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死を狩る者Dと、弟の考察
考える金仮面卿のワンポイント考察です
今回は、死を狩る者Dと、弟を考察します
Dに関しては、あの金と銀の鎧や、蝕まれた刃を受け取ったら死んでたこと、ノクローンにいた弟のこと等、よく分からないという感想の方が多いのではないでしょうか
明確な意味はなくとも、せめて何を暗示してそういうことになっているのか
その隠された設定やメタファーの意味でもいいから知りたいですよね
なので今回はそのあたりを考えます
まずDの本名を。これは兄弟のセリフから分かるのですが
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死を狩る者Dの本名ダリアン
弟デヴィン
実は、共に男性名女性名どちらもある中性的な名前なんです
特徴的なのはこの双児の鎧ですよね
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銀の意匠は目隠しをしている
黄金と白銀、絡み合う双児を象った鎧
分かたれぬ双児、Dは二人いる
二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂
共に起きることはなく、言葉を交わすこともない
…この鎧は望んでいるだろうか
もう一人の、Dの元にあることを
これがまた難解なフレーバーなので一層このイベントの理解を困難にしています
このテキストの意味は後に触れます
そもそも、この二人はいわゆる死王子、フィアイベントのNPCです
なのでまずフィアイベントとは何か、その意味するところを考察します
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マリカに似た金髪
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鳥のような衣装
ところでフィア&ロジェールはどうしても、マリカ&ゴッドウィンのメタファーと思えるのです
マリカは金髪で、ゴッドウィンの母でありゴッドウィンを産む役割です
それゆえ死王子をまた産み直そうとしているフィアはマリカのメタファーなのですね
ロジェールはその姿が鳥をイメージしており、鳥は嵐鷹の古王、ゴッドウィンのアナロジーです
また緑のイメージカラーはゴッドウィンの業瘡が出ている蟹、英雄墓のバジリスク、下半身魚のような大樹根の埋葬遺体全てに緑が出ていますね。調霊師ローデリカの瞳が緑であるように、本作で緑は一貫して死との関連性を示唆しています
そして自説からは、マリカとゴッドウィンはそういう関係にあり、そこから産まれた「醜い落とし子」(巡礼教会の幻影談)が歩く霊廟のデミゴッドたちなので、フィアと夜を共にするロジェールもまた同じ関係なのです
そうしますと、Dの双児、ダリアンとデヴィンの立ち位置、その暗喩しているものもある程度絞られてきます
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両都の巨大な遺骸
フィアやロジェールを本編NPCのメタファーだと解する場合
Dの双児は、永遠の都の遺骸の双子のメタファーと捉えることができます
黄金と白銀、絡み合う双児を象った鎧
分かたれぬ双児、Dは二人いる
二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂
共に起きることはなく、言葉を交わすこともない
…この鎧は望んでいるだろうか
もう一人の、Dの元にあることを
「黄金と白銀」の部分は、黄金の勢力の王プラキドサクスと、白銀の勢力の女王宵眼の血を継いだ子、という意味に解すればしっくりきます
そして、「二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂」の部分ですが、このノクローンの巨大な双子は、どちらか一方(ノクローンの方の妹)を弑すれば、他方も命を落とす、魂を共有する関係にあったのではないでしょうか
だとすれば、二人が同じように死んでいること、また、ノクローンの遺骸からしか指殺しの刃が生まれなかったことの説明がつきます
そのような「黄金と白銀、絡み合う」「分たれぬ双児」のメタファーNPCが、このDの双児なのです
そうすると、謎の多い「蝕まれた短剣」とそのやり取りの下りも説明ができます
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あまり見かけない短剣ですが
死衾の乙女、フィアから預かった短剣
彼女は、これを持ち主に返すことを望んでいる
元々は、黄金と白銀が絡み合った
特別な武器であったようだが
今は黒い傷に蝕まれ、ボロボロである
「黒い傷に蝕まれ、ボロボロ」
ここの部分は、蝕む、黒い、が、神に対し運命の死を与えたことを
そしてボロボロ、の部分が、何度もそれが繰り返されたことを暗示しています
「特別な武器」
通常の武器ではない、つまり死のルーンが宿った黒き刃のような特殊なものであることを示しています
「黄金と白銀が絡み合った」
これは製法というより、この武器のたどった経緯
黄金の勢力と白銀の勢力、どちらもが使った
あるいは黄金の勢力と白銀の勢力、どちらの神もそれで殺された、と考えられます
「持ち主」
これが神殺しの武器なら、フィア、つまりマリカが探している持ち主とは、ゴッドウィンの暗殺の背後にいて、この刃を作った者のことを言うのでしょう
以上に照らすと、この蝕まれた短剣は、次のような経緯を象徴する得物だと解することができます
①かつて宵眼の女王が、神肌と共に研究し作り上げた神殺しの武器である。これが「持ち主」にあたる部分ですね。フィアが本来の持ち主に返して欲しいと依頼する部分です
②宵眼の暴走を制するためメーテールが神肌らから接収した。「黄金と白銀が絡み合」う部分です
③宵眼の増長に警告するため、メーテールは配下の使者にノクローンの女王(宵眼の双子の娘の妹)を暗殺させた。まず黄金が白銀を殺して歯がボロになります。宵眼の女王の娘なのでデミゴッド。故に運命の死を与えるためには、黒い傷で蝕む必要があります
④同時にノクステラの双子の姉も絶命した
これは、「二つの身体、二つの意志、そしてひとつの魂」の部分です
⑤以来宵眼の女王はエルデに対して復讐を誓っている
⑥報復として、マリカの子ゴッドウィンが暗殺されるように星見で運命を操った。再び黒い傷で蝕み、刃がボロボロになった。「黄金と白銀が絡み合」う暗殺の応酬です
⑦フィア、つまりマリカは「持ち主」つまり宵眼の女王と繋がりのある者を探している
そしてDが、
「…ほう、貴公…
その短剣、どこで手に入れた?
…
…まあ、よい
そいつの持ち主なら、よく知っている
俺の方から、返しておくとしよう」
持ち主ならよく知っている、なんていうものですから
フィア、つまりゴッドウィンを殺されたマリカは、その復讐として、「持ち主」つまり宵眼の女王の関係者D、つまり、彼女の娘(姉)のメタファーNPCを意識不明にしたわけですね(殺してはいないようです。魂が生きているので、弟デヴィンの意識が戻った)
だがしかし、Dダリアンには弟デヴィンがいる
つまり、ノクステラの姉にはノクローン妹がいる
その妹が姉の復讐として、あるいは過去の因縁の報復としてマリカたるフィアを殺したわけです
<メタファーNPCについて>
ここら辺、メタファーNPCの説明は面倒くさいですが、
例えば4種類の蝶がMの子らを暗喩するように、また
ミリセントがマレニアを暗喩するように、本作は精神的
続編のようなことを本当によくやります
オマージュといいますか
別のキャラクターにも関わらず要素を重ね合わせてバック
ストーリーを語る手法です。だからイメージを重ね
合わせて読み解くことが大事になります
この、子を殺された母の復讐に次ぐ復讐が、フィアイベントでもまた繰り返されている
そういう裏の意味がある、と説明できます
ちなみに
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弟デヴィンがなぜかノクローンにいるのは、永遠の都の妹がノクローンの女王だったことに対応しており
また鎧の銀の像が目を隠しているのは、宵眼の女王が宵眼(視界に入った生き物を殺してしまうバジリスクのような眼)だったためいつも目を閉じていたことの名残として、ノクスの民、特に女性は目を隠すことが多いです(夜巫女、夜巫女と剣士の遺灰、蛇肌など)
<なぜノクローンの水道橋にデヴィンはいたのか>
うずくまっていたのはD(兄ダリアン)が魂を使って
いた反射として魂が抜けていたからですが、この場所
にいたのはおそらく「落ちる鷹の兵団」の指揮官と
してノクローンに派遣されていたと考えられます
兄は死の根を狩ることでゴッドウィンに絡んできます
弟は落ちる鷹の兵団を率いることで同様にゴッドウィン
に絡んでくる(自説は嵐鷹の王をゴッドウィンの二つ名
と捉え、落ちる鷹をゴッドウィンの凋落と捉えます)
落ちる鷹の奴隷兵たちはおそらく、かつてゴッドウィン
やその子孫に仕え破砕戦争で敗れた一般兵でしょう
王都に捕えられた後処刑を免れるも、得体の知れない銀
の雫や夜巫女と戦う。危険なノクローンの調査に駆り出さ
れたものです
「分かたれぬ双児は、黄金律に仕えた
それだけが、彼らを呪いと呼ばなかったから」
分たれぬ双児の剣テキスト
死の根を狩る兄
落ちる鷹を率いる弟
もしかしたら彼らはエルデの民とノクスの民のミックス
なのかも知れません
黄金とも月ともつかない
どちらも地下の死に近い汚れ仕事
それを熟さないと、彼らは呪いと呼ばれてしまう
黄金の名を穢さないよう必死だったでしょう
いかがでしょうか
フィアイベントの謎の双児
突然始まる命の取り合いと、不可思議な刃のやりとり
このあたりもまた、エルデとノクスの長きに渡る因縁と解するとすっきり理解できます
またそれを導くには、次のようなメタファーNPCの役割、対応を前提とする必要があります
・フィア → マリカ
・ロジェール → ゴッドウィン
・D(ダリアン) → ノクステラの女王(姉)
・弟(デヴィン) → ノクローンの女王(妹)
・持ち主 → 宵眼の女王、双子の女王の母
これでまた一つ、もやもやが解明
ところで、
本考察でも度々出てきた二つの永遠の都の遺体
王女の仕事とはいえ姉妹離れ離れで
親同士のいざこざに巻き込まれて、おそらく若くして亡くなってしまったでしょう
無念だったのでは
もし転生できたら、今度は二人で離れずずっと仲良く
共に白髪の生えるまで
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↑こんな風に
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