ラインセンサの取付位置について
はじめに
加工時間の短い(加工時間待ちが全く苦にならない)レーザー加工機があると、ちょっとした実験をする時にも ”実験治具作ろうか!” と言う気分になります。
出前授業用のプレゼンに必要な実験をしようと、準備をしていたら ” 自動化するか ” となって見出し写真の治具を作ってしまいました。
ラインセンサの取付位置
” ものづくり ” を教える際に、大事にしている事は ” 狙って作る ” です。
狙って作るから、狙いとのズレが認識できるし、ズレの量や原因に意識が向きます。
” 次はどうするか? ” に繋がり、少しずつ良いものに仕上がっていきます。
良いものに仕上がって行く過程は ” 楽しい ” です。
ラインセンサの取付位置は以下の3方向があります。
・高さ(タイルからの距離)
・左右位置(ラインセンサの取付間隔)
・前後位置(旋回中心からの距離)
例えばセンサの高さを10mm~20mmの範囲1mmづつ変えて最適位置を求める場合10パターンの確認が必要です。
左右・前後それぞれ10パターンの確認をする場合、1000パターンの確認が必要となります。
狙って作る
ラインセンサの取付位置の3方向の何れかが、他の方向に関わりなく最適位置が決められる場合は、確認の組み合わせを大幅に減らせます。
・高さ(タイルからの距離)
ロボカップジュニアレスギューラインの場合、10mmバンプなど障害物が配置される前提ですので10mm以下の配置はNGです。
高くするとAD値が小さくなって、S/N比が悪くなりますが、センサの見えている範囲が広がるメリットもあります。
障害物の寸法誤差や設置の状況を考慮して、センサと障害物が接触しない取付高さとして、15mmとします。
・左右位置(ラインセンサの取付間隔)
比例制御を前提にした場合は左右センサの差分値が左右移動距離に対して比例関係になるのが理想です。
高さが決まっていれば、左右距離・AD値特性を測定すれば、適正距離が分かります。
この測定を行うのが冒頭の実験治具です。
測定結果の抜粋を以下に示します。右端のセンサ間隔48mmの赤丸の様に、ラインを中央に捉えた時に左右それぞれのAD値はタイルの白色と同じに見えます。
差分を用いた比例制御としては動作しますが、ラインが有る所と無い所(ギャップ)の区別が付かない問題があります。
比例制御なら差分値に注目するなど、グラフから自分が目指す制御に最適なセンサ間隔を選ぶ事ができます。
後は、前後位置(旋回中心からの距離)の ”最適位置探し" です。
比例制御の場合、前後位置が変わると限界感度が変化するので、制御性を評価するには、前後位置ごとに、比例ゲインを最適値に変える必要があります。
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