銀の雫の始まりの考察
1.はじめに
前回は各エンドの考察をし、そこで表エルデンリングの考察は一旦完結しました。今回からは裏エルデンリングの考察を始めます
かなり疑心暗鬼な話になることが多いので、露悪的な耐性の無い方、エルデンリングの美麗な部分が大好きという方は、気分を害するかも知れません。予めお詫びしておきます
どろどろした泥濘のような裏をめくるのが好きな方には、きっと気に入ってもらえると思います
まず、裏エルデンリングの意味について
<裏エルデンリングとは何か>
表をエルデの民(黄金の勢力)の考察とする
なら、
裏をノクスの民(白銀の勢力)の考察とする
ということです
エルデンリングは、手がかりとなるテキストが
乏しく断片的で、目に見えている物語でさえ正しく
理解するのに難航します
その上私には語られていない物語も存在している
ように思われます
例えばノクローンの都は、ただ色々モノが置いてある
だけで、友好NPCもおらず、話が聞けず、進展する
イベントもなく、何も物語が語られていない
また、宵眼の女王もそうです。彼女ことは名前が出て
きて、神人にもなった重要人物のはずですが、結局
DLCを通じても語られることはありませんでした
もちろん語られてないなら、さして重要人物ではない
だろう、物語は存在しないんだよ、という考察も成り
立ちえます
しかし「語られていない」のと
「物語が存在しない」のは異なります
「物語はある」けれど「語られていない」
そういう場合もあると思うのです
・永遠の都が滅ぼされたことも
・源流派の魔法が禁忌とされて争ってることも
・ラニの星が止まったり動いたりすることも
・メスメルを追ってレラーナが押しかけたりすることも
全て無関係に散発的、偶発的に起きたことではなく、
もし、因果の連鎖で繋がれて起きたとしたら
そういう見えない物語を掘り起こして、語ってみよう
という試み
それが「裏エルデンリング」です
ノクスの考察をしてて思うことは、かなりじめじめしてます
黄金の一族の、粗暴ながらもカラッとした明るさが恋しくなります
実際二本指って残酷で勝手でしたが、各自に「逆らう自由」は認めてました。個々の人格は認めつつ、自分に逆らったら、重い責任や罰を負わせる。その意味でサルトルのような、実存主義的だと思います。
一方で、そのような自由意思さえ認めていない勢力があったとしたらどうでしょう。まるで粘菌のように合一の盲目的な意思をもって、ちぎれて分離はするのだけど、どこまでも種としての意思に繋がれて支配されている。だから逆らわない。そもそもそんな意思さえ持たせてもらえない
表向きの人格や思考や個性はあるものの、水面下で、そんな種としての意思に拘束されている
昆虫的、といいますか
粗暴さはないけれど、何を考えているか分からない
これから話すのは、おそらくそんな種族の物語です
ゆえにじめじめします。泥濘のように
2.ノクステラ序説 五枚の絵のパズル
用語の使い方や意味については、こちらの凡例をご参照ください
<金と銀>
<再誕と転生>
<星と月>
<人と、◯◯人>
<ノクステラ、ノクローン>
<進化と坩堝と混種の違い>
などの違いを説明しています
その中でも今回は、
<進化と坩堝と混種>
<進化と坩堝と混種の違い>
進化……長い時間を掛け生命の木が枝分かれするように
世代を超えて分岐、多様化する(黄金、純血)
坩堝……転生したときに他の種族と混ざる特徴が出る
(祖霊の神性、白銀、突然変異)
混種……異種交配で別種族の血が混ざる
(銀の雫の能力、白銀、意図的)
混種は混血種や混合種と同義とします
と
<金と銀>
<金と銀>
……大いなる意思、エルデの民、指、黄金樹の勢力が
「金」
……ノクステラ、ノクスの民、ノクス、銀の雫の勢力が
「銀」
……「金と銀」と言ったとき、この二つの異星間文明
ないしその勢力を指します
「黄金と白銀」も同じ
こちらの概念の区別が大事です
では、いよいよノクステラの文明について考察しましょう。
また時系列で追って考察します
早速ですが
このおじいさん、誰?
あと、この石碑の五枚の絵、どういう意味?
おじいさんの石像も、五枚の絵の石碑も、ノクローンの都や、モーグウィン王朝などで見られます
なぜそのあたりにあるのでしょうか?
最初はここから考察します
五枚の絵について
これは推察するに、順番に意味をもたせると一つの物語になっていると思われます
そしてこういったものはたいてい、建国のいきさつを語り継ぐための物語だったりすることが多いのです
そういったメタ読みから当たりをつけて、どのような建国の物語か、を考えます
①これは石棺ですね。青の海岸や、石棺の大穴などに流れ着いているのがDLCで確認されています
・船底が見えていることから海ではありません。エルデの勢力との対称性から、ノクスの勢力も宇宙の外から来た。つまり宇宙船であると推察されます
②人と樹木です。素直に考えると、宇宙船から降り立った宇宙人が、植樹をして生活を始めた、という風に見えます。石碑に残すくらいですから、樹が大事なのでしょうか。どこか根っこが強調されているような、不思議な樹です
③台の上に座る人、右にいるもう一人が手を伸ばしているように見えます。台の上の人は、赤ちゃんを抱えていて、もう一人が受け取ろうとしているように見えます。これは子の誕生を表している可能性が高い。建国の碑に記されるくらいですから、何か大事な人物が産まれたと推察されます
④真ん中にあるのは、墓? 椅子? そういえば永遠の都には巨大な椅子がありましたね。それから左右対称に人が配置されています
椅子? のすぐ隣に立つ人は、それぞれ③と同じように、赤ちゃんを抱えているように見えます。その脇に小さな人、さらに人、人、何やら大きな人。左右対称は、双子の誕生を意味しているのでしょうか
⑤立派な神殿に、中央に人。王でしょうか。左右に対称に3人づつ。双子と関係があるのでしょうか
おおよそ無理のない、素直な観察によると、このような感じになるでしょう
これが、ノクローンの都などで見られることは、少なくともノクスの文明誕生にまつわる物語であることが推知されます
まとめると
①ノクスの民が石棺型宇宙船でやってきた
②植樹したりして生活を始めた。樹が大事っぽい
③大事な子供が産まれた。王か王女?
④大事な双子が産まれた。これも王か王女? 色んな身長の人がいる
⑤神殿のような立派な建物ができた。王国が誕生した?
一応意味は通る建国物語になりました
次に、それぞれ誰が産まれたのか、何という王国の建国物語なのか、などの具体的な考察を詰めていきましょう
四つのノクス系の都
こちらの地図を見て下さい
地図には
(都の名前、いずれも現在は地下)
・ウルの王朝遺跡
・ノクステラの都
・ノクローンの都
・名も無き永遠の都
(河の名前)
・エインセル&シーフラ源流
・エインセル河
・シーフラ河
(流れ着いた大きな石棺が確認される地名)
・青海岸
・石棺の大穴
の位置関係が記入されています
なお、影の地の中心、鎮めの塔屋上に「狭間の中心」と書かれていることから、それを中心に持ってくるように地図を重ねた場合の、青海岸、石棺の大穴のおおよその位置です
これらの都の規模、河の流れ、都の遺跡の進化具合等を考察すると、次のようなことが言えます
最も古く、素朴な作りなのは、ウルの王朝遺跡。柱はつるんとしており、壁もシンプル。他の都のような、凝った意匠がない
ウルの王朝遺跡の次に規模が小さいのは、名も無き永遠の都。ノクステラの都や、ノクローンの都のように、大きな都市ではない。黄金樹の根の発達により地盤が崩壊して傾いている建物が多い。これは大事な手がかりで、この都が、現黄金樹よりももっと古い時代に作られていることを表しています。ここがエインセル・シーフラ河の源流であり、他の都は河沿いに作られていることから、大事な源流を管理するための都市であったと推察されます
次に、最古のウル王朝遺跡を北に遡っていくと、すぐにノクステラの都と繋がっています。最古の都と繋がっていることから、ノクローンの都より先に、ノクステラの都が作られたと推察できます
ただし、ノクステラ・ノクローン両の規模はどちらも同じくらい大きい
また、2つの都には同じような、巨大な椅子廟に座る巨大な骸骨が安置されています。身なりから、女性。周りを贄でしょうか、祈りながら見上げる奇妙な人型のミイラ?が囲んでいるため、かなり高い地位の遺体と推察されます
全く同じような巨大な遺体なので、先の5コマの石版絵で誕生が描かれていた双子と関係してそうです
ノクステラの都と、ノクローンの都
建物を比べてみると、ノクステラの都の方が官庁街のような固い作りで、「ノクステラの月」というノクスのアイデンティティに関わるようなアイテムが存置されています
一方ノクローンの都の方は、もうすこし柔らかく、庭園などがあり、人が生活しやすそうな作りになっています。また、宗教施設のような建物もより多くみられ、「夜の神域」や「祖霊の王」など、より生死に密接な関わりがみられます。ここでは「写し身の雫の遺灰」や「指殺しの刃」といった重要アイテムが手に入ります
イメージとしては、
ノクステラの都が公的な官庁がある首都、
ノクローンの都の方が人々が生活しやすいベッドタウン、
といった感じです
以上より、あの石版の絵が、ノクスの建国を記したものであるなら、5コマ目の建国の絵は、ウルの王朝を示している可能性が高いです
ウルの王朝遺跡
まず目につくのが、この大きなおじいさんの石像。手には何か持っています
また、泥人と呼ばれる黒い人達もまとわりついてきます
おじいさん
もしかしたら、この5コマ目の真ん中の人でしょうか
それから、この右、最初の赤ちゃんを授かったお父さん?にも似てます
手に持ってる石版は何でしょう。調べると、かなりひび割れまで一致して、バビロニアの世界地図と同じようです
バビロニアの世界地図には、チグリス・ユーフラテスのユーフラテス川が刻まれ、その中央に王国が記されているそうです
ウルドの石版にも同様に、エインセル・シーフラ河が刻まれ、その支流にいくつかの都が記されているのでしょうか
世界地図を抱く、初代王。なんとなくそれは象徴的な行為で、この王穏やかな顔をしながら、実は世界を抱く、つまり世界征服をする野望をギラギラ滾らせている気がするのは私だけでしょうか
だとしたら、モーグウィン王朝におじいさんの像や石碑があるのも理解できます。モーグも世界征服の野望をギラギラ滾らせていますから、過去のレジェンドに肖ったのかも知れません
足がどんどん根に侵食されてるのが気になりますが……
それはさておき、ここでこのおじいさんの正体と、5コマ目の王朝が特定されました。このおじいさんは、ノクスの初代、ウル王朝の王。仮にウル王とかウル爺さんと呼びます。
そして3コマ目の最初の赤ちゃんのお父さんと、5コマ目の真ん中の王(同じように石版を抱えているように見えます)とが同一人物との推測が働きます。初代王の建国までの歴史と考えれば、王に子供が産まれて喜んでる姿を残すのは自然ですから、そのような場面である可能性が高いですね
また、この泥人を調べると、どうやらウル王朝の神官のようです
神託とシャボン、これを聞くと、王都やミケラの聖樹にいたユキダルマ、神託の使者を思い出します
また、
こちらの神託の使者もシャボンを使うので、見た目は違いますが、役割は同じなのかも知れません。
だとすれば、泥人もかつて、「新しい神、新しい時代の予兆として現れ」神託を宣ったのかも知れません。そして、それは何かの理由で失われてしまい、彼らはまた探しているようです
この泥人たちの存在を重視すれば、ウル王だけでなく、ノクスの民から「新しい神」と、その新しい時代が現出したのかも知れません
また、一つ気になっていることが。
「永遠の都」の「永遠」とはどういう意味でしょう
永遠の女王マリカ、と同じ意味なら、不死の神や王が治めていた都、ということになります
しかし、不死はエルデの黄金の専売特許なんですよね
ノクスの民が不死、ということはあまり聞きません
むしろ祖霊だとか、死のルーンとか、泥濘とか、死のイメージが強い
「新しい神」と「不死」
そんな者がノクスの民に居たでしょうか
ここで思い出す人物が一人
宵目の女王
神肌の使徒や、ノクスの民を統べる女王
彼女は指に、神人としても選ばれています
もし宵眼が、黄金の祝福を受け、不死となったら
「新しい神」と「不死」
そのどちらの条件も満たします
泥人たちの神託は、この宵眼の女王の誕生と、神人への即位を預言したものと解されるのです。他に考えうる神はいません
ならば翻って、
この3枚目の赤子
この右の父親が、後のウル王だとしたら
この赤子が、後の宵眼の女王になるのではないでしょうか
まず3枚目の赤子は仮に特定しました。まだ確信ではないので、折に触れて補強証拠を積み重ねていきたいと思います
四枚目の双子について
3枚目の赤子が宵眼だとしたら、4枚目の赤子はどうでしょう
4枚目の双子が、2つの永遠の都でそれぞれ座って眠る巨大な遺体ではないか、と先に述べました。もしそうだとしたら、宵眼とどのような関係があるのでしょうか
仮に宵眼の娘だとして、
だとしたら、なぜ4枚目の絵の中央に、宵眼やその夫はいないのでしょうか
また、なぜ宵眼からこんな巨大な娘が生まれるのでしょう
ところで、2つの永遠の都で眠る巨大な遺体の前には、まるでそれを守るように立ちはだかる巨大な竜人兵が配置されています
その竜人兵が、ここで大事なヒントを落とします
これはその、ノクステラの竜人兵を倒すと手に入る祈祷です
この竜人兵は永遠の都で産まれたようです
しかしなぜ、竜とヒトの混種である竜人が、永遠の都で生まれるのでしょうか
また、本当の空も、雷も知らず、というのは含みがあります
本来であれば、空と雷を見ているはずである、という意味です
それはどこの空と雷でしょうか
竜、空、雷、
真っ先に思いつくのはファルムアズラ、
古竜王プラキドサクスの赤い雷撃です
今プラキドサクスの名が出ましたが、
そもそも宵眼の女王は、エルデ勢力の神人となったところ、
もし神人であれば王がいるはずです
古い時代の王配といえば、プラキドサクス
もし仮に、宵眼の女王と、古竜王プラキドサクスが成婚し、
子を授かったらどのような子が生まれるのでしょうか
<そもそもどうやって作るの?>
体格が違い過ぎる気がしますが、ノクスの民は後述のように、
不定形生物銀の雫の血を受け継ぎ、擬態ができます
つまり、体の形を変形させることができるのです
なので、体格や構造の違いは障害とはならないのでしょう
きっと強く、巨大な子が生まれるに違いありません
例えば女性だったら、産まれたときは小さくとも、成長すれば大きくなったのではないでしょうか。あの椅子廟に座っていた遺体のような、巨大な女性ほどに
例えば男性だったら、同じく大きくなったでしょう
その遺体を守るように現れた、竜人兵のごとく巨大な男性に
あの4枚目の絵がもし、宵眼の女王とプラキドサクスの間に産まれた、女の双子だったら
あの絵の中央に椅子が置いてあり、宵眼がいないのもうなづけます。彼女はファルムアズラに嫁いでいるため、ウル王が退位し、娘が産まれたその時点で、ノクスの玉座は空位です
そうして双子の娘は、預けられたウル王朝で、大きく育ちます
母の嫁ぎ先がファルムの王家なら、その家系は安泰でしょう
一族は栄え、ウル王朝とは比べ物にならない立派な都が作られたことでしょう
二人の娘たちのために作られたのです
永遠の都、ノクステラとノクローン
二人の娘はそれぞれそこで、女王の任につきました
だとすれば、4枚目の絵の説明もつきました
真ん中は本来宵眼の女王が座るはずだった、空位の玉座
その両脇に、ファルムに嫁いだ宵眼から託された双子の女児
二人には公平に、従者が付けられました
両端にいる背の高い個体は、竜人兵ではないでしょうか
ノクスとエルデに親交ができたため、ノクスの民と古竜たちの間に産まれた、永遠の都の警護兵です
竜人兵がいるなら、他のノクスの種族もいるのかも知れません。
そう考えると、双子を抱いているのは、ノクス僧とも、神肌の使者
とも見えます
また、その隣の小さい個体は、亜人でしょうか
そもそも、こういった混種って、どうやって生まれる
のでしょうか
角人のような、人に坩堝の諸相が現れた、というのではなく、
例えば獣人のように、ヒトと獣の混血種のような種族です
それは次回、「銀の雫、しろがね人の考察」で詳述します
さて、では今一度、5枚の絵の物語を整理してみましょう
最初に考察した内容に、ここまで積み重ねた推理を加えます
①ノクスの民が石棺型宇宙船でやってきた
②植樹したりして生活を始めた。樹が大事っぽい
③宵眼の女王が産まれた。喜んでる父は初代ウル王
④宵眼と古竜王の間に双子の女児が産まれた。周りには、神肌、亜人、竜人兵などがいるかも
⑤ウルの王朝遺跡の神殿の紹介。中央がウル爺、世界地図を抱えて世界征服を目指している。両端には、2つの永遠の都を治める双子の孫がいる。あとは付き人
大分具体的になってきました
あとは①②をもう少し具体的にしたいですね
石棺の中身
①ノクスの民が石棺型宇宙船でやってきた
ここでふと、気になったのですが、
ノクスの民ってもともと人型なのでしたっけ?
彼らは本来、銀の雫と呼ばれる、半分生物、半分物質の種族です
この大きな球を倒すと、雫の幼生という核をドロップします
この周りの球のような部分が、銀の雫の殻と呼ばれるものです
また、写し身の雫の遺灰テキストを読めば、彼らが不定形で可変であり擬態できることが分かります
そのような彼らですが、石棺に乗ってきたと言いました
彼らの石棺の中には、何が入っているでしょうか
これを読むと、そこには、泥濘が入っているようです
影の地で石棺の多く見られる場所、それらの行き着く先
石棺の大穴
その最深部には、泥濘の騎士がいました
石棺には泥濘が入っているのです
だとしたら、
私は大きな思い違いをしていたかも知れません
①石棺型宇宙船に、人型の生物は入っていない
入っていたのが、泥濘と雫の幼生だったら?
それが、影の地の、石棺の大穴あたりに集中して墜落してきたら?
②中の泥濘と雫の幼生が大穴の底に溜まり、エラク川から大穴に流れ落ちる滝を遡上し
③それらの泥濘(ノクステラ星間生物の細胞)がアメーバや粘菌のようにエラク川を遡上し、現在のラウフの麓で地上に現れそのまま土壌となったら
④その土壌から、銀の雫の殻と雫の幼生が結合し、夜人が誕生、
その夜人が、同じくその土壌で白い樹木を育てる
つねづね、このテキストにあるように、しろがね人が「人に創造された生命」であるなら、どのように創造されたのか謎でした
しかしこれをご覧ください
とてもよく似ていませんか?
下の画像は、地下墓によくある扉のレリーフです
従来このレリーフは、還樹を表す図だと考えられてきました
しかし、埋葬や送霊がノクスの担当していた静脈産業だとすると、このレリーフを制作したのもノクスです
同レリーフ下、左右にいる人がそれぞれこの考察におけるラウフ妃とウル王に似ていて、この樹木に生えている人体はそれぞれしろがね人(特にラティナのような弓手の女性)に似ていませんか?
だとしたら、しろがね人の作り方はこうかも知れません
・泥濘が土壌となり、夜人が樹木を育てた
・その樹木に果実のように成った生物がしろがね人なのではないか(しろがね人第ゼロ世代)
・樹木から生る果実の形は決まっていた。だから石棺にすでにウル王やラウフやその赤子の意匠が掘り込まれている
・血液が白いのは、ゴムの木や夾竹桃の樹液が白いのと同じではないか
・晩年は下半身から樹根化していずれ白い樹木になってしまうのは、彼らしろがね第一世代が樹木人だからではないか(聖別雪原には白い樹木の霊がたくさんあります。またノクローンの都で擬態のヴェールを使うと白い樹木に変身します)
だとしたら、石棺型宇宙船に入っていたのは泥濘
人ではなくこの黄色の部分、土壌と根、そして樹こそが、ノクステラの星間生物の本体だった、ということになります
このように考えると、例えばノクステラやノクローンの都では、椅子廟の背もたれに「根」が描かれています
さらに永遠の都関連の紋章も「根」が重要です
混じり角も植物の根のようですし、嘆き人の姿も樹根化してゆく人のようです
土壌と根がとても重要視されるのは
しろがね人のこの植物人たる特性によるものではないでしょうか
そのように根を通じて体内に雫の幼生を取り込んだ人間同士交配し、やがて子をなしたら
その雫の幼生は、子に、宵眼の女王に受け継がれる、
そうやって同じように、様々な異種族との間に子孫(種子)を残し、雫の幼生を体内にコピーし続けたら
古竜との間に、竜人兵
蛇との間に、神肌
げっ歯類との間に、亜人
狼や獣との間に、獣人
本来の銀の雫の擬態、不定形能力ゆえ、あらゆる異種族との間に子をなせるでしょう
雫の幼生を体内にもったノクスの民である混血種は、爆発的に増えてゆきます
それはいずれエルデの民を凌駕して狭間の地を覆い尽くすでしょう
果たして本当でしょうか
<エルデの民と混血種>
ただ確かに、亜人や獣人のような混血種が、エルデの
民との間に産まれたという話を、私は聞いたことがあ
りません
そもそも黄金の民には、異種交配で動物などと混血種
を残せる能力はないのでは
原初黄金樹時代には、坩堝の諸相が尊ばれていました
が、それは誕生した人に偶然角などの諸相が発生する
突然変異のはずです
それは意図的に混血種を残す異種交配とは異なります
だとしたら、今ある獣人や竜人や亜人
彼らの祖先となる動物は、一体どんな「ヒト」と交わ
り混合種を残したのでしょうか?
分かりません
ですが、最初にこの土壌で樹に生り、誕生したと思われるウル爺さん
ウル爺さん、下半身、完全に根に侵食されてませんかね?
もともと樹木から誕生したから? 樹木に戻ってるの?
分かりません
果たして、石棺の宇宙船の中に、何が入っていたのか
ただしかし中に入っていたものが、泥濘と雫の幼生であろうと、人型のノクスの民であろうと、それにより、あまり答えは変わりません
いずれにせよ、ウル王朝はノクス人たちの作った、最初の王国。それはかつてリエーニエ、ウルド王朝遺跡のあった地下に存在した
それが狭間の地での、ノクスの始まりです
5枚の絵から、それは確かなようです
今回は「銀の雫の始まり」について考察しました
次回は「宵眼の女王」について考察します
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