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ファルム・アズラの考察

こんにちは、考察界の殉葬者、考える金仮面卿です
今回もエルデンリング考察、進めてまいります

<考察の指針>

なお、本考察は体系に矛盾なく、テキストにも
則する範囲で、比較的自由に物語を膨らませて
います

そういう解釈も有りなのか、と楽しみながら
読んでいただけると幸いです☺️


前回は原初黄金樹について考察しました
今回はその紋章があったファルムアズラがテーマです

メリナが種火となって巨人の火の釜に身を投げたあと突如飛ばされる、嵐を湛えた空中都市

崩壊しつつもなお偉容を保つこの王宮についても、ほとんど説明がないため謎が多く、総合的に掘り下げていきたいと思います



ファルム・アズラのすべて


崩れゆくファルム・アズラ

ファルム・アズラの都は、狭間の地東の海上に浮いています

下部(南)に獣人の墓
左上に竜の聖堂や祭壇が集中し
大橋梁で最深部、現在はマリケスがいるところの、かつてはおそらく神人の間だった場所に通じています
嵐の中央部にもかつて広場の構造部があり、そこに古竜王プラキドサクスが座していたと思われます

上、竜聖堂 右、神人の間
中央、古竜王
下部、獣人の墓


これら施設の詳細や、風習・文化についても気になるところですが、まずは構成員(登場エネミー)について見た方が早いので、そちらを先に考察します




1.構成員について


・古竜王プラキドサクス関係

プラキドサクス

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は
黄金樹の前史、エルデの王であったという
だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた

竜王の追憶テキスト

現在ファルム・アズラに竜王はおらず、嵐の近くで、あることをすることで時が巻き戻り崩落した広場が修復され竜王が現れます

嵐、雷などの天候を操るボス的存在であり、自説はエルデの獣が誕生させた爬虫類に、狭間の地に元からあった天候の神性が憑依してこのような偉容に変わったのが古竜であると考えています(巨人山嶺には氷を操る古竜もいます)

個体としてのプラキドサクスは、現黄金樹政権以前のエルデの王でしたが、ゴッドフレイが一騎打ちして滅しました(エルデの王の冠テキスト)

かつて竜王の首は2本ではなく4本だったことが古き王のタリスマンから分かっています

古き王のタリスマン

DLCにより、2本は暴竜ベールとの戦いで噛みついたまま引きちぎられたことが判明しました。ベールには勝ちましたが、手負いのままゴッドフレイと戦ったのですね

<古竜の黄金のさざれ岩の鱗について>

また、後述のようにプラキドサクスはファルムの神、
宵眼の女王から祝福を得て永遠の命を得、またその身に
黄金のさざれ石を纏いました(古竜岩の鍛石テキスト参照)

翼竜との違いはこの岩のウロコであり(竜傷脂テキストより)、
また古竜餐をすると短命になるのはこの岩の心臓が人の体質に
合わないからだと解されます(キャラメイク竜顔テキスト参照)

宵眼の女王が古竜に固い皮膚と、竜餐されにくい特性を与え、
彼らを護ったのだと解しています

また赤い雷を纏った五本の指が特徴的であることから、この頃王家の律だった指の母メーテールは五本指の特性を持っていたと考えられます

このプラキドサクスも、後述の宵眼の女王も、大いなる意志の関与のもと、指の母メーテールの指名に基づいて王となり、また神となっています

なお、永遠の都の椅子廟に座する2体の巨大骸骨はいずれも宵眼の女王との間の娘で、父プラキドサクスの血を引いているため、あれほどに巨大なのだと自説は解しています

時の狭間、嵐の中心に座す竜王は
黄金樹の前史、エルデの王であったという
だがは去り、王は帰還を待ち続けていた

竜王の追憶テキスト

永遠の命を与え、黄金のさざれ石で王の身を護った逸話からも、宵眼の女王とプラキドサクスの信頼関係、愛情は伝わってきます
宵眼の女王は後にマリカの勢力によって滅ぼされますが、その時すでに竜王は、エルデの勢力ではなく、宵眼一族、すなわちノクスの勢力とともに心はあったのでしょう

故に、竜王が帰還を待ち続けた神というのは、エルデの神ではなく、ノクスの神であったと思います

そしてそれは宵眼の女王でもあるのですが、より厳密には、ノクスの民に伝わる約束の神だと思われます。すなわち、秘儀の巻物に記された「神の帰還」の神です。これが何者かは、約束の王ラダーンの考察回をご参照ください




古竜

古竜ランサクスと同じタイプの竜が、ファルム南の獣墓のあたりに現れます。ランサクスらと同じく古竜王の子孫の末裔が、ファルムを護っているのでしょう。もっとたくさんいてもいいと思うのですが、多くは古竜戦役などを通じて狭間の地に降り立ち、現在ファルムに残るのはこれだけのようです



・宵眼の女王関係

宵眼の女王

使徒たちを率いた、宵眼の女王
彼女は、指に選ばれた神人であったという

黒炎の儀式テキスト

現黄金樹前史の王は竜王しか名前が出ておらず、ゆえに王と対になる神人たる宵眼の女王は竜王の伴侶であったと解するのが妥当です

宵眼の女王は魔術師の元祖であり、死や霊に関する技術や設備のほぼ全てを発明したと考えるのが自説なので、とても優秀でした
故にファルムの内政ほぼ全ては宵眼が取り仕切っており、竜王は軍事の専門だったと解します

宵眼の女王はエルデの獣を原初黄金樹に宿していたと考えますが、マリカのように永遠の命を民にも分け与えるということはせず、自身と身内(竜王や二人の娘など)のごく限られた者にしか与えなかったと考えます。宵眼の女王にとっては死、死霊などの霊術、霊体エネルギーが国を支える力だったから、死者が出なくなるのは困るのですね

宵眼の女王の石像は、彼女の僕であるはぐれ狼たちの石像と共にファルム最深部に残っています

その上には彼女の律たる原初黄金律の紋章が輝いています
(宵眼の女王の更に詳細については、→ こちらをご覧ください)



獣人

獣人が、しろがね人と狼(などの獣)との混血種であることは銀の雫の始まりの考察回などで詳述します

宵眼の女王ははぐれ狼に寄せたのと同じように、獣人たちにも厚い信頼を寄せていたと考えられます

また、宵眼の女王は獣人の司祭に特別な短剣を与え、知性を贈ったりしたようです(チンクエディアテキスト)

そのような獣人がまだファルムアズラには残っています





貴人の犬

はぐれ狼と同じように、宵眼の女王は犬も愛したのでしょう
おそらく愛玩犬として飼っていたものが、今はこんなことになってしまったと思われます
さながらゾンビ犬のようなその姿は、後述の死王子の業瘡と関連しているでしょう



背律者ベルナール

彼は獣集いシリーズの装備を身につけ、世界喰らいの王笏と冒涜の爪という冒涜セットを携えて侵入してきます

これはエルデ王家への背律を体現しており、また、獣を愛した宵眼の女王の密使と化していることを表していると思われます

おそらく火山館に長くいたため、蛇や坩堝の神性に冒されたのでしょう

冒涜の爪を持っていることから、マリケスがターゲットで、彼に死のルーンを奪われた宵眼に代わってまた奪い返す、そのような目論見があると解されます

<世界喰らいの王笏と宵眼の女王>

自説からは伝説の武器9振りは、宵眼の女王
(の魂が転生した老いた雪魔女)が全てイジーに打たせた
エルデ王家にとっての呪いの武器だと考えています

世界喰らいの王笏もまた伝説の武器の一つなので、これを
手にしている時点でベルナールは宵眼の女王の影響を強く
受けていると解されます


神肌のふたり

宵眼の女王が直々におくるみに包み誕生を祝福する神肌(神肌のおくるみテキスト)
彼らは竜の聖堂の奥に出現します

<爬虫類繋がり>

自説は竜の起源を爬虫類と考え、神肌もまた蛇としろがねの
混血種だと考えるので爬虫類繋がりですね

蛇は竜そのものには直接異形化しませんでしたが、竜餐を
した者が蛇の冒涜も犯すと(溶岩)土竜になる、という
関係にあると考えます

故に竜と神肌もある意味近しい存在なのかも知れません




・ゴッドウィン関係

大鷹、失地騎士、坩堝騎士、異形のツリーガード
これらもファルムで見られるエネミーです
しかしなぜこれらがファルムにいるのか
当初わかりませんでした

しかし、ゴッドウィンの繋がりで考えると、すんなり説明がつきます
ゴッドウィンは古竜戦役で王都防衛の際、古竜の力に対抗するため、竜餐に手を染めたと考えるのです

異形のツリーガードに見られるように、古竜が王都に攻め込んだインパクトは大きく、強大な翼の力に勝つには自ら竜になる他ない、と考えたのですね。古竜騎士も竜餐の祈祷や雷の祈祷を会得しており、それを率いるゴッドウィンも当然それができたと思います

それがその後の王都古竜信仰の跋扈と、古竜フォルサクスとの親交の深まりと相まって、ゴッドウィンと黄金樹原理主義勢力との溝を深めた原因となります

マリカ王権時代後期の、実質ラダゴンの独裁政権下で対立が決定的となり、ゴッドウィンは王家を出ます
フォルサクスが居城していたストームヴィル城に身を寄せ、彼は新天地リムグレイヴで嵐鷹の王を名乗る
この頃からすでにゴッドウィンは竜餐の影響が強く出て、人間であることをやめ始めているかも知れません
そして陰謀の夜に命を落とすまで、古竜信仰やフォルサクスの影響を受け、またリムグレイブ南西の竜餐教会で竜餐を密かに続けていた可能性もあります

<ゴッドウィンの凋落>

飛べない鳥、という絵画イベントがあるように、
また、落ちる鷹の盾の紋章があるように

ゴッドウィンの栄光と凋落は、表立って言及されては
いませんが、かなりいろんなアイテムやテキストで
細かく追えるようになっていると考えます

・誕生、現狂火村を太陽の都としてカーリアを監視、
太陽王子の信仰を集める(太陽の都の盾のデザイン
は狂い火の塔)
・古竜戦役、竜餐を通じて王都防衛するも、古竜と
の関係が近くなり邪教である古竜信仰が王都で始ま
る(さざれ石の聖印テキストなど)
・ラダゴンに疎まれ王都を追放され、失地騎士らと
ともにリムグレイブ(ストームヴィル)に都落ち、
新興王家の名乗る(嵐鷹の古王テキスト)
・歩く霊廟の多さにみるように多くの子を残し、それら
を疎んだラダゴンの陰謀により、暗殺される
・死王子となりなお霊廟の子らの生きる肉体を護る
ために自身も生き続け、日蝕信仰と死に生きる者を
蔓延らせる

詳しくは陰謀の夜の考察回をご参照ください

上記のような前提を元に、ファルムに存在する騎士たちを見ると、なぜ彼らがそこにいるのか理解できると思います


大鷹

ストームヴィルにもいましたが、これはゴッドウィンの坩堝諸相における魂を象徴する猛禽だと解されます。父ゴッドフレイが獅子をその魂の諸相とするのと対応してゴッドウィンは鷹です。DLCでも神獣獅子舞と神鳥が対応していました。神鳥は黄金の翼をもち、坩堝騎士も黄金の翼を持っているように、これらは黄金のゴッドウィンの魂の諸相としての嵐鷹の特徴が現れていると考えます

なお厳密には、ゴッドウィンは竜餐のみが原因でこうなったのではありません
父ゴッドフレイがすでにマリカと出会う前から赤熊餐を通じて混種の神性に冒されており、その影響を受けて生まれていると考えます
モーゴットやモーグが生まれながらに混種の神性を宿していたように、実はゴッドウィンも目には見えませんが、混種の神性を宿して生まれていたのです


失地騎士

ゴッドウィンの回で詳述しますが、失地騎士の多くが古竜騎士なのは、古竜戦役を共に戦った猛者がゴッドウィンと共に都落ちし、王都ローデイルという故郷を失ったからです
彼らは竜餐をなし、王都古竜信仰を信奉し、ゴッドウィンの命に付き従う者たちです。ファルムにいる失地騎士の中には、フォルサクスと親交の厚いゴッドウィンの命により直接ファルムの援軍に送られた者もいれば、陰謀の夜の後主人亡きまま、先陣の援軍の後を追うようにファルムに来た者もいるのではないでしょうか



坩堝の騎士

坩堝の騎士は竜餐をしたり古竜信仰に傾倒してゴッドウィンに付き従ったわけではありませんが、ラダゴン王権下で坩堝は無秩序なものと排された点で、同じく冷飯を食わされたゴッドウィンと似たような境遇を持ちます。坩堝の騎士はもともとはゴッドフレイに直属した数少ない精鋭の古参ですので、新参のラダゴンに従うよりは、ゴッドウィンに付いたほうが何かと収まりが良かったのでしょう

故に何人かは、失地騎士たる古竜騎士と同じような経緯で、ファルム防衛の任にあたったものと考えられます



竜のツリーガード

異形のツリーガードのうち
古竜爪の得物を持つタイプ
竜のツリーガード

黄金で作られた歪な兜
竜の諸相が散りばめられた
異形のツリーガードの装備
大古竜の襲来の後、彼らは悟った
黄金樹を護り続けたいのなら
自らが、竜になる他ない
のだと

異形の竜兜テキスト

ツリーガードは黄金樹の衛兵ですので、直接戦役に派遣出兵されることはなかったのでしょうが、王都の壁を破られるという最大の屈辱を味わいました。彼らの中にはその雪辱を果たすために、後から竜餐に手を染めてしまった者もいたようです。マリカとゴッドウィンの治世ではそれも許されましたが、ラダゴンや二本指の原理主義から見れば、忌むべき存在となったのでしょう

さざれ石の聖印

古竜の鱗とされる、さざれ石の聖印
王都古竜信仰の祈祷を強化する
古竜信仰は、黄金樹への裏切りではない
この聖印も雷も、すべて金色なのだから

さざれ石の聖印テキスト

古竜の身を守るさざれ石の黄金は、マリカではなくエルデ勢力の敵、宵眼の女王が古竜王に与えたものです。ラダゴン王権下ではそのような苦しい詭弁は通用しなかったのでしょう

あとは古竜騎士と同じです。陰謀の夜で主を失った異形のツリーガードは、ゴドリックに付き従うでもなく、衛るべき地を探し流れていった

そして気づけば黄金樹ではなく、ファルムを衛るようになっていたという、失地騎士と同じ経緯をたどりました



獣人(骨)タイプ

実はファルムにも死王子の瘡が蔓延っています
おそらく死王子の瘡は自分と縁のある場所にあたかも地縛霊のように異形を残すのでしょう
その影響で、ファルムにも死に生きる者たちのアンデッドが彷徨っている。獣人のうち骨タイプは、ゴッドウィンの業瘡の影響を受けたものです

なお、興味深いことに彼らは太陽の都の盾を持っています
これはゴッドウィンに従った一般ローディル兵の好んで使った盾なので、そのような兵がかつてファルムにいて死んだとき落としたか、この骨獣人もゴッドウィンのファンなのでしょう
太陽の都の考察についてはこちらをご参照ください)

ゴッドウィンがリムグレイブに落ち延びて古竜との関係をより深めたと解さないと、このファルムでのかつてエルデ側だった勢力の存在が説明つかないですし、また、このファルムでのエネミーの存在が、ゴッドウィンが嵐鷹の古王であることの補強証拠になっていると考えます


・その他


ミミズ顔大小

これはノクスの体細胞を取り込んだミミズがノクス化したものと解されるので、特に獣人の遺体が多いファルムにいてもおかしくありません



獣の司祭グラング
(黒き剣のマリケス)

宵眼の女王を屠り、死のルーンを奪ったマリカの影従です
女王を倒してそのままその場で死のルーンを王都から遠ざけ続け、封印しています

マリケスについてはこちらで詳述しています。よければご参照下さい


2.施設について


以上、構成エネミーがわかったので、施設についてもかなり考察しやすくなったと思います

ファルム・アズラ
ゆっくりと、空に崩れゆく遺跡
それは、古竜を祀る巨大な霊廟であり

アズラの獣人の遺灰テキスト抜粋

時の狭間嵐の中心に座すという
古き王を象ったタリスマン
古き王の都、ファルム・アズラは
遥か前からずっと
ゆっくりと崩壊
しているという

古き王のタリスマンテキスト

上記のテキストから

・古竜を祀る巨大な霊廟である
・遥か昔からゆっくり崩壊している
・中央に嵐がある

ことが分かります

・何故中央に嵐か
・何故崩壊しているのか

をここでは考察します


・何故中央に嵐か

前述のようにプラキドサクスは現在既に滅しており、その名残は中央の嵐にだけ残っています

この点嵐とは

神獣は天の使いとされる
その怒りは、空の乱れでもあり
嵐とは、その最たるものである

荒れ狂う神獣テキスト

冒頭に触れたように、おそらく古竜には昔から天の神性が宿っており、その宿した神性のみが現在も残っていることから、嵐が中央に巣食っているのだと解されます。類人猿に邪悪な火の神性が宿って異形化したのが火の巨人であるように、爬虫類に、もともと狭間の地にあった天候の神性が宿って異形化したのが竜族なのでしょう

そしてその嵐や雷の神性は、竜王の血を引く子孫たち(フォルサクスなど)にも伝わっています



・何故崩壊しているのか

空から降る遺跡の残骸
その砕けなかった欠片を鍛えた武器
「伝説の武器」のひとつ
その遺跡は隕石により崩壊したとされ
この武器は、崩壊の力を宿している

遺跡の大剣テキスト

これはおそらくアステールが永遠の都を襲うときに落とされた隕石に当たったため壊れ、崩壊が始まったと解されます

アステールそのものは時空を超えてワームホールのようなものから出入りするので、必ずしも流星や隕石に乗ってくる必要はないのですが、アステールとは別に、永遠の都を地下に叩き落とすための前段階として、隕石が用いられたのかも知れません

隕石で地下に落とす → 逃げ場を失くす → アステールで滅ぼす

という念の入れようだったかと。その前座の隕石に当たって壊れた

ついでに隕石はファルムを狙っても落とされましたが、宵眼の女王の浮遊都市操術でなんとかかわし、半崩壊で済んだ、といった感じかも知れません

ファルム+古竜王+宵眼の女王をして成す術もなかったかと思うと、大いなる意志の本気の恐ろしさを感じます

<大いなる意志の規模感>

DLCでは大いなる意志の規模が少し垣間見える
テキストがいくつか追加されました

「指の母、メーテールの尾指と
その指の捧げ持つ小宇宙を杖とした」
(大いなる彼方の杖テキスト)

「人は皆、かつて彼方の爆発から生まれた、星屑
なのです。我々もまた、大いなる意志の、子供たち」
(大司教ユミル卿談)

これを見ると、プチビッグバンで生まれた小宇宙規模
を取りまとめているのが大いなる意志らしいです

対してノクステラの月は、無数の星を従えるクラス

アステールは、幾つかの星屑を従えるクラス

アステールはノクステラの月よりは格下ですが
それを眷獣として従える小宇宙規模の大いなる意志と
ノクステラの母星を比較すると、やはり月とすっぽん
でしょう

不幸なことに、大いなる意志はその大規模さの貫禄
ゆえか、あっという間に狭間の地を見捨ててしまいました

そのせいで星をいくつも従えるクラスの後ろ盾を持つノクスと、
何の後ろ盾もなくしたエルデの民が争わねばならくなったのです

また、施設に関してはそれが霊廟である、という点が興味深いですが、それは次に触れます


3.習俗・文化について


・古竜を祀る巨大な霊廟である、という点


遺骸
遺骸


ファルムアズラの壁には、この他にも見えないところに獣人の遺骸が埋め込まれており、確かにこの都が一つの巨大な霊廟といえそうです

ただ、各地に落下しているファルムの残骸と思われる遺跡の壁にはそのような遺骸の埋め込まれたあとは確認できません

また、このような殉葬を思わせる獣人の埋め込みは、宵眼の女王の間に集中しているのです

そして、

黄金のさざれ石を磨き上げた鍛石
それは、古竜の王の鱗であり (古竜岩の鍛石)

色を喪った古竜岩の鍛石
それは、古竜の王の鱗であり(古竜岩の喪色鍛石)


いつしか色を喪っている竜王こ鱗は、おそらく宵眼の女王の死の前と後、祝福を失っているため、あるいは竜王の悲しみでその肉体から色が褪せたため、変わっています

だとすると、ファルムは最初から霊廟としての性質を持っていたわけではない。その証拠に、狭間の地上に落下した空中遺跡の残骸には獣人の埋め込みはない

宵眼の女王を失って竜王は悲しみにくれた
喪に服した竜王は、獣人たちの殉葬で宵眼の部屋を飾って弔った

そうしてファルムは、宵眼やその子孫の古竜のための霊廟となった

そのような成り立ちで考えるのがよさそうです


・女王の祭壇について

宵眼の女王の祭壇には、今も黄金に輝く原初黄金律の紋章があります
この紋章の意味については、エルデの獣の考察に詳しいのでそちらをご参照ください

ファルムのどこにも原初黄金樹が見られないことから、もともとファルムには黄金樹がなかったか、あるいは、とても小さいサイズだったため一目につかなかったことが考えられます

その小さい黄金樹がもしあったとしたら何だったのかについては、原初黄金樹の考察で詳説していますので、よろしければそちらもどうぞ

また、この祭壇に下には意味ありげな、三匹の狼に囲まれた少女像があります。これが宵眼の女王であると解するのが自説ですが、この点については「宵眼の女王の考察」回で詳述していますので、そちらをご覧ください


<鉄拳アレキサンダーがいた理由>

そういえばファルムにはもう一人、アレキサンダーもいました

彼はたまたま巨人の釜の炎で己を焼いて鍛えていたところに、
主人公を包み込む時空の歪みに巻き込まれてここまできたようです

特に深い設定上の意味や因縁があるわけではないでしょう
たまたまです

でも戦士アレキサンダーにとっては、最高の死地だったのではないで
しょうか


以上でおそらくほぼ全ての疑問は解けたのではないかと思います
竜や竜餐についてはまたまとめていつか触れたいと思います

ゴッドウィンとの縁が思いの外濃かったのと
宵眼と竜王の愛情が深く感じられたのが印象的でした



以上、今回は「ファルム・アズラ」について考察しました
次回は「影の地」を考察します






他の考察はこちら↓





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