SDGsゴール16 平和と公正をすべての人に

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ゴール16のテーマは『持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する』です。

戦争、紛争。暴力、虐待、搾取。
人身売買や拷問。差別、不条理、不平等。
世界には幸福や自由、権利を奪い、ひとの不幸や犠牲の上に成り立つ社会のしくみが多くあります。ゴール16にはこの先の未来に『誰一人取り残さない』社会をつくるために、すべての人が司法に平等にアクセスでき、暴力のない平和な社会を築くための行動目標が書かれています。

平和とは


世界平和という言葉を見聞きすると自分とはちょっと遠いところにある話で、漠然としていてなんだか壮大なイメージと思う人も多いかもしれません。
平和とは一体どんなことでしょうか?

Wikipediaよると平和(へいわ)は、戦争や暴力で社会が乱れていない状態と書かれていました。

平和学の父と言われるヨハン・ガルトゥング氏によると、
平和は大きく2つにわけられるといいます。

《2つの平和》
消極的平和(negative peace)
…暴力や戦争がない平和、対立の解消
積極的平和(positive peace)
…共感をもとにした協調と調和がある平和 新しい仕組みづくり

そして平和の対義語が「暴力」です。
暴力には3つの種類があるとしています。

《3つの暴力》
直接的暴力 紛争、虐殺、家庭内暴力など
構造的暴力 貧困、飢餓、環境問題、差別、搾取など
文化的暴力 他者への不寛容、偏見、憎悪、無関心など

この2つの平和、3つの暴力から考えると、平和を実現するためには大きな戦争をやめるだけではなく、人の心を平和にしていかなくては真の平和は実現しません。
ユネスコ憲章には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」とあります。

対立せず、差別、偏見をなくし、他者を受け入れるひとりひとりの心を見つめ直して育てていくことがゴール16達成の鍵かもしれません。

暴力と不正

SDGs達成のためには平和の実現、すべての人の安心と安全が絶対条件ですが、今世界が直面している課題や問題はとても深刻です。
日本でも世界でも児童虐待は大きな問題です。
厚生労働省ホームページの児童虐待の定義と現状によると(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/about.html)
児童相談所の児童虐待の相談対応件数(平成26年度)は、
児童虐待防止法施行前(平成11年度)の7.6倍に増加(88,931件)していて、虐待死はほとんどの年で50人を超えています。
2005年から2017年のデータでは81か国で1歳から14歳までの子どもの8割が、家庭で常になんらかの心理的、肉体的暴力を受けているといいます。


また貧困が原因による児童労働も平和と公正を妨げている問題です。
世界の児童労働員数は1億6800万人。日本の人口よりも多くの子どもたちが過酷な環境下で働いています。
児童労働は単に子どもが働くことを指しているのではなく、また働くこと自体を禁止しているのではありません。
15歳未満の子どもの義務教育を受けないで働いている場合と、
16歳以上18歳未満で働いてもいい年齢だけれど危険有害な労働についている場合、この2つが児童労働に当たります。
貧困

児童労働

働かせるために暴力で従わせる
という構造も見えてきます。
遠くの途上国で起きていることと思われがちですが、児童労働は日本の産業もつながりがあります。
明日はバレンタイン。チョコレートの甘くない真実を知る機会を
ぜひ自ら作ってほしいと思います。
 


人身売買という暴力もあります。
2014年に発覚した人身売買の約28%が子どもで、70%以上が女性と少女でした。強制労働や性的搾取、偽装結婚、強制結婚、ポルノ制作・臓器売買などを目的としたケースがあります。
安全な国というイメージが強い日本ですが、実は毎年のように人身取引の容疑で検挙されています。過去どのくらいの検挙数なのかというと
検挙件数
平成28年(44件)、平成29年(46件)、平成30年(36件)
検挙人員
平成28年(46人)、平成29年(30人)、平成30年(40人)
被害者数
平成28年(46人)、平成29年(42人)、平成30年(25人)

子どもや若い女性だけがターゲットではなく、最近では海外出身の日本滞在者もターゲットになっています。
日本における人身取引の目的は売春、風俗、児童ポルノ、アダルト動画出演などいわゆる性的搾取です。
 


誰一人取り残さないという観点から重要とされているのがすべての人々に法的な身分証明を提供するということです。
実は全世界の5歳未満の乳幼児のうち、出生登録がされているのは73%しかないという現状です。サハラ以南のアフリカの出生登録は43%で半分以下。
この世に生を受けていてもその存在すら知られていない人たちがいるのです。
出生登録がされていなければ、存在すらわからなかったら、
取り残されているのか、いないのかもわかりません。
これは国がいち早く取り組むべき課題です。

私たちができることとは?

今すでに起こっている国際的な紛争や人身売買、児童労働を私たちが直接解決することは難しいかもしれません。

でも今すぐにでも私たちにできることは私たちが縁する一人一人の価値感の違いを否定するのではなく、多様性をお互いに受け入れ合うこと。

自分が学んだ知識や感じたことを発信していくこと。

そしてそれぞれのサロンでのサービス、施術、対話でもできることがあると私は思っています。
平和とは遠くにあるものではなくまず自分の心に、足元に築きゆくもの。
自分と自分が縁する人の心にどうしたら平和を築くことができるのか。
逆に人はどんなときに平和的ではない心の状態や行動になってしまうのか。
それを学び、研究し、人と社会の平和と公正にとって必要なことを提供していく。それがエシカルサロンの使命のひとつ、と考えます。

自分のサロンで何をするか、提供するものにどんな意味をもたせるのか
是非考えてみてください。


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