記憶の定着を促すExcel単語帳の活用法
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みなさん、ごきげんよう。
「覚えたことはやがて忘れる」これは人間の定めですよね。「忘れる」ことは生きていく上ではとても大事で、辛かったことや悲しかったことはいつまでも覚えていたくありません。
しかし、英単語や口語表現となると話は別!一度覚えたら二度と忘れずにずっと記憶にとどまっておいてほしいものです。
今回はExcelを使った単語帳の活用方法についてご紹介したいと思います。
1.単語は「4回目で覚える」という説
「単語を覚えるためには同じ単語に4回触れなくてはならない」という説があります。頭の中でつながりかかっている回路が、単語に4回目に触れたときに完全につながり、記憶として定着するという説です。
私は普段、主に社会人を対象に英語をご指導しているのですが、「4回目で覚える」説の話をすると、だいたい二通りの反応がみられます。
「先生の言う通り!4回目に見た単語はほとんど忘れない!」と喜びに溢れている生徒もいれば、「10回見ても20回見ても覚えられない…」と悲しみのどん底にいる生徒もいます。
言うまでもなく「ただ4回見る」だけでは覚えられません。大切なことは「そうだ!そうだ!こういう単語があった!」という体験を4回するかどうかです。「こんな単語、あったっけ??」という体験はいくら繰り返しても記憶には結び付きません。
2.Excel単語帳の作り方
結局のところ、単語や口語が覚えられるかどうかは、いかに深く記憶に刻み込まれるかによります。言い換えれば単語のインパクトが大切なのです。
単語にいかにインパクトを持たせるかについてはこちらの記事でも詳しく述べていますので参考にしていただければと思います。
今回はExcelを使って単語帳を作成し、それをうまく活用することで単語のインパクトを強化し、記憶を促す方法について考えてみたいと思います。
まずExcelを使って単語帳を作ります。リーディングやリスニングなどの訓練をしているときに出てきた分からなかった単語を記録しておくのです。
使っている単語帳(市販の本)に載っている単語を片っ端からExcelに打ち込んでいる人がいますが、それは時間の無駄だと思います。あくまでリーディングやリスニングをやっているときに出てきた未知の単語を記録していくようにします。
記録する内容はできる限りシンプルにします。「単語(または熟語)」「語意」で充分です。品詞や発音記号も一緒に記録しておく人がいますが(それが全く意味がないとは思いませんが)、あまり細かく作りこみすぎると単語帳の作成作業にばかり時間がとられて、肝心の勉強が疎かになりかねません。
また単語と熟語などをごちゃ混ぜに記録する人もいますが、後ほど述べるExcel単語帳の活用方法を考えると、単語と熟語は分けて記録する方が良いでしょう。同じExcelファイルに記録してもOKですが、シートは分けた方がいいと思います。
3.Excel単語帳の活用法(1)~毎日単語と会う~
Excel単語帳は言ってみれば「学習した単語の一覧リスト」です。このリストに毎日「目を通すこと」が一番目の活用法です。
かつてGoogle米国本社副社長兼Google日本法人代表取締役を務めた村上憲郎さんは著書『村上式シンプル英語勉強法』(日経ビジネス人文庫)の中で単語を覚えることを人の顔と名前を覚えることに例えています。そして人も英単語も毎日会っているから思い出せる、頻繁に会うから覚えているのだと主張されています。
この主張はとても説得力があり参考になります。リーディングやリスニングの中に出てきた単語をリスト化しておいて、そのリストを使って毎日単語と会う、つまり「目を通す」ことを続けていれば、単語の定着率は高くなります。
もちろん単語帳などを使って日々新しい単語に触れる方法もあります。しかしリーディングやリスニングの中で一度触れた単語は、せっかく記憶の回路がつながりかかっているのですから、それを放置しておく手はありません。リストにし毎日触れることで記憶を確かなものにすることができるのです。
このときに大切なのはスピードです。とにかく「さっ」とリストに目を通すことです。そして意味が「ぱっ」と浮かばなかった単語には印をつけておき、改めて覚えなおすことにします。リストを見る作業はあくまで単語と毎日会うことが目的なのであまり深入りをしません。言い換えれば毎日単語と会うことで自分と「相性の悪い」単語を確認する作業程度に考えるとよいでしょう。
この使い方は毎日英単語に触れることで記憶を促進する意味と、覚えにくい単語を絞り込むことで学習すべき対象を明確化するという2つの意味があります。
4.Excel単語帳の活用法(2)~出会いを振り返る~
二番目の活用法はExcelの検索機能を活用し「単語との出会いを振り返る」というものです。
これはあるリストがある程度充実してきたあとで効果を発揮します。リーディングやリスニングをしているときに意味の認識できない単語が出てきたら、いきなり辞書を引くのではなく、Excel単語帳でまず検索してみるのです。
検索に引っかからない単語はいままで出会ったことのない、「はじめまして」の単語です。新しい単語との出会いを歓迎しましょう!
問題は意味の分からなかった単語が検索に引っかかった場合です。検索に引っかかるということは、その単語とはすでに出会っているということです。出会っているけれども、覚えられていない単語だというわけです。
ここで大切なことは「えーっ!」と思うことです。「一度触れたことがある単語なのに覚えられてない!」という意味の「えーっ!」です。もちろん悲観的になることはありません。ほとんどの単語は一発で覚えるのは難しいものです。後ろ向きな「えーっ!」ではなく前向きな「えーっ!」と感じましょう。つまり「今度こそ覚えてみせる!」というポジティヴな気持ちを持つことが大切です。
この前向きな気持ちが単語に対する「インパクト」を高めるわけです。そして記憶を促進してくれます。
検索に引っかかった単語は網掛けで着色しておきます。初めてリストに記録した単語には着色はいりません。初めて検索に引っかかった単語には着色します。「この単語は過去に一度調べていたが覚えていなかった」という印です。言い換えれば「この単語は二度触れている」という印です。
二度目に検索に引っかかった単語は違う色で着色し直します。「この単語が三度目に触れた」という印、三度目に検索に引っかかった単語はさらに違う色で着色します。「この単語は四度目に触れている」という印です。(ちなみに私は二度目に触れた単語には青、三度目の単語が黄色、四度目の単語は赤で着色します。信号と同じで徐々に「危機感」が増す感じです)
単語につく色が変わるたびに「えーっ!」が大きくなるはずです。「三度目に触れたのに覚えてない!」「四度目なのにまだ覚えてない!!」といった具合です。繰り返しになりますがこの気持ちが単語に対するインパクトを高めるのです。
気を付けたいのは二度目、三度目、四度目と単語に触れる回数が増えるにつれて「そうだ!そうだ!こんな単語があった!」という感覚を持つことができているかどうかです。この感覚が持てているということは記憶の回路が着実につながりつつあるということです。記憶の定着が近づいています。逆にこの感覚が持てていないということは単語の覚え方の根本に問題があります。
というわけでExcelの検索機能をうまく活用することで単語との出会いを振り返り、単語に対するインパクトを高めることができます。そして記憶の定着を促すことになるのです。
新しい言葉を知ることは世界を広げることだと言われます。単語覚えはたしかに苦しい作業かもしれません。しかし苦しさを乗り越えて身に着けた単語は必ず私たちの助けとなってくれます。さあ、恐れることを止めて、新たな言葉との出会いを楽しみましょう!
5.この記事のまとめ
(1)単語を覚えるには単語に対するインパクトを高める必要があります。(2)Excel単語帳を作るときは「シンプル」を心がけます。
(3)Excel単語帳を使ったリストで毎日「単語に会う」ことが大切です。(4)Excel単語帳の検索機能を利用して単語の出会いを振り返り、単語に対するインパクトを高めましょう。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
それではまた。ごきげんよう。
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