2021創作振り返り
激動の2021年が終わろうとしている。
とはいえ激動なのは今に始まったことではない。2020年から社会は激動も激動、あらゆるものが変わっていって無常感を味わいまくっているのはたぶんおれだけではない。
コロナ事変であっぷあっぷしていたのはもちろんのこと、個人の生活にもかなり大きな変化が生じた。ついに学生というお気楽な身分を脱し、いち社会人として名乗りを上げたのだ。24年間住んだ九州にも別れを告げた。とはいえ上洛したおれの新居はいまだ洛外であり、すなわちおれはまだ京都まで辿り着けてはいないのかもしれない。京の都はまだまだ遠い。ずいぶん遠くから来はったんやねえ。いやいや、新参がでかい顔してえろうすんまへん……へへ……
それはさておき。
創作――おれの場合は文章を生み出すこと――は食事、ゲーム、睡眠、漫画、カラオケ等々に次ぐライフワークである。社会人になって、暇な時間が少なくなって、部誌の〆切がなくなって、それでも創作は続けた。このまま足を洗っちゃうかも……と心配していたのでそこは安心した。ちゃんとライフワークだった。
とはいえ、何かを生み出すというのは無条件に尊いことである、などという幻想はとっくに捨て去った。楽しいからやる。楽しくなかったらやらない。あくまでもそれぐらいのもの。つまりおれがまた一年間こうして創作を続けてこられたのは、それはきっとシンプルに創作が楽しかったから。そういうことです。ありがとうございます。
じゃあ一年間どんなことをしていたのか? というわけで恒例の振り返りである。
創作に関連する事柄を順番に見ていこう。
2021/01
・文芸部誌追い出し号「生前葬」へ寄稿
小説「近未来言葬」
短歌「君は歌」
文芸部誌への最後の投稿である。感極まって二作品送りつけてしまった。思えば学部一年の追い出し号から実に丸々五年間、欠かさず部誌への投稿を続けてきたのは本当によく頑張ったと思う。学部四年次の追い出し号に原稿が間に合わず、追い出し追い出され号という特殊増刊号に載ったことを除けばだけど……
多作は駄作、寡作は佳作とは今おれが勝手に作った言葉です。もう少しちゃんと練ってから出そうな。
・カドカワ読書タイム「5分で読書 驚愕のミライ」に短編「まだ見ぬあなたへ」掲載
自作が載ってる短編集が発売された。けっこうみんな買ったり読んだりしてくれました。ありがとうございます。変な同人誌はいくつか作ってたけど、本屋に並ぶのは初めてだったので……
サインの練習をするのを忘れてましたが、特に必要なかったので結果オーライです。はい次。
2021/02
・修論提出
思い出したくない。以上。
(そもそも修論は創作に入るのか??)
2021/03
・卒業
大学院の卒業を以ておれは文芸部も卒業し、名実ともにOBとなった(大学院在学中はOBに片足突っ込みつつも部会には出て、後輩に偉そうなことを言って去っていく人間だった)。
部長を務め、ベスト文集の編集もして、まったく、これほど充実した大学生活を送れるとは思っていなかった。間違いなくこのサークルのおかげだ。卒業してからも文芸部員および元文芸部員諸氏との交流は続いており、とっても陳腐な言葉だけど、出会いに感謝というやつです。
・引っ越し、「旅行紀・学生編」完結
そして福岡から京都まで引っ越すことになった。
何を思ったか(何も考えていない、が正解)バイクで旅立ってしまい、寒さやらパンクやらで死にかけた。生きて辿り着けたのはたぶん先祖の霊の加護とかそんなののおかげだと思う。その模様を詳しく記し、それを以て「旅行紀・学生編」は完結しました。楽しかったなあ。
2021/04
京都に来た。森見登美彦先生の作品の聖地はだいたいここにある。
文芸メディア「蓼食う本の虫」に聖地めぐりの記事を書くぞ~~!と意気込んでいたものの、緊急事態宣言やらで外出を封じられ、まだ1か所もめぐっていない(やる気の問題では?)
2021/05
・二次創作に手を染める
アプリゲーム「アークナイツ」はサービス開始当初からコツコツ進めてたんだけど、本編ストーリーが重すぎた。キャラクターの半数以上が不治の病にかかって死にかけているという陰惨な世界観に耐えきれなくなり、そのときpixivでステキな作品に出会ったこともあって、とうとう二次創作を始めてしまった。誰も不幸にならない話が読みたい→公式には期待できない→自分で書くしかねえ!の流れです。
5月だけで10万字近く書いた気がする。世界観とキャラクターが定まっていれば、執筆速度は一次の比ではない。さらに言うと、もらえる反応の数も一次の比ではない。これ一次創作に戻れるかな……承認欲求というのはキリがないので……。
あと、pixivをちゃんと使い始めました。おまえUIがな~~~~
2021/06-09
ぬるぬると過ぎてゆく日々。ちまちまと二次創作は続けており、月産で短編1~3つぐらいのペース。何も考えなくても手は動くから楽。詳しいタイトルとかを載せないのは名義を分けてるからです。アークナイツのメインストーリー4章クリア画面を見せてくれたら教えます。
2021/10
・短歌集「金曜深夜のタタタ短歌タイム」制作
・神聖自炊帝国で「新刊落としました~新刊を落とさないための理論と実践~」制作
・文フリ福岡 出店
去年はあえなく中止となってしまった文フリ福岡が、今年は対策を万全にしつつ開催。関係者の方の苦労が偲ばれる。
どこに引っ越そうともわが故郷、しっかりとんぼ返りして参加してきました。一年飛ばしての開催なので、新刊も二冊携えて。この二冊、制作を始めたのは去年(下手したら構想していたのは一昨年)みたいな状態だったので、なんとか形になってほっとした。
一年あったら十一か月さぼって一か月で本を作る人間が、二年与えられたらどうなるか。二十三か月さぼって一か月で本を作るんですよ。おわかりか。結局例年通りギリギリでわーっと仕上げたけど、いつものように泊まり込みで原稿合宿したりファミレスで会議したりできなくて、なんだか物寂しさがある。
当日は楽しかった。
やっぱりイベントはいいな。創作やってる人たちに会うと元気が出る。感想ももらえるし。
京都にいるんだから文フリ京都とか出ようかな……と画策しているけれど、直近の来年一月はお仕事が大変なことになっているので厳しそう。でもいつか出ます。サークル名ももう決めてあるんだ。
2021/11-12
なーーーんもしてない!!
強いて言えば短歌集が売り切れたので増刷してboothでせっせと通販しました。お買い求めいただいた方々、ありがとうございます。
シンプルに仕事が忙しくなった。(今までサボってたともいう)。残業して帰ってくると、さあ原稿!という気分になれない。一次創作も二次創作も筆が止まった。短歌だけはしぶとく続けている。
HPはさておき、MP不足とでも言うべきこの問題が、今後創作やっていく上でかなり立ちはだかってきそうな予感がある。これを乗り越えられるかどうか、が来年の見せ場ですね。頑張ります。
そしてふと気付いたけど、カクヨムが動いていない。
カクヨム以外のところで活動してて、手頃な短編が書けておらず……カクヨム楽しみにしてくれてる人がいるのは知ってます、知ってるがゆえに大変申し訳ない気持ちでいます。
楽しみにしてくれている人が一年後もまったく同じ熱量で楽しみにしてくれるか? 普通そんなことはない。人間だもの。読んでほしければとんでもなくクオリティを上げるか、定期更新を続けて定期的にコンテンツを供給する猫用自動餌やり機のような存在になるしかない。そういう時代です。そういう時代に創作をやる意味を、そしてそれを踏まえた上での今の恵まれた環境を、しっかり認識しなおす必要があるなと思いました。
一年間ありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を!