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ジュニアが参加するロボットコンテストに関わる指導者のみなさんへ!


Li-Poバッテリーの取付方法の例

この画像は実際にあったLi-Poバッテリ搭載ロボットの取付例です。
”肝が冷えた” と危険を感じた方は内部短絡によって、バッテリーが火炎を噴
き上げたり、爆発するメカニズムを理解している方だと思います。
”何が問題なのか?” と思われた方は、読み進めて頂ければと思います。

圧力を加えるだけで爆発するリスクがあります

この夏流行したハンディ扇風機の爆発事故を注意喚起するニュースを御覧になった事があるかと思います。
”落下したハンディ扇風機は爆発する恐れがあります”と言う内容ですが、これは落下に伴ってLi-Poバッテリーに圧力が加わった事による内部短絡が原因です。
釘刺しによる実験映像が目立ちますが、冒頭のバッテリーの取付方法の様に狭い面積でバッテリーに圧力が加わる場合の危険性についての実験映像が下記URL(東京消防庁予防課)に、ありますので御確認下さい。
https://www.google.co.jp/search?q=リチウムイオン 火災 消防&sxsrf=AJOqlzWa6bReeiWYXIOC5l-Yyze8Az2LDg:1674912315173&source=lnms&tbm=vid&sa=X&ved=2ahUKEwjllM3Mrur8AhX_lFYBHRskDU0Q_AUoBHoECAEQBg&biw=1233&bih=648&dpr=1.5#fpstate=ive&vld=cid:34ed07d1,vid:KlTAG9GSnrs

熱にも弱いです

ロボカップジュニアサッカーではロボット同士が押し合うシーンがあります。この時モータの停動電流×個数の大電流が発生する可能性があり、過大な電流はバッテリーの発熱に繋がります。
また、キックオフの度に双方のロボットがトップスピードで正面衝突します。
これらの危険については次の映像を御確認下さい。
※車のダッシュボードなど温度が高い状態についての危険が示されていますが、バッテリーの温度が高い状態が危険ですので、前出のバッテリー自体の発熱も同じく危険と御認識ください。
”夏場に注意!『電気火災』 熱や衝撃に弱いリチウムイオン電池が突然発火 (新潟放送)”
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/99897?display=1

充電時の操作ミスでも爆発します

ラジコンカーやラジコンドローンなどのホビー用バッテリーの実態として、バッテリーメーカーと充電器メーカーが異なる場合が多いです。
この為に、充電器側はニカド、ニッケル水素、Li-Po、Li-Poハイボルテージ、Li-Feの充電ができる汎用タイプ(専用ではない)が主流となっています。
電池タイプの選択、セル数(電圧)の選択、充電電流の設定など、何れの設定ミスも爆発につながる危険性があります。
Li-Poバッテリーをニッケル水素設定で充電した場合の映像を御確認ください。
東京消防庁公式チャンネル
https://www.google.co.jp/search?q=ラジコン バッテリー 火災 消防&biw=1233&bih=648&tbm=vid&sxsrf=AJOqlzUD0Lcl2CDub7jzUbQjnqUjwPGQbw%3A1674912582437&ei=RiPVY8mrGv-52roP55mU8AQ&ved=0ahUKEwjJ5oXMr-r8AhX_nFYBHecMBU4Q4dUDCA0&uact=5&oq=ラジコン バッテリー 火災 消防&gs_lcp=Cg1nd3Mtd2l6LXZpZGVvEAMyBwgAEB4QogQyBQgAEKIEMgcIABAeEKIEOgQIIxAnOgoIABDxBBAeEKIEOgwIIRCgARDDBBAKECo6CAghEKABEMMEUOMIWNs4YOVCaABwAHgAgAFgiAHJDJIBAjIwmAEAoAEBwAEB&sclient=gws-wiz-video#fpstate=ive&vld=cid:3ebcb9a6,vid:zDkuLP_X8Uw

大人がリチウムイオン電池に関して正しく理解できていない?

ここまでの内容を全て理解していたと言う方は、既に子供たちのLi-Po使用は禁止していると思います。
それは、部活においてとかノードやブロックにおいてとか範囲は様々だと思います。
理解していなかったと言う方は、”大人がリチウムイオン電池に関して正しく理解できていない” のに ”子供たちが正しく理解して危険な使い方をしない保証は何処にもない” と御考え頂ければ幸いです。

科学技術の祭典において最新の技術を禁止するのは如何なものか?

この様な意見も耳にしますが、Li-Poバッテリーは最新技術ではありません。
鉛蓄電池、ニカド、ニッケル水素、Li-Poと充電池は進化してきましたが、Li-Poの爆発の危険性を解決すべく開発されたLi-Feが現在入手性が良く皆さんが購入可能なバッテリーでは最新の技術です。
お勧めしているのは軽量コンパクト(サイズ:18×30×55mm 重量:55g 850mAh)のLi-Feバッテリーと設定ミスが起きない(設定そのものがない)メーカー純正の充電器です。※充電器はUSB給電ですが、PCや電気機器などACアダプタ以外のUSB端子からは充電できません。
ROBOパワーセル F2-850タイプ (Li-fe) | 近藤科学 (kondo-robot.com)
BX-31LF リフェ専用充電器 | 近藤科学 (kondo-robot.com)
こちらの記事を御覧下さい。
ライフルで射抜かれても発火せず 「絶対安全な電池」に広がる市場(朝日新聞デジタル)https://www.asahi.com/articles/ASQ6962HLQ5VULBH00X.html

記事後半には17~21年の間の集計にて少なくとも1272件の事故が確認された。死亡事故が3件、やけどなど重軽傷の被害が81件起きているとの旨の記載があります。

電圧が低いと勝てない?

爆発の危険性を理解した上で勝つためにLi-Poを使うと言う発想の方は居られないと思いますが、そもそも電圧が高い低いは勝敗を左右する要素ではありません。
モータは電圧素子ではなく、電力素子です。
確かに同一モータであれば電圧に比例して回転数は向上しますから電圧が高い方が良いのは間違いありません。
しかしながら、予め電圧を決めて最適なモータを選択するのであれば選択肢の多い6V系の方が有利と言えます。
1~2kg程度のロボットを動かすモータとしては1/27から1/16スケール位のラジコンカー用モータが流用できます。
これら6V系モータは、ラジコン標準モータに加えて、互換のチューンモータが販売されており、最適なサイズ・出力を選ぶ事ができます。
因みに12VのマクソンRE16は4.5Wですが、6VのマブチRC-260は10.5W(巻き線のバリエーションによって異なります)です。
同じ出力の場合、電圧が低いと電流が大きくなって危険との意見もあります。
法則としてはその通りですが、現状の大電流による焼損は不適切なギヤ比選定にる停動電流の発生が原因です。
前出のRC-260は、正しくギヤ比を選定した場合の電流は2A程度です。
押し合っても、壁を押してもトルクによってタイヤが空転し、停動電流には遠く及びません。
ロボットのギヤ比選定方法については別の機会に解説致します。

最後に

子供たちが火傷や怪我を負う前にLi-Poを使用禁止して頂ける事を願っております。

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