角人と祖霊の考察
こんにちは
考察界の白濁汁、考える金仮面卿です
今回もエルデンリング考察、進めてまいります
<考察の指針>
なお、本考察は体系に矛盾なく、テキストにも
則する範囲で、比較的自由に物語を膨らませて
います
そういう解釈も有りなのか、と楽しみながら
読んでいただけると幸いです☺️
前回は影樹。引き続き、DLCで手付かずな部分を。今回は、分かったようで分からない角人に関する文化と、祖霊に関する文化を、角繋がりでまとめて考察します
1.角人とは
影の地、塔の街ベルラートに棲んでいる混じり角を崇める人種です
東洋風な土地神信仰に基づき、壺の中での輪廻転生や、神獣降ろしといった独特な宗教観を持ちます
神事「神獣獅子舞」の中に入る「角人の戦士」や、即身仏のような「土地神」、それにならんとしてなれなかった修験者である「呪剣士」、毛蟲の仮面を付け罪人壺を作る「大壺師」など、様々な役割の民がいる
そんな角人たちは、マリカの建立した黄金樹(影樹)ではなく、ベルラートの背後に聳える「螺旋塔(エニル・イリム)」を崇拝しました
<注意すべき3つの勢力>
マリカとラダゴンの影樹が立った頃には、
3つの勢力があることに注意が必要です
①ファルム・アズラの古王竜と、神人の
宵眼女王
②ベルラートの角人たちの文化
③新興の曲がった黄金樹(後の影樹)
マリカの勢力
このうち①②は混じり角を坩堝の諸相と
して尊重します
③はまだ態度に出さないものの、二本指の
黄金律純血主義が主軸なので、坩堝には
不寛容です。これはラダゴンも同意です。
一方マリカは大母思想で生まれ育ってる
ので坩堝に寛容です
が、二本指に逆らえないひよっこ神です
なので全体として、「坩堝は本来望まし
くないが、影の地では新興勢力なので
表に出さず、地道に黄金樹の思想を布教
していきたい段階」とみることができます
そして、①② vs ③は、後に対立します
螺旋の形は角人たちの間では、神に至る神性な意匠であるとされ、建築や祭具など様々なものに取り入れられています
そんな螺旋は、角人たちに生える混じり角の形にも見られ、原初黄金樹を司るファルム統治時代には、そういった異形の身体への発現は「坩堝の諸相」と呼ばれ、神性なものとして尊重されました
角は角人たちにとって
・神聖
・免疫
・選民
・再生
・霊長
を表すもののようです
このうち特に免疫耐性は目に見える効果で、角が、毒や腐敗などの外なる神に対抗できる力ももっているようです
なお、この免疫の角飾り、祖霊の民が使うもので、同名のアイテムがあります
全く同じ名前の異なるアイテム。この共通点は偶然ではないでしょう
次に祖霊の民とはなにか見てみましょう
2.祖霊の民とは
地下永遠の都ノクステラ・ノクローンや、地上ではリエーニエ北東、ウルドの王朝遺跡などに生息する、屈強で巨大な体躯を持ち、左右に雄牛の角のようなものを生やす種族です。男性も女性も頑強です
弓を持ち、青白いエフェクトの魔術矢を放ってきます
彼らとは会話できないので、それ以上のことはテキストから推察する他ありません
これらによると
・祖霊の王という巨大な牡鹿のような霊を頂点とする祖霊信仰を持つ民である
・狩猟民族である
・霊術により小さな動物の霊のエネルギーを矢に込めて使う
・芽吹き、と呼ばれる輪廻転生を信仰する
種族だと分かります
この他、羊を飼う姿や、かなりの美声で女性の祖霊の民が歌を歌う姿などが確認されてます
芽吹き、という概念が不思議ですが、単なる輪廻転生ではなく、転生を繰り返してより高位な霊体となることを目指すもののようです
輪廻を繰り返し、より高みへ向かう
これは、螺旋の回転の高みが神に続いていると考える、角人たちと類似する考え方だとおもいます
身体に角を持つこと
角が免疫を高め神聖であること
螺旋の構造は神の高みに通じるとの思想
これらは、角人と、祖霊の民の共通点です
一方で
祖霊の民は
・牛の角のみ
・狩猟民族
・霊術の魔術を使う
・祖霊の王を信仰する
・主に地下に暮らす
角人
・多様な角が混ざる
・白銀や黄金の角貨の流通経済
・剣術や呪術
・神獣や土地神を信仰する
・主に地上に暮らす
などの違いもあるようです
混じり角ってなんなの?
自説からは、祖霊の民はしろがねと牛の混血種です
その頑強さと角は牛からきていると解します
一方、角人の混じり角は、一口には説明できません
そこで混じり角が何なのか考察します
・霊的神聖説
……一つの説明の仕方は、角人たちが信じているように説明することです。それは彼らが選ばれた民だから生えたのであり、神聖で霊的な角が彼らの体に宿った。それを原初所黄金樹では「坩堝の諸相」と呼び、ファルム現政権も尊重し推奨する
ファンタジーでゲームの世界ですから、そういうことも起こり得るでしょう
・風土病奇形説
……もう一つの説明は、なんらかの身体的異常ということです
フロムゲーですから、にべもなく、そちらの残酷な方を疑ってみましょう
確かに、種の保管庫に保存されている巨大な牛(?)のような標本や、黄金カバを見るにつけ、申し訳ないがフラットに見て、何かの風土病に侵されているようにしか思えない
そう考えると、以下の疑問が生まれます
ⅰ.なぜ影の地の主にベルラートを中心にその病は流行ったのか
ⅱ.その病の原因物質の特定と、感染経路
ⅲ.なぜ祖霊の民と違い「混ざる」のか
ⅳ.なぜ彼らはそれを神聖だと信じたか
これらに合理的な説明がもしできるのなら、「混じり角風土病説」は採用に値する説になると思います
3.混じり角風土病説の考察
ⅰ.なぜ影の地の主にベルラートを中心にその病は流行ったのか
私は常々、「名も無き永遠の都」って、何のためにあったのか疑問に思ってました
ちょうど現黄金樹の真下です。黄金樹の根に掘り起こされて廃墟になっている都市です。しろがね人の都市なのは分かっています。
巨人山嶺の地下水脈が集まって、源流になっているのでしょう
エルデの民が現黄金樹をそこに立てたのも偶然ではなく、エインセル・シーフラの両地下大河の源流であるため、山嶺の清流を根から吸い上げることからあえて選んだのでしょう
ノクスの民にとっても水源は大事だから、それを管理するために、エルデの民が黄金樹を立てるよりもずっと前に、そこに都を建てた
これまではそのように考えていました
しかし、これまでの考察を通じて、ノクスの民が実に巧妙な侵略戦略を立てているのを知り、単純にそれだけとは思えなくなりました
これを見て下さい
これは以前考察した、ノクスの民初の王国、ウル王朝
その建国の経緯の石碑絵で、5枚の絵のうちの1枚目と2枚目です
以下、自説の読み解いた絵の解釈を前提に考察を進めます
このように、土壌を泥濘(ノクスの死骸の体細胞。凝固が進み硬質化・金属化すると、銀の雫の殻となる)で汚染して、人の身体に作物やそれを接種した動物を通じて入り込む
それが侵略の第1段階である、と考察しました
そして侵略の第2段階は、しろがね人の異種交配を通じて、雫の幼生の
コピーを爆発的に増やすこと。この点は繰り返し述べました
私は第2段階の解説をしながら、これも強烈だけど、第1段階の土壌の汚染と経口摂取を続けてもかなり支配広がるな、と、ノクス目線で思ってました
そして、今回の混じり角風土病説の考察を始めて、ふと思い出したことがありました
名もなき永遠の都の廃墟
あそこには、白い液体、白濁液がなぜか溜まっていた
エルデンリングで白い液体といえば、
そう、しろがね人の血
しろがね人の血は白い
名もなき永遠の都の、水質管理って、しろがね人の血を流すことだったのでは?
黄金樹の恵みが潤沢だった頃はともかく、マリカ不在の荒廃した世界で黄金樹の恵みが枯渇したのは、一つにノクスの計略として黄金樹直下の水質が汚染されたからではないでしょうか
それだけではなく、太古、ウル王朝や、ノクステラの都では、死者は霊炎で燃やされ、死かき棒で集められた灰は、石棺に詰められてエインセル河に流されました
灰にはやがて河の水が浸潤して、どろどろになります
泥濘です
DLCで追加された泥濘の渦という魔術のテキストには、霊炎で焼かれた灰が泥濘の原料であると明示されています
この、白濁した河の水と、それをたっぷりと含んだ灰を原料とする「泥濘」
それは地下から湧いて、やがて地上に溢れ、周辺の土壌になります
これらの仮説が全て正しいとしたら、混じり角の病がベルラートを中心に広がる理由が説明できます
ノクステラ文明の現地文明侵略戦略
その第一段階は、地下水脈を通じて土壌を作り変え、原住民に経口摂取させることです
その土壌汚染が最も激しい地域がベルラート
だとしたらそれは風土病であり、発症がその地域に集中することの理由となります
また、このような河の流れが、影の地を「あらゆる死が流れ着きあらゆる死を鎮める」場所たらしめているのでしょう(鎮めの塔石碑テキスト)
<そんな汚染があったなら、なぜ現在の黄金の民は平気なの?>
それは、
①アルター高原という「高台」にあったため、地下の水質汚染と
土壌の組み替えの影響を免れたこと(というか、そのためにわざ
わざ高原を選んだ)
②現黄金樹の祝福にそのような病原への治癒力があること
③その頃にはノクスの民は地下を追われ(アステールの襲来)、
汚染が継続していないことなどから平気になっていたと思われます
ただし過去に変異した、巨大ガニやミランダフラワーなどは、祝福
の恩恵が受けられないので、そのまま特異な姿で生存を続けている
のではないでしょうか
また、現在の荒廃した狭間の地では黄金樹の治癒力も弱まっている
ため、全土に不健康な腐敗や混じりの汚染が広がりつつあると考え
ます
ⅱ.原因物質の特定と感染経路
そうだとしたら、どのような経路で混じり角は角人たちの体に入り込んだのでしょうか。全ての角人の体に、土地神のような発達した角が生えてるわけでもないことから、特別な生活習慣や食生活が関連していると思われます
そこで今一度、ウル王朝のしろがね0世代が食べていたものの絵を調べてみます
これ……DLCで見たことあります
ラダの実に似てませんか
「霊墓の草になる」
……やはり死、泥濘と関係しているようです
泥濘は祖霊になり、やがて芽吹く
どこから芽吹く? 霊墓の近くの草からだとしたら?
ラダの実として「芽吹き」ます
このラダの実の芽吹きは、後でもう一度出てきます
覚えておいて下さい
ラダの実は石版の植物によく似ている気がします
重ねてみましょう
これはかなり真相に迫ってきたのではないでしょうか
でもそれは「苦みが強く、人の食用には適さない」とあります
ただしかし、ある特殊な役割の人には、よく食べられていたようです
スピリットレーズン
ラダの実を干したもの
苦いが、霊性を高める
トレントは嬉しそう
霊性を高めたい角人
神獣獅子舞の戦士、修験者、呪剣士、そして土地神
彼らはおそらく日常的に、スピリット・レーズンを食べ、神聖を高めようとしていた
なぜそうするかというと
たくさん食べていると混じり角がどんどん大きくなるから
【原因物質】
ラダの実
【感染経路】
スピリット・レーズンに加工して経口摂取
これは……絞れたのではないでしょうか
なお、トレントも大好きということで、そういえばトレントは馬なのに、牛の角が生えてますね
だとしたら、偶蹄目や奇蹄目の好物でもあるようです
偶蹄目は牛、それからカバもそうです
カバといえば、そう、黄金カバですね
黄金カバも自生したラダの実を沢山食べ、ああなったのでしょう
さらに種の保管庫にあった、巨大な牛のような剥製
あれにたくさん角が生えていた理由も説明できます
あの牛もラダの実を沢山食べたのでしょう
ラダの実はおそらくその坩堝性の一例で、他にも影の地の泥濘の土壌で育った植物は混じりの影響を受けているのでしょう
獣に限らず跳びウサギや亀にも角は見られます
ⅲ.なぜ「混じる」のか
ただ、疑問が残ります
①トレントや祖霊の民の角は、牛の一種類
②ですが、角人やカバや標本には、いろいろな諸相の角が生えています
③また、ウル爺のように、下半身が木の根になって歩けなくなる、という症例ともまた違います
①トレントはもしかしたら、祖霊の民に育てられた馬なのではないでしょうか。祖霊の民は狩猟民族です。羊を飼っているのが確認されていることから、馬を飼っても不思議はありません。祖霊の民の墓に生えるのは、坩堝の諸相ではなく、牛の諸相の角を生やすラダの実のみ、と考えると、トレントが混じり角でないことの説明がつきます
②これは、エインセル河を流れる灰の種類によるのだと思います。以前、宵眼の女王がメーテールにより神人に抜擢された理由の一つに、一族の管理する、死のインフラ、つまり火と河の利用の優秀さを上げました
おそらくノクスの民は、あらゆる生き物の死骸を焼いて、灰として石棺に詰め、河に流したのです
何のために?
衛生的な利点もあるでしょう
また、ノクス成分の土壌拡散目的もあったでしょう
でもさらに、特別な目論見があった
泥濘に、その地の生態のあらゆる種類のデータをインプットするために、です
そうやってあらゆる生物を焼いて灰にした泥土は、石棺の大穴から落ちて、最底に溜まります
そこから泥濘の騎士がすくった泥濘を、凝固させ、もっと固めて、写し身の雫として使う
ものまね変形能力を持つ銀の雫と、普通の銀の雫の違いは、あらゆる現地生物の灰が混ざった泥濘を使っているかどうか、です
そのような写し身も研究されたのでしょう
そこに魂を入れたのが傀儡の元祖……といった技術開発の話はまた置いておきます
全て、ノクスの侵略征服のためです
話を戻します
そのように、様々な動物を焼いて灰を混ぜて流したため、それを受けて潤った土壌、そして土壌から生ったラダの実も、様々な生命の諸相を宿します。そのため、この時代のラダの実は、坩堝の諸相を呈して、混じり角となったのでしょう
③これに対して、宇宙から飛来した石棺の中身である泥濘は、かなりノクスの純度の高いものです。侵略初期の、いわば先遣部隊なので、ウル爺のように体が植物化する、という症状に特化したラダの実ができるように、泥濘が調合されていたのではないでしょうか
ひょっとしたらノクスの民の基本は、植物的な生物、それも、特に知能の高い植物なのかも知れません。その移動能力の低さを補うために、物質と生命の中間にある銀の雫(喋れず、魂もなく、知能がない?)と相利共生している可能性もあります
これで一応①②③の説明は出来たと思います
ⅳ.なぜ彼らはそれを神聖だと信じたか
ここまで見ると、妙なものを口にした、ただの病気です
早く治した方がいい
しかし、彼らはそれを神聖なものだとして、有り難がりました
これはなぜでしょう
一つに、既に実証されているように、免疫力が高くなるようです
これは蝿の奇病にかかる彼らにとっては、あやかりたい生態の変化です
もう一つ、当時ファルム女王だった、宵眼の女王が推奨した
それは良いことだと思い込ませることで、原住民にどんどんしろがね成分の土壌を接種させ、しろがね化を促進させようとした
しろがね人たる宵眼の女王の、全土しろがね化キャンペーン政策だったのですね
もう一つ、魅了された?
角が発達して目に突き刺さっている角人
眼窩から角が生えているオババのような人もいます
痛いでしょうに
なぜ耐えられるのか
もしかしたら、ラダの実の摂取で、ある種の魅了状態になっているのかも知れません
これを御覧ください
拾い虫の製法書のレシピの一つです
癖になる味、とある
拾い虫の製法書は、6つある全てに、ラダの実を3つ使います
ラダの実は苦いが、中毒性があって気持ちよくなるので、みな絶賛して角サイコーとなるのではないでしょうか
また、
これもそうで、角には様々な効能があるため、そればかり食べるように魅了され、習慣づいてしまったのではないでしょうか
実際に強い
これが一番だと思います
混ざり角……忌み角の生えたモーゴットとモーグも、二人であの君主同盟の大軍勢をいなすほどの知力と強さを兼ね備えていました
<モーゴッドとモーグの忌み角の由来>
おそらく、マリカが取り込んだ罪人壺肉の中に、
呪剣士のものも含まれていたと考えられます。
「災いは忌避され、呪剣士たちは牢獄に幽閉され
た。ミラもまた幽閉され、ラビリスと交わりその
死が、彼に闇をもたらしたという」(呪剣士ミラ
の遺灰テキスト)
ラビリスがボニの牢獄のボスであることから、
呪剣士たちも他の罪人と同じようにボニ包丁で
切り刻まれたのでしょう
その肉をマリカが取り込んだため、混じり角と
修験者としての呪剣士の強さ、さらに牢獄に
幽閉される運命までも、モーゴットとモーグ
に受け継がれたのです
おそらく、ノクスの民は、さまざまな侵略経路で生態系を乗っ取っていく”お詫び”じゃないですけど、相利共生の恩恵として、受ける側を強くしているのではないでしょうか
もちろんそれは、自分の子孫の生存可能性を高めるためでもあるのですが、そうやって被征服者にもwin-winの関係を作る
だから爆発的に増えてゆくし、そうやって無数の星を従えていったのだと思います
v.混じり角風土病説 まとめ
いかがでしょうか
もちろん、混じり角の説明として、霊的神聖説の要素もあると思います。実際に祈祷や霊術のある世界ですし、外なる神の神性が降りてくるために混じり角が役立つのであれば、それは霊的神聖の説明しか成り立ちません
ただ、風土病奇形説のアプローチで理論的に解き明かしていくと、数々のノクスの戦略が明らかにされてゆき、考察としてはこちらの方が醍醐味があります。また、混じり角と祖霊の民の角の違いも説明できました(ついでにトレントの角も)
なかなか解きごたえのある謎だったと思います
また、このように考えると、ノクスの戦略は、三層構造になっていると思います
①自由意志的階層 ラニが主人公を、レラーナがメスメルを好きになり口説いたように、通常の自由意志の意識階層で、ノクスの種を繁栄させてゆく
②集団潜在的階層 ノクスの民としての潜在意識が、盲目的に王の創出を志向し、そのために種族を増やし、①自由意志的階層がそれに逆らえないこと
③植物的階層 もはや意思はなく、植物や物質として拡散され、取り込まれていくこと。もっと考えれば、例えばケイリッドのキノコ類の菌糸やカビなどのレベルでも、そのような侵略は行われているかも知れません
4.エルデ勢力の受け止め
このような土壌や霊性を通じた侵略と考えると、エルデの対応も、より明確になってゆくと思います
二本指はマリカを通じて粛清の業火で影の地を焼き払うことを命じました
これが混じり角風土病説に基づいた土壌や民族の浄化作戦であるならその意図が垣間見えます
また霊的神聖説も含んだ受け止めであるからこそ、焼炉ゴーレムの炎は霊さえも焼き溶かす特別仕様なのでしょう
だとしても、今なお泥濘の流入も狭間の中心に吹き溜まる霊も止まらない。だから聖戦も永遠に終わらない、悲しい現実が垣間見えます
三本指も同様です。ノクスへの敗北が確定したときに備えて、究極の浄化、狭間の地の焦土作戦を担って待機しているのです
5.角人と祖霊の民まとめ
以上より、角人は祖霊の民の文化に大きく影響を受けて文化を築き上げました
しかし、祖霊の民はノクスの民の一員として、清浄な水域に住まい、汚れのない角を生やし芽吹きを大事にしている一方
角人はエルデの民の被征服民として、宵眼の女王の政策によって、汚れた土壌に住まい、混じりの角を生やし、それを坩堝と称して崇拝する洗脳を受けてきました
結果、角人はさまざまな奇病や状態異常に見舞われるという決定的な差異があることが、本考察を通じて明らかになったと思います
角人の文化や混じり角に関しては
・「影の地の考察」
・「エニル・イリムの抱擁像は誰か」
・「種の保管庫に吊るされている巨人の正体」
などの回でも触れていますのでよければご覧ください
以上、今回は「角人と祖霊」を考察しました
次回は「黒き剣のマリケス」を考察します
他の考察はこちら↓