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罪人巫子壺の考察


1. 壺巫子の額の刻印について

いきなり、かなり残酷表現的にセンシティブな画像ですが、罪人肉巫女……正式名「壺の中身」です

罪人肉巫女……正式名は「壺の中身」

額に、謎の烙印がありますね
何かの手がかりになりそうです

額の謎のマーク


ところで、これはマリカの刻印の形です
下に膨らむ弧です

下に膨らむ弧=マリカの刻印

次に、巫子村の大母の手の形はこう
マリカに比べて、手は低い位置
すしざんまいの社長のポーズのような
線で表すなら、上に膨らむ弧です

上に膨らむ弧=大母の手の形

故にもし「マリカの刻印」類似の
「大母の刻印」というようなアイテムがあったとしたら、こうなる筈です

大母の刻印(想像図) 上に膨らむ弧

次に、これはラダゴンの刻印です

ラダゴンの刻印 刺のようなギザギザ

このラダゴンの刻印の中にはこのような部分があります

赤で示した部分

この部分と、大母の刻印です

ラダゴンの刻印と一部と、大母の刻印


この二つを重ねるとどうなるでしょうか

こうなります

壺漬けの罪人肉巫女の額の烙印

さっきの謎の額のマークになります
壺漬けの罪人肉巫女の額の烙印です

壺巫子の烙印 = 大母の刻印 + ラダゴンの刻印の一部🤔?


なぜラダゴンの刻印の一部が壺巫女の額にあるのでしょうか?
いったんこの件は保留にします
この件は下で詳説するとして、今回はボニ村の残酷な壺漬け事業の考察をします


2. 6つの大きな謎


今回の考察では

①ラダゴンてどこから来たの?
②マリカって、なんであんなに禁忌を宿した不遇な子ばかり産むの? メスメルも炎と蛇の禁忌を宿してるし
③ボニ村の壺漬け事業って何のためにやってるの? その事業、効果あったの?
④マリカってなんで巫子死屍累々の中、1人だけ神に選ばれたの?
⑤なんでマリカ=ラダゴンなの?
⑥なんで影樹って2本絡んだ形で捻れてるの?

これらの素朴な、しかしどデカい謎にも迫りたいと思います

多くの考察者様や、プレーヤーの褪せ人様は

①ラダゴンてどこから来たの?
  ……リエーニエ戦役の前あたりに二本指に作られたのでは?
  ……マリカが炎の巨人を倒した呪いで生まれたのでは?

②マリカって、なんであんなに禁忌を宿した不遇な子ばかり産むの? メスメルも炎と蛇の禁忌を宿してるし
  ……祖先に禁忌を持った人でもいるのでは?
  ……戦争であちこち侵略した呪いでは?

③ボニ村の壺漬け事業って何のためにやってるの? その事業、効果あったの?
  ……よく分からないけど、マリカの復讐の動機に物語上必要だったのでは? 神事はよく分からない理由が多いから、特に設定されてないのでは?

④マリカってなんで巫子死屍累々の中、1人だけ神に選ばれたの?
  ……分からないけど、祖先に優秀な人がいて、才能があったのでは?

⑤なんでマリカ=ラダゴンなの?
  ……よく分からないけど、二本指が別の神が欲しかったから、マリカからコピーしたのでは?

⑥なんで影樹って2本絡んだ形で捻れてるの?
  ……なんか、影の地が忌まわしい歪んだ思い出の多い場所だったからでは?

みたいに思ってるんじゃないでしょうか。
もちろんそれでもいいと思います。特に明らかにされてないから、なんとなく想像するしかない。テキストがないので、いくら考えても正解は証明できせんからね。だから、それらも立派な一つの説です

ただ、

もし、
もしです
もしそれら6つの謎を、いっぺんに解き明かせる解答があるとしたらどうでしょう
しかもその解答には、3つの具体的な根拠があるとしたら?
ちょっと優秀だと思いませんか

その説を採用するにしてもしないにしても
ちょっと聞いてみて下さい

流れの中で明かしますゆえ

では今回のテーマ、罪人巫女壺の考察に入ります


3. 二本指と三本指の思惑


DLCで明らかにされた影の地。ファルム時代前半は分け隔てなく大らかで平和な時代でした。しかし、メーテールが傷ついたことで一変します。その後の影の地はどうなったでしょうか

メーテールは自身の性格が二本指と三本指に分裂。それぞれの指の子に、相反する指令を出しているように見えます

壊れた我が娘メーテールを見捨てて(大司教ユミル談)、大いなる意志はエルデの地に関心を持たなくなります

その後はメーテールの沈黙が続きます

メーテールが二本指に出した司令はおそらくこうです
・原初黄金樹から死を取り除け
・永遠の命と、再誕の生命を讃えよ
・エルデンリングを掲げ、その具現たる黄金樹と黄金律を実現せよ
・生命と黄金樹に仇なす、死・腐敗・巨人の炎・毒・魅了・狂い火・蛇の冒涜それら全ては禁忌であり、罪とせよ
・それらを取り払うことが永遠の安寧だ
・あと死と密接に結びついた坩堝の思想もゆくゆくは廃止しろ。坩堝とはすなわち混種である。これからは純潔主義だ
・それを実現する施策をせよ

同時にメーテールが三本指にも指令を出していますが、これは特殊なので三本指とシャブリリの考察回で詳述します

ここで大事なのは二本指の施策です。二本指は新たな王国を樹立しなくてはならないので、やることがいっぱいある。しかも色々、エルデの純血以外の混じりを取り除かなきゃいけない。律にとって不安材料となる禁忌な要素も多くあります。王も必要だし、神人も必要だし、黄金樹も立てなくては……ああ、エルデの獣もファルムから奪わなきゃ。古竜王も宵眼も滅ぼさなきゃ、

ああ……やることたくさん

あなたならどうしますか?
この点二本指は悪辣です
彼女(指はみんな女子)はとんでもないことを思いつきました


4. ボニ村の壺漬け事業


影の地、ボニ村
二本指はここで、あるおぞましい事業を、角人たちに命じました

罪人の肉を切り刻み、巫子の体と馴染ませ、大壺に漬け込む事業です

神事ということで、角人の大壺師たちはそれを良いことと思い込みました(中にはまともな大壺師もいて、その作業に膿んで放浪の旅に出ましたが)

それは善き人をつくるための事業と説明されました

関連テキストです

逆さに被り、頭をすっぽりと覆う大壺
牢獄で祈りを捧げる祈祷師の被り物
投擲壼および大壺の威力を高める
その祈りは大壺の中身に捧げられる
いつか、善き人として生まれ変わるように
それは、人の手による輪廻である

大壺頭テキスト

大壺を満たす肉の切れ端
ピクピクとく薄紅色のそれには怨霊がこびり付いている
敵に投げつけ、ダメージを与える
善き人になるために
切り刻まれ、大壺に詰め込まれた罪人どものなれの果てである

中身肉テキスト

ここで気になるのは、壺漬けの巫女と罪人の切り刻んだ肉は、よく馴染んで壺の中で生きてることです

輪廻転生なら普通、死んで生まれ変わりますよね
でもこれは「人の手による転生」なんです

壺の中身という名前のエネミー(罪人肉巫子)、人一人分ありそうな腫瘍を背負って、元気に攻撃してくる。死んで転生する気配はない。むしろ死ねない感じです

何やってるん?
何のために、罪人巫子壺そんなに作っとるん?

冒頭の問いの一つですね

そしてそもそも「善き人」ってなんでしょう?
基準は?
そもそも罪人て何?
通常基準の罪を考えると、

窃盗や強盗、傷害、殺人、体制への反抗などの罪を想像します

しかし黄金律原理主義基準の罪を考えると話は別です

何もせず、ただただ生きているだけでも、禁忌を宿した者は罪となります。黄金の生命と黄金樹に仇なす、死・腐敗・巨人の炎・毒・魅了・狂い火・蛇の冒涜それら全てが禁忌であり、罪になるはずです。

だから片っ端からひっ捕えて切り刻み、混ぜて罪人バラエティーミートパックを作る

これと歯の鞭で傷を付けた巫子を馴染ませ、壺の中で一体化させる

巫子が壺の中でやることは、祈祷によりこの罪人肉から様々な罪や穢れや禁忌の部分を取り除くことです。そうやって、この巨大な肉の腫瘍を、穢れごとすべて体内に取り込む

そして浄化した「善き人」を作って、自分の分身として転生させる

罪なき巫子と、人の手で転生した、善き人を完成させるのです。そのような、いわゆるホムンクルスを作る計画

ボニ村の壺漬け事業だったのだと自説は考えます

いや無理だって
そんなことができる巫子はいない
実際、全てが失敗し、幾多の巫子たちが、痛ましき異形の肉塊として永遠に生き続けました

たった一人、マリカを除いて


5. 神マリカの誕生


マリカだけは、どうしてか壺から再誕しました
多少鞭の傷は残ったものの、元通りの肢体を保って

そして半身を分けた罪人も一体、そのとき誕生しました。まるで自分の化身であるかのように、マリカは男性に姿を変えることができるようになったのです

黄金はそうして生まれ また影も生まれた

DLCトレーラー談


その罪人……かつて罪人の肉の寄せ集めだった男は、死体のような血の気のない肌と、一緒に混ざった炎の巨人の影響でしょうか、赤い髪をしていました。けれど、体質的には、一切の異常は見られません。禁忌や忌避すべき要素はなく、健常なエルデの民そのものです。そして何より、性格が善き人でした(二本指目線で)。知恵はまだまだ不足していますが、黄金律原理主義をすんなり受け入れます。合格です

どうしてかよく分からないが、マリカだけがクリアしました。この無茶な、罪人巫子壺の試練に

あらゆる禁忌を体内で浄化し、払拭できる能力を持つなら、神人を任せるに相応しい資質である

二本指はそう考え、マリカに言いました

よし、おまえは神になれ。この二本指が受信する(本当は受信してない)大いなる意志の名の下、黄金律原理主義を実現せよ。今出た壺の袋の中から、自らの抜け毛を取り出し、神の門にて高く掲げよ。それが誓約であり、また、お前自身を縛る枷となる

え? いやだ? 気がすすまない? 大母の教えのような、優しい律がいい?
……力が欲しくないのか。この同胞たちを、お前の大事な仲間の巫子たちを、こんな足下の肉片にした、角人たちに復讐する力が(本当は二本指が命じて始めさせた)
……お前が神にならなければこの先もずっとお前の同胞は壺に詰められ虐げられ続けるぞ
……憎いだろう。そうだ、お前の望む優しい律とやらも、力がなければ実現できんぞ。力のないお前たちは、このチャンスを逃せば、一生切り刻まれるだけだ

「始まりは、誘惑と裏切りだった」

針の騎士レダ談

マリカは二本指に唆されるまま、神たるを受けました
まだ純朴な、田舎の巫子娘です
自分の思うような律など、二本指が到底許さぬことも知らずに


6. ラダゴンとの建国の失敗


神になったマリカは、自分の化身であり、善き人になった罪人肉の寄せ集め、ちょいワルジゴロを王配に迎えました。名をラダゴンといいます

二人は子をなしました
それは実質単為生殖です
しかしどうしたことか
その子は禁忌を宿していいました

巨人の炎と、蛇の冒涜、2つも
この子は──、メスメルについては、次回考察に譲ります

<ここで一言補足を>

「狭我が名はゴッドフレイ 最初のエルデの王として」と作中明記
されています(本人談)。
なので、先にラダゴンがマリカの王配になるのはおかしいのでは、
との疑問が生じるかも知れません。

しかし、エルデの王とはエルデの獣を掌握し黄金樹と黄金律を
立てた王を指すと解すれば矛盾しません
マリカとラダゴンはまだエルデの獣をファルムから奪い掌握して
いないのでエルデの王ではない(影の地の新興の王ではあります)
それに、後述のようにラダゴンがマリカの王配だった時間は
非常に短く、狭間の地の歴史の中でもなかったことにされています
それも含めてなかったことにするために、ベールで覆い影の地を封印
しているのです

そういったことも含めて、この期間のマリカとラダゴンの婚姻関係は
ノーカンと考えます

さて、マリカとラダゴンは、影の地の北に黄金樹を立てます。しかし真っ直ぐ伸びた幹の方は細く頼りなく、芯に灯る黄金も消え入りそうに乏しい。またそれを支え、抱きしめるように絡み付いたもう一方の幹は、明らかに捻れている。おそらくそれらは、まだ暗い思いから生まれたからそうなったのでしょう

影樹とは、黄金樹の影であった
律とは呼べぬ、暗い思いから生まれ
それ故に脆く、ねじくれていた

影輪草の追憶テキスト

そのあり様は影樹に似て
花付きの茎を支え、抱きしめるように
もう一本の茎が絡み付いている

影輪草の大花テキスト


細い幹を支え、抱きしめるようにもう一本の幹が絡み付いている

黄色の幹は本来真っ直ぐ伸びるはずだったマリカの幹
赤色はおそらく信仰や知性が足りないために曲がってしまうラダゴンの立てた幹
二人は同時に顕現できず協力して一本の幹を立てられなかったため、時間差で立てて二本の幹になってしまったのだと考えます

ところで、この時点で二本指は、前述の計画のうち、

・新たなエルデの神と王配の獲得
・王国の建国
・新しい黄金樹の建立

の3つのミッションを一応クリアしています。結構無茶なプロジェクトでしたが、実現してしまいました。

二本指結構優秀では……?

ところが、です

炎と蛇、二重の禁忌の子をこしらえ、
捻れて見苦しい黄金樹を作った責任

これはマリカラダゴンのどちらにあるか、という問題が持ち上がります
そして当時は、美しく清らかなマリカではなく、元罪人ラダゴンに責任があると見做されました

”まだ罪は抜けていなかったのだ。お前は役立たずだ”
二本指にそう言われたラダゴンは、おそらく弁解したでしょう
でも聞き入れられませんでした。メスメルはともかく、歪に捻れていたのは自分の担当した幹の部分だったからです

二本指はマリカに、罪人ラダゴンの人格を封印すること、そして、新たに優秀な王を選ぶよう命じました


7. ゴッドフレイとの成婚


そして影の地の蛮勇の中で、ひときわ名声を轟かす誉れある戦士がマリカの目に止まります
彼は圧倒的な戦闘力と肉体を誇り、おそらく巨大で凶暴な熊と手斧で戦っても勝てたでしょう。彼の名前はホーラ・ルー。後に狭間の地の海外、蛮地に左遷され、そこの王となりますが、もともとは影の地にいたのです

マリカは試しに影の城の中庭に、ホーラ・ルーと共に小さな黄金樹を立てました。すると黄金樹は一本のご立派な太い樹として屹立したのです

これはいけます
やはり、男は脳筋でなくては
マリカは中庭でホーラ・ルーを新たな王配に迎えます

王の受領のタリスマン 影の地中庭の黄金樹の下に落ちている

「最初のエルデの王、ゴッドフレイの
雫の受領の様を象ったタリスマン」
「王の受領は堂々と力強く
僅かに揺らぐことすらなかったという
黄金樹の王は、大地に聳える」

王の受領のタリスマンテキスト

揺らぎ無き力強さは、彼の助力し建立した黄金樹も同じだったでしょう

マリカは早速、ホーラ・ルー、改ゴッドフレイと新天地、狭間の地に旅立ちました。たった一人、まだ若いメスメルを残して(おい……)

捨てられたのはメスメルだけではありません。醜く捻れた黄金樹のなりそこないも一緒に捨てられました。影樹は失脚したラダゴンの気持ちそのものです。このとき、影の地の黄金樹は影樹となりました。ラダゴンの拒絶の刺は、影樹の化身に受け継がれ、現在は影樹の化身の攻撃魔術となっています。この刺は、影の地の時代に既にラダゴンがいた証になります

敬虔な信仰の故に絶望し
祈祷を捨てた者たちの魔術
影樹より生じた拒絶の刺を、地面から生じる
連続で使用することができる
身を捩る影樹の姿が教えている
全てを拒み、傷付けるがよい
我らは見棄てられたのだ

拒絶の刺テキスト

ここにある「我ら」は、もしかしたら、メスメルと父ラダゴンなのかも知れません(なお、「我ら」という言葉はラダゴンの口癖なので、ぜひ覚えておいてください。ラダゴンはマリカと違って自分に自信がないので常に主語がでかくなる傾向にあります)

このように、影の地黄金化計画失敗の罪をラダゴンになすりつけて、引き続き新時代の神として新天地に旅立ったマリカでしたが、実は秘密がありました

これが今回の罪人肉巫子壺の考察回で一番重要なことろです

マリカは壺の中で、罪人たちの罪を消し去っても浄化してもいませんでした。この時点でおそらくマリカ自身そのことに気づいていなかったでしょう。とにかく壺の中で痛みに耐え、必死に祈祷してただけです。でも優しい彼女がしたことは、罪人と呼ばれる彼らの全てを赦し、自分の体内に取り込んだことだけなのです。そもそも罪人たちの罪とされたものは、彼ら本来のありのままの特性です。二本指が勝手に禁忌にしてるだけで、本来罪でもなんでもないのです。にも関わらず、他の巫子は二本指の命ずるがまま、それを浄化しようとしました。けれどそれは肉たちの意思に反していたし、そもそも浄化できる類のものではないはずです。大母の分け隔てない意思を正しく継ぎ、優しい律を持つマリカだからこそ、それらの特性を罪と断ぜずに、自らの体内に引き継いだのです。無自覚な祈りという形を通じて。だから肉片たちは拒絶の意志を示さず、一人の善き人の人格と身体を形成した。私は壺の中でそのようなことがあったと考えます。

ちなみに、善き人、「良人」と書いて、夫と読みます

ただ、その代償として、マリカは背負ってしまいました。将来産むであろう我が子が、ことごとく己が壺の中で取り込んだ禁忌を受け継いで生まれてしまう業を……


8. 6つの大きな謎への回答


さて、ここまで読んだ皆さんならもう分かるはずです

「ラダゴン=壺罪人肉の寄せ集めで作られたマリカのもう一人の人格説」
これを採用することで、

①ラダゴンてどこから来たの?
②マリカって、なんであんなに禁忌を宿した不遇な子ばかり産むの? メスメルも炎と蛇の禁忌を宿してるし
③ボニ村の壺漬け事業って何のためにやってるの? その事業、効果あったの?
④マリカってなんで巫子死屍累々の中、1人だけ神に選ばれたの?
⑤なんでマリカ=ラダゴンなの?
⑥なんで影樹って2本絡んだ形で捻れてるの?

これらの謎に、全て答えていることに……

①ラダゴンてどこから来たの?  → 罪人肉巫子壺から生還したマリカの体内で錬成されていた

②マリカって、なんであんなに禁忌を宿した不遇な子ばかり産むの? メスメルも炎と蛇の禁忌を宿してるし → 巫子壺の中で、罪人肉の断片を通じてあらゆる禁忌(外なる神の神性)を体内に吸収したから

③ボニ村の壺漬け事業って何のためにやってるの? その事業、効果あったの? → マリカという特殊な能力を持った巫子と、王の依り代たるラダゴンの肉体を錬成することに成功した

④マリカってなんで巫子死屍累々の中、1人だけ神に選ばれたの? → 他の巫子がみな罪人肉の穢れを祓おうとしたところ、マリカがだけが優しい大母の思想でその禁忌を赦し、受け入れたから生還できた

⑤なんでマリカ=ラダゴンなの? → 歯の鞭で傷つけられマリカと罪人の肉が馴染んでしまったから、もう不可分一体となった

⑥なんで影樹って2本絡んだ形で捻れてるの? → 本来神人と王配が協力して一本幹の黄金樹を立てるべきところ、マリカとラダゴンは同時に顕現できず、時間差で二本の幹を立てたから。そしてマリカは祈祷の技術があり信仰が高かったが、ラダゴンはまだ罪人から生まれてすぐで知性も信仰も足りず、まっすぐな幹を立てられなかったから

冒頭では雲を掴むような問題だった6つの問いが、全て克明に説明されています

確かに「ラダゴン=壺罪人肉の寄せ集め説」を示す明確なテキストはありません。自説からは

A. 二本指から見て、その要求する基準を十分満たす「善き人」は、作中、黄金律原理主義者ラダゴンしかいないこと

B. 影樹を封印した「拒絶の刺」は、本編で黄金樹を封印した「拒絶の刺」と同じ魔術であることから、この時代に既にラダゴンがいたと推察できること

C. 冒頭の肉巫女の烙印に、未発達なラダゴンの刻印が含まれていること。巫子村時代のマリカは大母信仰です。というか、巫子村の稀人全てが当時は大母から受け継いだ思想(律)だったはずです。大母は手をすしざんまいのように下に広げてるので、大母の刻印というものがもしあったら、上が膨らむ弧になるでしょう。その刻印とラダゴンの刻印の一部を足すと、壺巫子の額の烙印になります

罪人肉巫女の烙印は
巫子村の時代の巫子マリカの刻印と
未熟なラダゴンの刻印に
分割できる


これらが3つが、「ラダゴン=ボニ村の壺罪人肉の寄せ集め壺の中で作られた、マリカのもう一人の人格説」の根拠となります

さらに、仮に「ラダゴン=壺罪人肉の寄せ集め説」を採用しないと、上記①〜⑥それぞれに、個別の理由付けが必要になります。それぞれの解答となる明確なテキストはないので、結局新たに6つの独自考察が必要になるでしょう。「よく分からないけど、多分こうなんじゃない?」という考察が、6つ揃うわけです。でもどうでしょう、そのどれもが、自説よりも不明確な根拠に基づくものになるのではないでしょうか

もちろん、正解不正解は発表されません。だから、それらが不正解である、自分が正解である、と強弁するつもりはありません。設定はされているのかも知れませんが、好きに解釈して下さい、とパスされた範囲なのかも知れません

ただ、自説は、1つの仮説で6つの謎を解き明かします。その仮説にも3つの根拠を提示できます。3つ目の刻印の根拠は画像を含め、かなり強力だと思います。そのような仮説の有用性ゆえ、プラグマティックな機能的証明力がかなり担保されていると考えます


今回は「罪人巫女壺」について考察しました。
特に「ラダゴン=壺罪人肉の寄せ集め説」は、色んな謎を解くキーストーンとなるので、自説からはとても重要です
次回は「串刺し公メスメル」について考察します


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