協力し合う社会に
先日、法政大学経営学部の60周年記念のイベントを長岡研究室主催で開催した。長岡研究室といえば、カフェゼミ。カフェゼミといえば対話の場。
今回イベントは、大規模でカフェゼミを開く事になった。
そもそもカフェゼミって何?と思っている人もいるだろう。カフェゼミは法政大学の長岡研究室が月1で開催しているオープンゼミ。キャンパス外で場所を借りて、多くの社会人も学生も気軽に来れる場を提供している。
来てくれたゲストは、株式会社マドレボニータの吉岡マコさん。出産の経験を通して、ビジネスを展開したという。
カフェゼミには60人以上の参加者が集まった中で、「出産、パートナーシップとキャリア」について話す場は人生初めてと言えるほど、なかなかないと感じた。
そんな中、吉岡さんは一度就職し、出産を機に退職をした。産後、シングルマザーとして一番辛い時期にヘルスケアがないことに気づいた。彼女自身の大変な経験から、出産後の体力の衰えや復帰のタイミングが分からない女性を対象に、支え合うコミュニティをビジネスとして展開した。吉岡さんは同じ境遇の人を支援したいという気持ちで今の事業をやっている。
吉岡さんの話を聞いて、中でも一番印象的だったことは、出産後のケアを受けた人は、受けない人の3倍もパートナーを愛せることになったこと。受けた、受けないでこんなに差が生じるんだと驚いた。もしかすると、大半の人は「出産」について深く考えたり、他人やパートナーと対話する機会がないと考える。しかし、この現実的なデータをみて、出産後のケアがこんなにも残りの人生の選択に影響することが分かったので、もっと多くの人にパートナーときちんと向き合ってほしい、そして、女性にも体力的な面で強くなって社会に復帰してほしいと思った。
出産後、パートナーの協力を元に女性は8週間は休まないといけないと学んだ。それを実現するには、まず企業側の休暇制度を整える必要がある。休んでしまうと「昇進できない」、「もう少し頑張りたいのに、、」という人がいるから中々休みを取れないのが現状。周りの人が「休んでいいよ」という雰囲気作りや、「代わりにやっとくよ」という気遣い/想いやりが大切だと強く思う。誰かが助けを求めている時、自分から声をかけたり、福利厚生がおかしいときちんと言える人になることから、やっていかないといけない。それは、職場だけではなく、学校や今所属している全てのコミュニティに共通して言えること。
「半径1メートルから変えていく」
この言葉がとても重要だなと感じた。
吉岡さんも、身の回りの半径1メートルから少しずつ環境を変えていって、それが今では多くの人に影響を与えて、多くの人を幸せにしている。すごく素敵な事業だなと改めて思った。
出産はひとりの女性がするけれど、一人では乗り越えられない。必ず誰かの支えと協力が必要になってくる。人との繋がりがとても重要で、出産の時だけではなく、どのコミュニティでも協力し合うことがこれから生きていく上でとても大切だってことに気付かされた。