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双月の騎士レラーナの考察

こんにちは
考察界の霊クラゲ、考える金仮面卿です
今回もエルデンリング考察、進めてまいります

<考察の指針>

なお、本考察は体系に矛盾なく、テキストにも
則する範囲で、比較的自由に物語を膨らませて
います

そういう解釈も有りなのか、と楽しみながら
読んでいただけると幸いです☺️

前回から引き続き、DLCで手付かずな部分を。今回は人気が高く、謎多きレナラの妹、レラーナについて考察します




1.妹 ≒ 娘


レナラがしろがね人であること、また、しろがね文化では姉妹は母娘と置き換えるべきことは本考察で何度か論及してきました(→こちらの①参照。②も今回考察で重要です)

レラーナも例外ではありません。レナラとレラーナは、姉妹ではなく母娘と解釈すべきです

理由は次の通りです

①双子と解するには身長も体格も違いすぎる
レナラとレラーナのモデルを並べて身長を比較している解析班の方がいますが、見ると、レラーナの身長は鎧を着ててもレナラのバストあたりまでです。肩幅に至っては半分。二卵性双生児としても双子には見えません


②世代の整合性
みなさまの中には、姉がラダゴンと結ばれているのに、妹がラダゴンの子世代に夢中になることにほんの少し異和を感じた方もあるのではないでしょうか。あれれ、義理の叔母にあたるのに、若い男が好きなのかな、みたいな(メスメルもそんなに若くはないでしょうが)

まま、それでも別に悪いことではないのですが
でも娘と解すれば、連れ子同志の恋路となり、世代が合います

介添え人の世代も合います
ムーンリデルは、名前から、ムーングラムの娘と解されます
ムーングラムはレナラのボス部屋の前を警護していた、近衛のカーリア騎士です

親世代      子世代
レナラ      ラダゴン
レラーナ     メスメル
ムーングラム   ムーンリデル

こうすると世代が揃うのです

また、以下に述べるように、レナラとレラーナを母娘と解することで初めて理解できるテキストやイベントがありますので、その都度補強していきたいと思います

また、レラーナのイメージカラーは青
それに少しの赤の差し色

対するレナラのカラーは月光の白
この色の象徴は今回の考察でとても大事になるので、ここで押さえておきます


イメージカラーは青
少しの赤の差し色


2.レラーナの双月テキストの意味


レラーナの双月

双月の騎士、レラーナの魔術
カーリアの王女たる者の象徴
その身に重なり合う双月を呼び
ひとつずつ、連続で地に落とす
それは月光で地を激しく揺らす
幼き日、姉レナラと共に出会った月
それは、寄り添うように重なり合っていた

レラーナの双月テキスト


これを読んだとき、ここでも一つみなさんは異和を覚えたのではないでしょうか
あれ? レナラって一人で満月を見に行ってないっけ?


星見少女の伝承のタリスマン
ひとり

女王の伝承が刻まれたタリスマン
知力を高める
星見の少女は、夜空を見上げ歩いた
ずっとずっと、星を追って旅をした
そして満月と出会い、女王となった

星見少女の伝承テキスト

タリスマンではレラーナのことは触れられておらず、また絵も一人で描かれています
双子なら、このような大きな旅は2人で行くでしょう。
レナラと二人で月と出会ったのなら、一緒に描かれるのが自然なはずです

「DLCでレラーナが出てくるまではややこしくなるから触れてないだけ。別の機会にもう一度見に行ったのかも」
幼き日、姉レナラと共に出会った月というのは、月を見たのではなく、同じ理想を抱いた、という意味では」
そういう感じで納得している方も多いのではないでしょうか

自説からもレナラは幼い頃、聖別雪原で満月を見たことは確かだと解するので、幼き日、姉レナラと共に出会ったに関しての何らかの解釈が必要になります

ですが、それも二人を母娘と解するととても自然な結論が出ます

ここで出会った月は、聖別雪原のものではなく、月光の祭壇のものなのです

レラーナは幼い日、母レナラに、カーリア王家にとって特別な場所である月光の祭壇に連れてきてもらったのでしょう。
月光の祭壇はリエーニエの南東にあります
祭壇の空には満月と暗月、二つの美しい月が浮かんでいます。そのときは月の運行で、ちょうど二つの月が重なり合っていたのではないでしょうか

幼き日、姉レナラと共に出会った月
それは、寄り添うように重なり合っていた

レラーナの双月テキスト

レラーナの双月のテキストは、レラーナが母と見た月光の祭壇の景色を表していると考えると、自然に理解できます

<月光の祭壇の奥に一輪だけ咲く青い花>

月光の祭壇の奥、マヌス・セリスの大教会には
たくさんの白い花が咲いています

その中になぜか一輪だけ、青い花が咲いている
のを、別の考察者さんが見つけています

私の考察では、白はレナラ、青はレラーナの
イメージカラーです

まだ見つけてない人は、探してみてください
<姉妹を母娘と読み替えるべき理由の続き> 

ラレーナが見た二つの月

狭間の地で月が同時に二つ見える場所は、
月光の祭壇しかありません

月光の祭壇はレナラが学院を掌握した後
満月の魔術を記念して作られたカーリア
家のための施設と解されます

そうだとして、もし二人を双子の姉妹
だと解すると、レラーナが幼い頃には
まだこの施設は存在しないことになり
ます

レラーナがこの施設で二つの月を見る
ためには、理論的に二人を母娘と解す
る必要がある、ということです

この点、勝手に姉妹を母娘と読み替え
るのは越権ですが、ラティナイベント
という、他にそう解さないと意味が
与えられないイベントを根拠としてま
すので、読み替えは問題ないと解します


レナラはそのとき娘に、自分が幼い頃に聖別雪原の頂から見た、美しい満月の話をします
レラーナもその満月を見たいと言います
レナラは言います
「では、あなたが、あのときの私と同じ14歳になったら見に行きましょう」
母娘はそう約束しました

ラニやラダゴンが産まれる、ずっと前の話です

妄想ではありません。そう解することで、正しく理解できるイベントがあります



3.クララとクラリス


突然この霊クラゲの名が出てきたので驚いた方もいるのではないでしょうか
このクララとクラリスのイベントも、なんだか切ない、でもちょっと唐突で不思議な感じのする話でした

それはこんなイベントです

クララは、多くの褪せ人がはぐれ狼の次に手に入れる遺灰だと思います

霊魂の宿った遺灰
霊クラゲの霊体を召喚する
ふわふわと辺りを照らす霊体
遠い故郷を探す、泣き虫な少女のクラゲであり
けなげに毒液を吐いてくれる
名をクララというらしい

霊クラゲの遺灰テキスト

ストーリーを進め、聖別雪原の星見の廃墟に訪れると、クララとよく似た青いクラゲが浮かんでいます

名前をクラリスといい、一人でこう呟いています

「お姉ちゃん どこに行ってしまったの?」
「約束したじゃない、14歳になったなら、一緒に星を見ようって」

そこに、クララの遺灰を出現させると、クラリスのセリフが変わります

「ああ、お姉ちゃん、やっときてくれた さあいこう、一緒に星を見にいこうよ」

そうして二人は成仏するかのように消えてゆきます(クララは遺灰としては残り召喚可能です)

この廃墟の近くには二つの小さな墓があります。そこには

「星を見られなかった姉妹、クララとクラリス」

と書かれています


妹クラリスは青 姉クララは白 


この後、星見の廃墟地下への通路が空き、そこで手に入るアイテムが、原輝石の刃です

青と、赤の差し色
レラーナを暗示するかのような色

血濡れた古い輝石の刃
魔術と祈祷の消費FPが少なくなるが
最大HPも減ってしまう
原輝石を、自らの魂とするために
古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く
そしてそのまま死んでいく

原輝石の刃テキスト

以上がクララとクラリスイベントです

これだけだと不思議な悲しいお話ですが、月光の祭壇で、いつか本当の星(月)を見に行くと約束した母娘のメタファーNPCと解すると、イベントに本編と関連する意味が与えられます

そこで暗示されているのは

①レナラとレラーナは、結局その約束を果たせなかったこと

②そしておそらくレラーナは、すでに亡くなっている、

③その死は、原輝石化と関係している

ということです



4.空っぽの鎧


それらの暗示から、私はレラーナの鎧の中身は空っぽだと予想していました
それを裏付けるかのように、今なお解析班は、鎧の中の素顔を発見できていません
例えばムーングラムもアンスバッハも素顔を見せず仮面や鎧兜を被っていますが、素顔もちゃんとモデリングされているのを解析班が解き明かしています

しかしレラーナの顔だけはないのです

それもそのはずです。彼女はある理由で自身を原輝石化しており、その鎧は傀儡の技術で動き、そこに彼女の原輝石が収められていると私は考えているからです

どういうことか

以下、レラーナの生い立ちから現在に至るまでを順を追って考察します
その中で彼女の運命も明らかになるはずです


レラーナの生い立ち

父の特定についてはここでは深入りせず、レアルカリア関係者とだけ触れておきます(詳細は、幼年学徒の名前を考察の回参照)

この父とレナラの間にレラーナは産まれました

時期的にはラダゴンが仕掛けてきたリエーニエ戦役のもっと前だと思われます。この時点で、レラーナはカーリア家の時期女王候補です

双月の騎士、レラーナの魔術
カーリアの王女たる者の象徴

レラーナの双月テキスト


夜巫女と剣士の傀儡

永遠の都で作られた古い傀儡
夜巫女と剣士の霊体を召喚する
自ら望んで傀儡となった二人の姉妹
冷たい血の流れる異人種であり
流体の武器を振るう

夜巫女と剣士の傀儡テキスト

巫女と剣士、魔術師と騎士、姉妹(母娘)の取り合わせはノクスでは珍しくないようです

娘レラーナもは、おそらく母を守るために、幼くして騎士に憧れたのでしょう
しろがね人も、幼いうちなら歩行が可能です。
レラーナはそうして幼少から剣士を目指して弛まない訓練を続けたと思います

レラーナはやがて14歳を迎えましたが、レナラは学院の派閥争いやリエーニエ戦役への対応で忙しかったのでしょうか、何らかの理由で結局、月を見にゆく約束は果たされずじまいだったと思われます

リエーニエ戦役

第一次リエーニエ戦役
母レナラはそこで、運命の男性、ラダゴンと出会います

レナラの出自は、赤髪の巨人と宵眼の女王の子、全ての坩堝の諸相の巨人(トロル)の子孫です
ラダゴンはその全ての坩堝の巨人に容姿がよく似ていて、巨人の赤髪を諸相として持っています
運命の出会いです
二人はそれぞれの思惑を隠し戦いながらも、次第に惹かれあっていきました

第一次戦役は引き分けに終わり、レナラは第二次までの間でラダゴンの出自を調べたと思います
当時すでに影の地は封印されていましたが、ノクスのネットワークで次のことが調べ上げられたのでは

①影の地で一時マリカの最初の王配となっていた
②メスメルという、やはり赤髪、巨人と蛇の炎を宿した子がいる
③巨人戦争でトロルを味方に引き入れ勝利した過去がある

ますます運命めいた因縁を感じたのではないでしょうか
また、マリカの王配だったということは、ラダゴンに近づけば、再びエルデ王家にカーリア王家が近づける可能性が高い
そのような、ノクスとしての王を目指す潜在的志向も働いたかも知れません

そのため、第二次戦役では方針を変えます
和睦の方向性はラダゴンの思惑とも一致して、二人は結ばれました

それを見ていたレラーナも、やはりラダゴンの赤髪の因縁や、魅力に惹かれたでしょう
メスメルもラダゴンも、悪っぽいのに真面目、というギャップ萌えを備えています

レラーナは、調査の中で知ったメスメルに、特に興味を持ちます

影の地へ

たっての願いで、レラーナは影の地に発ちます
まだこの頃は歩けず、甲冑も着ていない生身です

お供は屈強なムーンリデルです

剣身に青い輝石が埋め込まれた大剣
剛力のカーリア騎士、ムーンリデルの得物
双月の介添人、ムーンリデルは
王家に仕えたトロルたちの友であり
彼らの武器を、共に掲げたという

ムーンリデルの騎士剣テキスト

後の話ですが、このムーンリデルを倒すと、レラーナのカメオというタリスマンをドロップします

双月の騎士、レラーナの
凛々しい肖像が刻まれたタリスマン
(略)
彼女に仕え、共に故郷を離れた者が
忠誠以上の思いを切と刻んだもの
どこまでも、お供させてください
貴女の月の舟に乗って

レラーナのカメオテキスト

そこには「貴女の月のに乗って」お供して故郷を離れた、とあります

影の地には前回考察のように、封印のヴェールがかかっていて陸地からは中を見ることさえできません

しかし実は封印後もそこに行ける方法がありました

それは、地下のエインセル河を舟で下ってゆく、というシンプルな裏道です
もし、封印の効果が地下まで及んでいるとすると、河の水は堰き止められ、氾濫してしまうでしょう
そうなっていないということは、封印の効果は地下にまでは及んでいないはずなのです

そんな地下ルートがをこっそり明かしているのが、レラーナのカメオなのですね

偵察先の影の地で、レラーナは、影の城の王のことをより深く知ります

・彼が過去のこと深く悔いていること
・己の禁忌を呪っていること
・多くの配下が彼を慕っていて
・種の保管庫で様々な坩堝を大切に保存していること

中にはカーリアの太祖である、全ての坩堝の巨人もいます

影樹に刻まれた
双月の騎士、レラーナの追憶
(略)
かつてカーリアの王女であった彼女は
生家を捨て、メスメルの傍らを選んだ
月の輝きが、その男を癒せぬと知っていても
メスメルの剣。いつか彼女はそう呼ばれた

双月の騎士の追憶テキスト

レラーナが生家を捨て、メスメルの傍らを選んだ時、彼女はすでにメスメルの苦悩を知っています
時系としては、粛清の聖戦のもっと後ということになります

調査から戻ったレラーナは、どうしてもメスメルのことが忘れられません
ラダゴンとラブラブでRの子らが生まれ始めたレナラも、レラーナがラダゴンの子を好く気持ちはよく分かるでしょう

レラーナは、王家を出てメスメルの元に行きたい、と思いました

けれどそれはできません

それを許さない理由があるのです

ノクスの血

ノクスには、王を目指す盲目の潜在的意識があり、個人の意思はそれに逆らえない、と前に説明しました

それがゆえ、ラニさえ我々は信用できない(宵眼の女王の意思が入り込み、ラニを支配しているのではないか、という疑いがあります)
GやMの子らはマリカに似て感情を多く出すのに、Rの子らの真意は余り描かれず、なかなか読めない、そういった不可解さを否定できないところがあります。それもひとえに、ノクスの二重思考、潜在的な種としての企みが本人の意思を歪めるからだと私は考えています

レラーナもまたそんな、レナ(レナ・カーリア、宵眼の女王の本名 →こちら参照)の名をレナラから受け継ぐノクスの民、正当なカーリア王女です

それが、王位も覇権の使命も捨て、好きになった男のもとへ走ることなど、どうしても血族の潜在意識が許さないのです(ノクスの民は盲目的な潜在意識で王を志向する)

母レナラも心を鬼にして、それを止めたでしょう

母もまた、一族の運命に逆らえないしろがね人なのです

それでも好きで、行きたい

カーリアの王女であった彼女は
生家を捨て、メスメルの傍らを選
びました

レラーナは、メスメルの元に発っています

ある方法を使い、種としての運命から逃れたのです

その方法

どうやったのでしょう


原輝石の刃

血濡れた古い輝石の刃
魔術と祈祷の消費FPが少なくなるが
最大HPも減ってしまう
原輝石を、自らの魂とするために
古い魔術師は、この刃で心臓を切り裂く
そしてそのまま死んでいく

原輝石の刃テキスト

クラライベントの結末がここで意味を持ちます

レラーナは母に内緒で、自らを原輝石化し、刃で自らの心臓を切り裂きました

原輝石になれば、記憶はそのままに、魂はもはや星の子です。
ノクスではありません

そうするしか、種としての運命から逃れる方法はありませんでした

それはちょうど、ラニが二本指からの束縛から逃れるために、黒き刃で自刃したのと同じです

ノクスにとって種の束縛から逃れる黒き刃が、原輝石の刃なのです

母レナラは、娘レラーナの亡骸と、残された青い原輝石を見て、驚き、怒り、嘆き悲しんだでしょう

そしてレラーナの意思の確固たるを見て、彼女を許しました

肉体がない娘を、せめて女性らしくと母が気づかい、長い髪が付けられた

双月の騎士、レラーナの兜
銀鉄で作られた精緻な防具
カーリア王家の長であったレナラは
家を捨て、メスメルを追った妹に
艶やかな、長い黒髪を贈ったという

レラーナの兜テキスト

髪を切って贈る。
姉妹として考えると、すごく仲が良い、というだけになります
ですが、母が娘を想ってしたことと考えると、とてもしっくりきます
このような経緯の元で母が娘に贈って送り出したのですから、それはとても強い想いを持つのでしょう

お供にムーンリデルの他に、魔術教授のユミルを付けたのも何か不思議でした
ですが、レラーナの鎧は傀儡であり、中にレラーナの原輝石が入って、レラーナ本人が傀儡を操っている、と考えると、ユミルをつけた意味が分かります
ユミルの役割は主に、傀儡としての鎧のメンテナンス係なのでしょう

<ユミルは傀儡の術を持つ>

彼は後にメーテールの壊れた電波を浴びつづけて壊れますが、
最初はもう少しまともだったのでしょう。

彼が傀儡の技術を持っていることは、ヨラーンの妹アンナを
傀儡化していることから分かります


5.メスメルの受け止め

そんなレラーナが、突然押しかけて、騎士に侍らせてくれ、と言う
しかも本人は喋れず、出自はお付きのムーンリデルが説明します

カーリア王家次期王女

メスメルは「?」でしょう

なんでそんなやんごとなき人が、ウチのような没落公爵の元にくるの?

あやしくね?

しかも、傀儡だから、うなづいたり、身振り手振りで話すだけです

鎧兜を取って素顔を見せよ、といっても、ふるふると拒みます

傀儡だから。中身ないから

これは怪しみます

そこでレラーナは色々テストされました

その中で、坩堝騎士がかつて盛んに行った捧闘もやってみせろと言われました

輝石の埋め込まれた白銀の刺突盾
攻撃とガードを同時に行うことができる
双月の騎士、レラーナは
これを持ち、ただ一度捧闘を舞った
黄金樹に二心無きを示すために

カーリアの刺突盾テキスト

捧闘は騎士や戦士たちが半ば生命を掛けて戦う決闘の儀式です。メスメルの勢力に企みを持って近づいていないことを、生命を掛けで証明させられたのですね。また、実際強かったのでしょう。
炎の騎士以上の実力の持ち主。メスメルもとりあえず仮採用したようです

また、レラーナに関しては興味深い逸話が埋もれているようです

割れてしまった要石
足蹴りと、地を踏む技の威力を高める
それは地震を鎮めるとされる霊石であり
これが割れたとき、街も地に沈んだ
一説には、月が落ちてきたのだという

割れ石のタリスマンテキスト

割れ石のタリスマンは、影のアルターにあるモースの廃墟で手に入ります
地に沈んだ街とは、この廃墟と化したモースの街のことでしょう

モースの廃墟

何があったのか、激しく崩壊しています
月が落ちてきたとあり、レラーナの双月のテキスト、双月地に落とす地を激しく揺らすなどと併せ読むと、レラーナが魔術で月を落とし滅ぼしたと考えられます

なぜそんなことをしたのでしょう
それは、この街の地下が、ボニ村に通じているということがヒントでしょう
ここは、巫子村から巫子を攫い、ボニ村に運搬する人攫いたちの、中継地点だったのではないか、ということです

よほど悪徳の栄えた街だったのでしょう。ボニ村の陰惨な壺事業の闇を知ったレラーナは、メスメルの命令を待つより前に、怒りに任せて魔術を用い、モースの街を一瞬で圧壊させたのではないでしょうか

その破壊力と、真っ直ぐな心

きっとそれは、メスメルの本音の気持ちに寄り添うものだったと思います

そんな逸話を通じても、レラーナの人柄と、それに対するメスメルの好ましい受け止めが推察されます


そんな想いと重ねた努力の甲斐あってか、レラーナはメスメルに認められエンシスの城館の警護を任されるに至ります。

また、よほど信頼されていると推察できるアイテムもあります


狼紋章の盾

月下の狼が彫り込まれた上質な盾
対魔力に優れるブルーシールド
それは、カーリア王家の盟約の獣であり
遠き地でも忘れえぬ、月の誇りの象徴である

狼紋章の盾テキスト

このカーリアゆかりの狼があしらわれた盾は、次の盾と対のものとして、後に作られ、レラーナに贈られたと思われます


蛇紋章のテキスト


有翼の蛇が彫り込まれた上質な盾
対炎に優れるレッドシールド
マリカの子、メスメル
その聖戦の始りを記念して作られたという

蛇紋章のテキスト

盾を贈られる、ということは、自分をこれからも護って欲しいと主に願われていることを証すものです

王家を棄てメスメルの元ににやってきたレラーナの想いが報われました



6.まとめ

いかがでしたでしょうか。レラーナをレナラの娘と捉えることで、幼少期から成人期までの様々な葛藤や母娘愛が浮き彫りになると思います

クララとクラリスのイベントが、母娘のバックストーリーを補完しているという演出は、滋味があり心憎いです

エルデンリングは、母と子の物語ですが、ここにも母と娘のドラマが隠され描かれていたのですね

また、本作では、金と銀の対立、そして人の自由意志とその尊厳も大事なテーマだと思われます

マリカは大いなる意志たる神に逆らい、エルデンリングを砕くことで、母としての愛情を貫く自由意志を見せました

レラーナもまた、ノクス種としての潜在的意志に逆らい、自らを原輝石とし胸を裂くことで、メスメルへの愛を示しました

これも非常に好対照です
どうにも自分の意志が無いようで、不可解に思われたノクスの民への私のイメージを、レラーナは一掃してくれました

彼女は、傀儡の代わりに誰か別の人の肉体を乗っ取ることもできたでしょう。そうすれば、メスメルとの子も宿せたかも知れません

でもそうすると、結局銀の雫に操られているのと変わらないのかどうか、分からなくなる

レラーナはあえて自らの身を鎧だけにし、空っぽにすることで、魂だけの愛、掛け値のない想いであることをメスメルに示したのではないでしょうか

だからこそメスメルも、銀の雫王女の子孫ともし気づいたとしても、レラーナを心から信用して、愛することができた

そんな捨て身の誠の愛を、レラーナからは感じます

これはノクスの民にも人と変わらない想いや誠実があることを証明します
ノクスの民が今ひとつ信用できなかった私に、とても素晴らしい可能性を残してくれたと思います

以上、今回は「双月の騎士レラーナ」を考察しました
次回は「角人と祖霊」を考察します








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