嵐の王について
考える金仮面卿のワンポイント考察です
発表されましたね、NIGHT REIGN 楽しみです!
今回は「嵐の王」は誰か
かなりいろんなエントリーで触れてるのですが、ここで簡潔にまとめておきます
「嵐の王」
嵐の王はいくつかのテキストに出てきます
「本当の嵐のあった頃」や「嵐の王の双翼」や「嵐の王との一騎打ち」など
でもその実体は誰なのか、分からず仕舞いの方が結構多いかも知れません
結論から言います
「本当の嵐のあった頃」の本当の嵐
「嵐の王の双翼」の王
「嵐の王との一騎打ち」の王
全員別人です
ΩΩΩ<ナンダッテ-
誰か一人ではありません
誰か一人と考えると混乱します
正解が明かされることはないのですが、できるだけ多くの要素を矛盾なく説明できるのが採るべき考察かな、と
これが誰なのかを考えるにあたっては、まず嵐とは何なのかを考える必要があると思います
嵐に限らず、氷、雷
これらは本作では「天候」として纏められ
「外なる神の一つに天候の神性があった」
という大元の設定を導入すると解決できるでしょう
つまり天候の神性により異形化した爬虫類が竜族
竜族に限らず人の身でも獅子舞でも雷や氷などの力を降ろせるのは、依り代と独立して天候の神性があるから
天候の神性に見初められれば、力のみならず「嵐の王」にも、また様々な者がなれる
だから嵐の王は必ずしも一人ではないというのが自説です
また王というのは、全土に跨る王の他に、一地方の辺境国の王もいます
レナラも王(女)です。モーグも君主、つまり王
王は一人ではない
三人の嵐の王はそれぞれ誰か明かします
①プラキドサクス……嵐の王
②フォルサクス……本当の嵐
③ゴッドウィン(以下GW)……嵐(鷹)の(古)王
三人いるのがややこしくさせてます
一つづつ考察します
【①プラキドサクス……嵐の王 について】
先史、プラキドサクスの「嵐の王」はファルムでゴッドフレイに一騎打ちで倒されています。DLCでプラキドを倒したのはベールでありフレイではない、という人がいますが、果たしてそうでしょうか。ベールはプラキドに深手を負わせましたが倒せてはいません。倒したのはフレイ。ベールにより手負いだったため、人の身のフレイでも勝てた。故に、「嵐の王との一騎打ち」の王はフレイとプラキドで間違いありません
(フレイに倒されたプラキドは現在もはや存在しませんが、時間の巻き戻しにより「ベールに傷を与えられ、神の帰還を待ち続け、フレイが一気うちを仕掛けた頃」のプラキドが復活する。ファルムの狂った時空の効果で)
じゃあベールはなんなのというと、ベールとのくだりは竜餐の嚆矢を説明するものとして重要です。それが判明したのがDLC
【②フォルサクス……「本当の嵐があった頃」 について】
その竜餐がどう物語に関わるかを次に見ます。フォルサクスの「本当の嵐」は古竜戦役の後の話です。GWは竜餐をして古竜戦役を凌ぎましたが、結果彼らの肉体に竜が混ざって人で無くなって(ユラ談)しまった。こうした「竜化・坩堝化」が王都に邪教たる古竜信仰を引き入れ、古竜との距離を近づける要因となります。果ては後々ラダゴンに王都を追われ多くの失地騎士を産む原因となりました。GWに認められたフォルサクスはリムグレイブに領地を与えられ、ストームヴィル城を構えます。ランサクスやフローサクス同様人の姿で辺境王として居たのでしょう。これが「本当の嵐のあった頃」。プラキドサクスの子孫なのでやはり天候の神性をフォルも宿しています
【③ゴッドウィン(GW)……嵐(鷹)の(古)王について】
ラダゴンが王配となり実権を握った時代、竜餐で穢れたGWはラダゴンに王都を追われます。引き連れた失地騎士たる古竜騎士らと共に身を寄せたのがフォルのいるストームヴィル。王家を離脱したGWはその名を封じて以後嵐鷹の王を名乗る。イングヴァルとオレグが両翼として仕えた嵐の王はGWです。嵐鷹の王のイメージとしては、「黄金の両翼を生やせる、竜に愛され黄金の雷を使えるGW」です(獅子舞→フレイ、鷹オルニス→GWに対応)
<ストームヴィル南西の竜餐教会の孤島>
ここへは地下の通路を通っていけますが、なぜケイリッド
の総本山の他に、ここにも竜餐教会があるのか、みなさん
考えたことありますか
密かに竜餐に憑かれたGWが、あるいは同じく竜餐を経た
古竜騎士がストームヴィルに棲み、黄金の翼(坩堝)で
夜な夜なこの教会に来ていたとしたら・・
あくまで妄想ですが、他にこの場所にある教会の用途が
思いつかないのですよね
そうして坩堝の諸相を深め、人であることをやめていったGW
だとしたら、鷹たちの王に例えられたり、埋葬された肉体が
人ならざる形相を晒す理由にもなります
GWはリムグレイブ南西の教会で竜餐に憑かれ、人であること
を辞めていった。だから弑されるときのあのようにギョロリ
とした不気味で虚ろな眼です。とても黄金の貴公子とは思え
ない目。在りし日の彼は人格者でしたが、母が恨みを買い
すぎた。多くの命に恨まれて、晩年はもはや人としての意識
も濁り、ただ無念が残ったのではないでしょうか
なお、それゆえGWが陰謀の夜に弑された現場はストームヴィルです。トレーラームービーで暗殺者集団が森を馬で駆るシーン、不自然だと思いませんか? 王都が現場なら馬を使う理由がない。リムグレイブに向かっているから深い森を通るのです。こういった細かいところにフロムゲーはヒントが隠されています
ストームヴィルにGWが名を隠して入ることでようやく、なぜネフェリが嵐鷹の遺灰を引き継ぐか理解できます
Gフレイ→GW→(ルーの血筋の)ネフェリ
で黄金の継承が完成する
嵐鷹の古王=GWが分からなかった頃の私は、ネフェリがなぜストームヴィルに王として収まるのかちんぷんかんぷんでした
あのイベントはGWを介さないと理解不能だと思います
これで一通り説明できました
・ストームヴィルに身を寄せるGWとフォルサクスの協力関係があるからこそ、ファルムに失地騎士や異形のツリーガードが援軍として派遣されてると説明できます
・あと失地騎士が何処の領土を失ったかの説明もつきます。王都ローデイルです
・逆さ鷹の説明もつきます。凋落するGWです
<落ちる鷹の兵団について>
かつてGWに付き従った失地騎士には、古竜騎士ほどの
力がない一般兵士もいたでしょう。あるいはGWの子
(今は霊廟のデミゴッド)の家臣だった兵士たちも含め、
彼らは破砕戦争で君主同盟に付き王都で敗れます
ある者は処刑され、ある者は流刑兵となり、ある者は
王都に囚われ奴隷兵となった
ラダーン祭りの後突如空いたノクローンへの大穴。
潜入調査に送られ銀の雫に屠られる落ちる鷹の兵団も、
もともとはGWやその子孫に付き従い破砕戦争を経て
奴隷兵の身に落ちた者たち
鷹がGWのアナロジーであることに辿り着けないと、
彼らの来歴や正体も推察できないでしょう
かつて太陽の都を戴いた黄金の君主に付けられた
落ちる鷹という蔑称。それを背負い危地に送り込まれる
兵士たちは、常にその転落を思い知らされるのでしょう
太陽の都はかつてノクスの勢力(カーリアやルカリア)
を監視し王都の威光を思い知らせる城砦だったというの
が自説です(太陽の都を特定の考察回参照)
その象徴が「太陽の都の盾」だとしたら「逆さ鷹のヒーター
シールド」や「蝕紋の大楯」は悲壮な意趣返しということ
になりそうです
・失地騎士の盾のクオータリング紋章も説明がつきます。竜に侵されたGWと死王子の茨です
断片的に浮かんで残るもの全ての説明ができます
<オルニスとゴッドウィン>
「オルニスは、神鳥を意のままに飼い慣らし
その翼で大空を飛び、やがて地に落ちて
神殿街の守り神になったという」
神鳥の戦士、オルニステキスト
このかなり具体的な神話、”神鳥を飼い慣らす”
”翼で大空を飛び””地に落ちて”という逸話が
印象的ですが、これもゴッドウィンの”落ちる
鷹”を介すると彼の晩年を暗示していると読め
ます
天候の神を宿した神鳥ディーネを遺灰として
繰る、嵐鷹の王GW
竜餐で坩堝を身に宿し、黄金の翼で空を飛ぶ
竜の血に渇き、正気を失い失墜
それでも都落ちしてなお分け隔てなく民を
守り、死後も日蝕となり霊廟の子らの守護神
となりました
「蝕まれ、色を失くした太陽は
魂無きデミゴッドの守護星であり」
蝕紋の大盾テキスト
嵐の王は三人いるという解釈は、こういった
細かいけれどちょっと引っかかる部分も解き
明かしてくれると思います
まとめ
・まず「嵐の王」は素直にプラキドサクスです(ゴッドフレイの時代)
・次の時代、古竜戦役を経て、プラキドの子孫、フォルサクスが、リムグレイブに領地を得ます。それが「本当の嵐」の王
・そこに、領地を与えた張本人たるGWが、ローデイルを追われて身を寄せる。おそらくフォルは共に暮らしたか城を譲った。そのときからGWも「嵐鷹の王」つまり「嵐の王」
このように3種の王がいてそれぞれテキストの主体が異なることになります
これ以外の説明により、全てを一人の王と考えようとすると時代も姿も定まらずさまざまな謎が宙に浮くと思います
余談 Night Reign の鳥
やっぱり気になる
ディーネなどの通常の遺灰は白灰色なのですよね
一方自説はロジェールを死王子のメタファーNPCと解しています
緑の羽帽子、緑の鳥のような衣装
故に、嵐鷹の古王とロジェールをGWで結ぶ自説からは、嵐鷹の古王がもし召喚できるなら緑色をしていると予想していました
繰り返しますが、公式から「謎に包まれていた設定が明かされるようなことはありません」と明言されているから、結局分からず仕舞いなのですが
でもパラレルをいいことにバンバン仄めかされて、でも知らんぷりされるという考察厨にとっての悩ましい拷問を仕掛けてくる可能性も……😘
いずれにせよ楽しみです!
他の考察はこちら↓