覚える前に知っておきたい『単語覚えで大切なこと』
みなさん、ごきげんよう。
今回は単語覚えで大切なことについて考えてみたいと思います。
「単語を覚えるのが好きで好きでしかたない!」
そんな方もいらっしゃるとは思いますが、割合からすると少数派と言えるのではないでしょうか。単語覚えはやはり多くの人が苦手だったり億劫だと感じたりするものです。
そのためか「500語覚えれば会話には困らない!」とか「単語は数よりも質が重要だ!」と主張する人もいるようです。
「どのレベルの英語を習得したいのか」によって覚えるべき単語の数は変わってきますが、「500語で大丈夫!」とか「1000語で充分!」という考え方には私は賛同できません。その程度の単語量では不充分と言わざるを得ません。
一方「単語は数より質が大事!」という主張は理解できるところもあります。英語を発信するという点からすれば「使えない単語」をむやみに覚えるよりも限られた単語をしっかり使えるようになる方がメリットがあると言えるでしょう。
しかし英語は発信するばかりではなく受信する、つまり読み取り聞き取ることも必要です。一定数の単語を知っていなければリーディングやリスニングにおいて知らない単語が続出することになりスムーズな理解を妨げることになるでしょう。
やはり単語は一定数覚えなければなりません。そこで今回は単語を覚えるときに大切なことを(多くの人は無意識にやっていることとは思いますが)基本に立ち返ってもう一度確認してみましょう。
五感をフルに活用する
何かを記憶するときには一つでも多くの感覚を動員する方が良いと言われます。
視覚、聴覚はもちろんのこと、嗅覚や味覚、触覚までも動員できれば記憶効率は飛躍的に高まることでしょう。
単語帳を開いて見出し語を赤いフィルムなどで隠しながらひたすら単語とにらめっこ、そんな人を電車の中などで見かけることがしばしばあります。
しかし、これではなかなか単語が体に入ってこないと思われます。視覚のみを使って覚えようとしているからです。少なくとも声に出して発音しその声を自分の耳で聞いてみる、つまり聴覚を動員して記憶を助けてあげるべきです。
嗅覚や味覚を単語覚えに取り入れる方法としては「記憶再生」があります。
たとえばtart(酸っぱい)という単語を覚えるときは熟れかけのリンゴを食べた時の酸味を思い出しながら発音してみるとか、acidulous(酸味のある)という単語を覚えるときはうっかり洗濯し忘れたシャツのにおいを思い出してみるとか(あまり思い出したくはないでしょうが…)すれば、記憶の定着を促進してくれるでしょう。
私は単語のアクセントを覚えるときに触覚を取り入れることがよくあります。単語を発音しながらアクセントのある部分で手を振ってみたりポンと足踏みしてみたりするのです。すると比較的簡単にアクセントの位置を体に入れることができます。
以上のように目で覚えるだけでなく、できるだけ多くの感覚を動員することが単語を覚えるときに必要な基本的アプローチなのです。
発音記号を必ずチェックする
発音できない単語を覚えるのは至難の業です。単語を覚える第一歩はその単語を正しく発音できるようになることです。
発音は二の次のしてとりあえずスペルを覚えようとする方がときどきいらっしゃいますが、これは記憶の面からみても大変非効率ですし、そのような覚え方をした単語はスピーキングやリスニングでまったく役に立ちません。
ネイティヴさながらの完璧な発音は難しいとしても、最低限のクオリティの発音を身につけておかないとせっかく覚えた単語も宝の持ち腐れということになりかねません。
ある程度正しい単語の発音を身に着けるためには、発音記号を読めるようになる必要があります。今日の電子辞書や辞書アプリなどは音声再生機能が標準装備されていますが、耳で聞くだけで正しい発音を身に着けるのは困難です。
やはり発音記号が読めるようになった上で、その発音記号を参照しながら耳で聞き、後について声に出しリピートしてみる方が良いでしょう。
アクセントの位置も忘れずに
発音とともにチェックをしておかなければならないのがアクセントの位置です。
英単語を構成する要素としては「音」と「アクセント」があります。どれだけ正しい「音」で発音しても、アクセントの位置を外してしまうと途端に通じなくなってしまうことがあります。
アメリカのある大学が単語における音とアクセントについて面白い実験をしたことがあるそうです。
potato【pətéɪṭoʊ】という単語を、正しい音でアクセントの位置をずらして発音した場合と、音は崩して正しいアクセントで発音した場合、どちらがネイティヴスピーカーに理解してもらえるかという実験です。
結果は「音は崩して正しいアクセントで発音」した場合の方がより多くのネイティヴが理解することができたそうです。このことからもアクセントの重要性がよく分かります。
単語を覚えるときはアクセントの位置もおろそかにせずに、きちんとチェックしておくことが重要です。
共起表現を確認する
共起表現とは簡単に言えば「よく一緒に使う単語」ということです。単語を覚えるときは共起表現にも目を向けてみると記憶効率が高まると思います。
たとえばtremendous「ものすごい・巨大な」という単語を覚えるとき、よく一緒に使われる共起表現も調べてみます。するとsuccess、amount、growthなどがよく一緒に使われることが分かります。
このように一緒に使われる単語を知ることは、覚えたい単語のイメージを膨らませる上で役に立ち、結果として単語を覚えやすくしてくれます。
例文と一緒に単語を覚えるのも有効な方法ですが、時間がないときは一緒によく使われる表現だけでもおさえるようにすると良いでしょう。
共起表現を知りたいときにはウェブ上やアプリで利用できるWeblioや英辞郎を活用すると簡単に調べることができます。
覚える目的を明確にする
中上級レベルに差し掛かってくると特に大事なことですが、単語を覚える目的を明確にしなければなりません。
覚えようとしている単語は自分が英語で発信するときに使うべき単語なのか、リーディングやリスニングをするときに受信できればいい単語のなのかをはっきりさせることが大事です。
発信で使う必要がある単語ならば、語法やコロケーション(よく一緒に使う単語の組み合わせ)までも意識して覚える必要があるでしょう。
受信できればよい単語ならば発音・アクセント・意味の3点をしっかりと覚えておけば事足りるでしょう。
どのような目的でその単語を使うかを明確にすることで、必要とされる記憶の深度を決めることができます。するとその単語の習得にどれくらいの時間や労力を割くべきかも分かってくるはずなので学習をより効率化できます。
今回は単語を覚えるときに大切なことのうち特に基本的な事柄を取り上げてみました。
単語を覚える方法やコツについてはまだまだお伝えしたいことがありますが、それらについてはまた別の機会にご説明したいと思います。
この記事のまとめ
1.単語を覚えるときに大切なことを知っておきましょう。
2.五感をフルに活用して覚える。
3.発音記号を必ずチェックする。
4.アクセントの位置も忘れずにチェックする。
5.共起表現を一緒に確認する。
6.単語を覚える目的を明確にする。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
それではまた。ごきげんよう。
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