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外なる神の考察

考える金仮面卿のワンポイント考察です

今回は、外なる神を考察します

ところで、DLCをプレイした後の感想ですが

みなさん、「あれ、これで終わり?
意外と知りたいことについて何も明かされなかったな・・」

と思われたのではないでしょうか

「宵眼の女王のことや、嵐鷹の古王のこと、メリナの出生、ミケラの聖樹、死王子。いろいろ明かされなかった」

その割に、触れられることが多かったもの、それが「神性」
DLCには、期待されたことは描かれていなかったけれど、神に関することがとても多かったと感じませんか

ロミナや血鬼、ミドラーは、外なる神性を見出した者の具体例ですし、
獅子舞も天の神を降ろす儀式
土地神も混じり角を説明する大事な要素でした
さらに、「鍛治は神事」といって3つも鍛治遺跡が出てきました
そしてエニル・イリムは神を帰還させる門

これはおそらく、神や外なる神について考えることが大事で、みなさんそこを考えてください、ということなのだろうと思います

このDLCが最初で最後というアナウンスもあります(海外ゲームメディアGamesRadar+PC Gamer などの報)
だとしたらこれが最後で全ての種明かしであり、
それ以外はすでに本編で説明済み、という読み方ができます
というか、そう読むしかないのでしょう。情報はこれ以上与えられないのですから

外なる神の伝承

そして、とても多く出てきた「外なる神」はそれだけ重要、という心構えで、今回は進めたいと思います

手前で同じように
拝んでいる

外なる神がどれくらい重要か、というと、本編でエルデの王家、マリカでさえも指揮していた二本指、それと同じくらい、というのが、同じように民が崇めている二つのタリスマンのデザインの共通性、対比から見て取れます

では、外なる神について皆さんはどのような理解をしているでしょうか

「マレニアの宿痾、朱い腐敗の神性のもと」
「モーグのニーヒル、出血の神性というのもあるらしい」
「何が外なる神性で何が内なる神性なのか分からない」
「狂い火も外なる神性ならやばいやつら」
「デバフの元? なら火山館の蛇の冒涜も、バジリスクの死も全員敵だよね」
「状態異常なら治るけど、産まれつきの宿痾なら治らないってことでいいんだよね」

というのが共通理解でしょうか
少し詳しい人になりますと

「腐れ湖の腐敗の神は、過去に青き衣の踊り子って妖精に封印されたんだよね」
「ゴドリックの接ぎ木も外なる神の力によるものだね」

といったことを知っているかも知れません

でも”では外なる神というのは、いつ、どこから来たのか?”

といったことに答えられる人はいないと思います

それはもちろん、「そんなことどこにも書いてないから分かるはずがない」というのは一つの回答なのですが、

DLCでこれだけ熱心に外なる神への言及があるので、それが明らかになったと解するのが自説なのです

「外なる神は、いつ、どこから来たのか?」

これを重点的にまず考察します

これのヒントは、DLCに追加された鍛治術のタリスマンです

ここから仮説を積み重ねて行きます

「古では、鍛治とは神事であった」
「溶鋼に刻まれた皺に文字を見出し」
「武器の魂を固着」

この文言から、神事である鍛治を通じて固着される「武器の魂」とは、神に関連した魂であると推知されます

では、このような神に関連した魂が固着した武器とは、どこにあるのでしょうか
我々はそのような武器を手にしたことがあるでしょうか

それを辿る手がかりは鍛治師です

私たちのよく知る鍛治師はヒューグとイジーです
ヒューグは混種の角人で、イジーはトロルです
そういえばヒューグはしきりにマリカに謝り、マリカを恐れながら鍛治をしていましたね。ヒューグにとっての神事の神はマリカなのかも知れません。マリカではなく、冒涜の蛇の神性や、死の双鳥の神性と交信していればもしかしたら神を殺す武器に届いたのかも知れませんが、それはまだヒューグが未熟だからかも知れません。よくわかりませんが

トロルは長寿との情報が出ていますから、古の鍛治術を知るにはイジーを考えるのが良いでしょう

イジーは鍛治師といいますが、では、彼はどのような武器を打ったのでしょうか

実はこれについては唯一知れるテキストがあります

赤獅子館のジェーレンのセリフです

口煩いし、まったく変わった巨人じゃったよ
だが、そうよな…、あ奴の武器はなまくらじゃったが
あの朱い腐敗に対してなお、腐ることはなかったな…

ジェーレン談

変わった巨人とはイジーのことですが
この武器って一体何のことでしょう
朱い腐敗に腐らなかった武器

思い当たるのは一つ、赤獅子城のボス、混種の戦士と坩堝の騎士を倒すと手に入る「遺跡の大剣」です

ジェーレンはこのことを指して「なまくらだけど腐らない」と言っているのでしょう

そして、この遺跡の大剣は、実は伝説の武器の一つなのです

空から降る遺跡の残骸
その砕けなかった欠片を鍛えた武器
伝説の武器」のひとつ
その遺跡は隕石により崩壊したとされ
この武器は、崩壊の力を宿している

遺跡の大剣テキスト

イジーって、9振りしかない伝説の武器の一つを打てるくらい凄い鍛治師なのですね

ここからさらに推理をしていきます

・もし鍛治が神事なら、この遺跡の大剣にはどのような外なる神の神性の魂が固着しているのか?

・もしかして無関係に見えた9振りの伝説の武器には、神事という観点から共通点があるのでは?

ということです

まず最初の点ですが、「崩壊の力」を宿しているとのことなので、もしかしたら重力の神性のようなものがあるのかも知れません

そもそもファルム・アズラが宙に浮いているのも、この重力の神性の力によるものなのかも知れません

黒王も白王も、重力の神性に魅入られて異形化したエルデの民とノクスの民と考えると納得できます

次に、神性という観点から見た9振りの武器の共通点を見てみます

①世界喰らいの王笏、 蛇の冒涜の外なる神性

②グランサクスの雷 天候の神性

③夜と炎の剣  巨人の炎の外なる神

④剣接ぎの大剣  混種(接ぎ木)の外なる神

⑤マレー家の執行剣  腐敗の外なる神

⑥遺跡の大剣  隕石(重力波)の外なる神

⑦蝕のショーテル  死の双鳥の外なる神

⑧暗月の大剣  銀の雫の神(ノクステラの月)

⑨黄金律の大剣  エルデの神(大いなる意志)

これらは全て、何らかの神の力を宿している共通点があります
そして、神の力を宿している武器は他にもあります(黒き刃も死の双鳥の神性を宿しているでしょう)
なのにここに含まれていないということは、これらは全てイジーが打ったものに限定されている、という推理が可能です

黄金律の大剣が含まれていますが、これはレナラとラダゴンの婚礼において、レナラがカーリア家に伝わる暗月の大剣を贈り、返礼にラダゴンが、暗月の大剣に似たデザインの黄金律の大剣をイジーに打たせてレナラに贈った、と考えるとすっきりします

これら全てにイジーが神事によってそれぞれの神性を宿したとしたらどうでしょう

例えばモーン城で混種(亜人)の蜂起が起こったり
ゲルミアでライカードが冒涜の蛇に侵されたり
日陰城でマレーがマレニアに入れ上げて敷地が腐毒に侵されたり
ケイリッドに星が落ちてきたり
王都で黄金樹信仰や黄金律信仰からみて異教の古竜信仰が流行ったり

そういったことの説明が全て「武器に宿った外なる神の干渉」
その影響で説明できます

もちろん唯一の原因ではありません
偶然や、関係者の気持ちなど色々な要因、因果の結果ではあります
しかし、この神性を宿した武器が常にそこにあって干渉していたため、そういう混乱が起きやすくなった、と推察することはできます

さて、ここまでの推理をまとめましょう

・古来より、鍛治は神事だった(鍛治術のタリスマンより)
・イジーは長生きのベテラン鍛治師である
・伝説の武器は全てイジーが神事として各種の神性を武器に宿して打った可能性が高い
・そうすると、エルデ王家にさまざまな混乱が起きていることの説明がつきやすい

ということです

では、その武器をイジーに打たせたのは誰でしょう

イジーが勝手に打つはずはないです

ラニでしょうか

しかしラニが生まれる前に打たれたような剣もあります

例えば暗月の大剣はカーリア王家に代々伝わる武器です

歴代のカーリア女王たちが
その伴侶に贈るという月の大剣
「伝説の武器」のひとつ

暗月の大剣テキスト

ラニはもちろんレナラが生まれる以前に打たれているものでしょう
イジーは長生きで、代々の王家の王女に仕えていると考えるのが自然です

例えば、夜と炎の剣などは、

魔術師の前身たる星見のはじまり
空に近い、遥か高い山嶺にあり
火の巨人が、その隣人であったという

夜と炎の剣テキスト

星見のはじまりの時代がモチーフの話なので、打った時代は後世かも知れませんが、ラニやレナラでさえ感知しない、星見のはじまりを知る王家の者しか打たせることができない武器であるといえます

では、星見のはじまりとは
魔術師が生まれるずっと前、星見を始めた王家とは誰でしょう

ようやく核心に近づいてきました

その昔の最初のカーリアの女王

それは、宵眼の女王です

ここで、それでは星見とは何か、という問題に寄り道しましょう

エルデンリングでは星が多義的に用いられています

ときに太陽、ときに月、流星、隕石、彗星、輝石、さまざまな意味で用いられています

星見、もまたその意味が必ずしも特定しない「星」です

一つに、カーリア王家の運命を動かす「星」(イジー談)という意味はあります。だとしたらラダーンが止めたような流星や隕石を意味するのかも知れませんが、むしろそれは具体的な星というより、占星術の星、巡り合わせ、といった抽象的な意味でしょう

そしてもう一つ、私が引っ掛かっている星があります

私の律は、黄金ではない。と月、冷たい夜の律だ
…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ

魔女ラニ談

もう一つ

ノクステラの月は、無数のを従えていた

ノクステラの月テキスト

さらに


未精製の細かな輝石が
連なるのように埋め込まれた剣
亜人の剣士たちの得物
女王からそれを授かる時、彼らは誓う
連なるの先に、真実を見出すことを

連星剣テキスト

これらの星
特に連星剣というDLCで追加された武器の星が重要なヒントになりました

これらの星は、全て同じ意味の星です

それはつまり

「かつてノクスの勢力が支配を完了し、現在も支配している星々」です

ラニは言います。「星と月の律」である、と
なぜ月の律だけではないのでしょう
星も混ざっています

それはつまり、ノクスの勢力がかつて支配を完了し、
その星を支配する律を、その星々から切り離した
言い換えると、ノクスによる命令統治権を、ラニが言うように、それぞれの星「の地から遠ざけた」もの
それが冷たい夜の律の正体なのです

そしてもし、

もしそれぞれの星の中に、個々の神性の母星があったら

朱き腐敗の
死の双鳥の
冒涜の蛇の
重力の神性の
悪しき巨人の炎の

神性の母星

がそれぞれあったら

連星剣の「連なるの先に、真実を見出す」とは
そうして支配された星の先には、ノクスの女王、宵眼の女王が座す

それが真実の母である

ということではないでしょうか

だとすれば

宵眼の女王が「星」見でやっていたこと

それは遠隔にあるそれぞれの神性の母星と交信して、

外なる神を狭間の地に降ろしてくる

そういう降ろしの神事、それが星見なのではないか、と

だとすると「星と月の律」とは、真実の母であるノクスの女王が、それが従える星々の外なる神性たちを協力させ、新しい星を侵略する律、という意味になります

「外なる神」とは宵眼の女王、すなわちノクスの勢力が、この狭間の地に先住しているエルデの勢力に対抗してこの先干渉するための、式神のようなものですね

それを各地方に宿らせて、さまざまな方法、タイミングで使役する

それが星見の儀式の意味の一つなのではないか、と考えます

そう考えるとしっくりくることがあります

伝説の武器には、①眠りの神性、②狂い火の神性、③出血の神性がないんです

これらも本来外なる神の神性のはずでしたね

でもそれらが伝説の武器にないのは、①眠りはミケラ(トリーナ)、②狂い火は三本指、③出血はモーグ
というように、エルデの勢力に与する力だから

換言すると、かつてその3つの神性の母星をノクスは征服していなかった
だから使役できず、伝説の武器には降ろせない、ということです

ノクスが支配している星の神性であれば、ノクスに仇をなさない
ゆえに重力の神性を宿す遺跡の大剣は、朱い腐敗の神性をしても侵せなかった、と説明できます

以上を再度まとめます

・原初、宵眼の女王が星見の儀式によって、これまでノクステラの月が従えた彼方の星々に宿る神性たちを、狭間の地に降ろしてきた
・古来より、それらの神性の魂を武器に固着させることが鍛治だった(鍛治術のタリスマンより。流紋文字とは、指の秘文字に対置されるノクスの文字です。これもDLCで追加されました)
・長生きのベテラン鍛治師であるイジーは、宵眼の女王の命により、各種の神性を武器に宿して打った。それが伝説の武器として伝わる
・それらはエルデ王家に仇なす様々な干渉を起こしている
・また神殺しや冒涜というエルデの神を屠るための外なる神の力にもなっている

ここまで読んでいただいたあなたは、もう理解できるはずです

DLCがなぜここまで「外なる神」の種明かしばかりしているか
それは重要だからだ、と私は冒頭で言いました

外なる神、つまりノクスがこれまで征服した星々の神は、狭間の地の見えない歴史を通じて、宵眼の女王に使役され、連綿と王家に干渉してきたのです

そして今、冒頭の問

「外なる神は、いつ、どこから来たのか?」

に答えることも可能です

宵眼の女王が、古の星見のはじまりにおいて、山嶺の雪原で、従えた星々から、「冷たい夜の律」の盟約を行使して、外なる神性たちを喚び降ろしたとき、です


・冒涜の蛇の神性をゲルミア火山に
・朱い腐敗の神性をリエーニエの地下の湖に
・混種の神性をリムグレイブに
・死の双鳥の神性を影の地に
・重力の神性をケイリッドに

それぞれ降ろしました

ただし、

・狂い火の神性はたまたまシャブリリに
・眠り(魅了)の神性はたまたま市民に
・出血の神性はたまたま聖戦下の奴隷に

それぞれ降りました
シャブリリに降りたのを三本指がスカウトし、
市民が禁忌者とされ切り刻まれたのがマリカの肉となり
奴隷が血鬼になったのに共鳴してモーグに宿り

などを通じて、エルデの勢力が使役する神性になったと考えます

ゆえにこの3つの外なる神性は例外で、星見の対象外だと考えます


今回は非常に長くしっかりと、外なる神について考察しました

本編の考察は、このような外なる神の理解を前提に進めていたりするので、その説明の参照先として今回は特集しました





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