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エニル・イリムの抱擁像は誰か

考える金仮面卿のワンポイント考察です

今回は、謎だらけのエルデンリングのラストステージ、謎だらけの建造物、エニル・イリムに置かれた謎の抱擁像は誰と誰なのかを解明します

この像ですね

エニル・イリムの抱擁像

これは、結論から申しますと、ノクスの太祖、ウル(ド)王と、その伴侶、ラウフの夫婦です

根拠を述べます

根拠① 容姿

ウル王は下の老人です
長身、フードのとんがり、そして一部樹根が特徴です

ウル王、ウル爺

そしてその細君ラウフです

ラウフの古遺跡にある特別な像
ウルの細君、ラウフ


夫婦共に
布を纏ったような衣装

基本的に古代のしろがね人(ノクステラの植物人)は大きな布を纏ったような衣装です。樹根もしろがね第ゼロ世代の特徴です。二人の特徴がよく出ていると思います


なお、この二人が最初の娘(宵眼の女王)を産んだときの様子は、祖霊の森の石像図版三枚目にも描かれています

右、青の輪郭がウル王
左、緑の輪郭がラウフ
産まれた子をウルが
受け取ろうとしている


根拠② 場所

エニル・イリムの螺旋塔がある場所が🟡黄色の丸です

ラウフの古遺跡が🟢緑の枠
そして影の地を重ねたリエーニエの地図
🟦青の枠は、リエーニエのウルドの王朝遺跡と地下のウルの王朝遺跡のおおよその場所です

まるで二つの遺跡に囲まれるようにして螺旋塔があるのが分かります

宵眼の女王が神人としてファルムにあった頃、かなりの越権行為をしていたと考えるのが自説です

時系列としては

・ウルドの王朝が開かれ
・その姫、宵眼の女王がエルデの竜王と外戚を結んで神人となった
・竜王との間の二人の巨大な娘のために永遠の都をいくつも作る
・ノクスの最初の集落の地に、母ラウフのために作った庭園が、現在のラウフの古遺跡
・父ウルが完全に樹木化して死んだとき、北にエブレフェールと樹木化した父を聖樹として祀る施設を作る(下はエブレフェールの壁面にたくさん彫り込まれている、王笏を持ったウル王の図です)


周りを囲むのは操霊している霊体でしょうか


・さらにこの父が将来神として帰還するための施設エニル・イリムを作る

全て立派な施設は家族のためのもの
宵眼の女王はエルデの公財を使って公私混同しているのですね
また、エニル・イリムに至っては、自分の父を神に迎えるために勝手にエルデの神人を作る施設なので、越権も甚だしいものです
ゆえに大いなる意志やメーテールは怒ったのです


それはさておき、エニル・イリムはそのような、宵眼の女王の家族(ノクスの種)のために作ったため、その記念に父母の抱擁像を建てていると考えられます

そしてそのことは、螺旋塔の場所がちょうど、ウル王朝とラウフの庭園に囲まれるようにしてあることからも根拠づけられます


根拠③ 地位の高さ
神を創造する施設なので、そこに祀られる像はよほど高い地位であるのでしょう
この像に限らず、さまざまなものがこの螺旋塔の目的、ノクスの太祖を甦らせるという趣旨のために集められていると考えるととてもすんなり理解できます

・塔の街ベルラート
身体能力や霊性を高め正気を失わせる混じり角
これを土壌の改造を通じて多く生み出し角人を増やす
その角人に螺旋塔を信仰させることでこの大事な家族のための施設を護衛させる
ベルラートはこのノクスの王族のための螺旋塔をエルデの民に護らせるためにその膝下に造られた都市です

<エニル・イリムは誰のための施設なのか>

螺旋塔は角人が信仰しているから角人のための施設である、
と考えている考察者様が多いですがそれは誤解だと思います
正確には、ノクスの王家を護るために、角人はそのように
信じ込まされているだけです

「…塔よ。影に隠された、我らの塔よ。螺旋よ
あのお方を、神に導きたまえ…我らを救う神に」
(塔の街、ベルラートの幻影談)

「あのお方」とは、ミケラを指すのかも知れませんが、
ノクスの策略としては、それは初代ウル王に乗っ取られた
ミケラです

角人は、ノクスのための施設を護り、それを稼働するため
のエネルギー源として人柱になり、そのような形でただ
利用されるために混じり角を生やされ正気を失っている
だけなのです

角人が「螺旋塔」と呼ぶ他に、「エニル・イリム」という
正式名称があるのが、そもそものその二重構造の証とも
いえます

・巫子の埋まった樹木
エニル・イリムの樹木には巫子と思われる女性の体が無数に埋まっています。これもおそらく混種の神性(接ぎ木)の力を使って合一化しているのでしょう
それらはみな、塔の霊性を高めるための依り代であり、人柱なのでしょう

・神の門を象る角人の肉
これもそうです。夥しい数の人体はまるで望んでそうしているかのように神の門に群がり、自ら生贄になっています
頂上部の神の門だけではありません。エニル・イリムの螺旋構造の床部を見ると、無数の角人と思しき人体が、芥川龍之介の蜘蛛の糸よろしく塔に取り付き登ろうとしがみついているのが分かります

エニル・イリムに縋り付き化石化
したであろう人々


そうして登った先では、神の門で血に塗れ"馴染んで"贄にならんとしているのでしょう。正気の沙汰とは思えません
こうやって無数の霊力を消費して、エルデの神を創造するという一大事業の準備をしているのでしょう

そしてこれらの犠牲や労力は全て、抱き合う二柱の神

太祖ウル(ド)とラウフのために費やされ、捧げられているのです


しっぽり。

そのような地位の高さからも、この抱擁像がやんごとなきしろがねの太祖夫婦のためのものだと分かります

黄金の民以外は差別するのがマリカ(特にラダゴン)の治世で、それはたびたび選民主義的と非難されます

しかし家族以外は差別するのが宵眼の治世です。坩堝が分け隔てなく平等に見えるのは当然です。宵眼の家族以外は全員差異なく騙され贄となるのですから

見ることも、感じることも、信じることも、触れることも
…すべて、できない方がよい」(宵眼の女王の末裔、ラニ談)

「何を見ることもない、緩みきった幸せを」
「それは、楽園の人のあり様である」
(嘆き首・嘆き人の仮面テキスト)

<文化の違い>

ノクステラの生命がそもそも半物質・半生命
の銀の雫なので、侵略先の現地生物を植物の
ように扱い、意志と魂と肉体をばらばらに
してしまうのも、善かれと思ってやってる
面がなくはない

エルデの民などは特に放っておくとすぐ争い
出しますから
ミケラの魅了、ノクスの植物化
どちらも争いをなくす知恵といえばそうなの
かも
文化の違いの範疇(で収まるのか?)

ただやはり自由意思とそれに基づく律動は大事
ですから
全て奪われるのは承服しかねます


夥しい贄の中でしっぽり抱き合うこの夫婦像は、そのような過酷な王権思想の象徴ともいえるものではないでしょうか

以上、今回はエニル・イリムの謎の抱擁像について考察しました



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