の利用ならば大きな問題にはならないことも。プロファイル機能がない:
プロファイルごとの環境切り替えができないため、使う人間や用途が増えると混乱します。パスワードマネージャー非対応:
ログインが面倒になる可能性あり。ただしKeychainや外部ツールで補完は可能。
輝くユースケース
「じゃあ一体、いつ使えばいいの?」という疑問が湧くかもしれません。
答えは「テキストに集中したいとき」です。記事執筆中にChatGPTやClaudeでリサーチし、そのままノートとして保存。noteやHatena Blogで見つけた情報を引用し、Twitterでちょっとしたインスピレーションを拾う、Amazonの説明文を調べる、GitHubのドキュメントを参照する──こうした一連の動作を一箇所で完結できます。
さらにGmailでやり取りをしてGoogleカレンダーでスケジュールを眺めながら、Apple公式ドキュメントで最新リファレンスを参照し、その知見をすぐにObsidianノートへと刻む──このスムーズさは、まるで「あなただけの知識研究室」を作り上げるような感覚です。
他にもOverleafやCloud LaTeXも使えるので完全にテキストの統合環境です。
まとめ
Obsidianは元来、ノートアプリです。その「ノート」に「閲覧」要素を加えれば、情報収集から整理・活用までが一元管理可能な特別な空間が生まれます。
もちろん、メインブラウザとしてObsidianを使うのは無謀です。拡張やブックマーク、ヒストリーといった基本的なブラウザ機能が欠けています。
しかし、「必要なテキスト情報へ即アクセスし、それをノート化して知の蓄積につなげる」といった特定の知的生産場面では、他にない強みを発揮する“最強ブラウザ”になりうるのです。
日常の中でObsidianブラウザを併用することで、あなたの情報活用スタイルはきっと新たなステージへと昇華するはずです。