”静かなる男のための”CB500four
CB500fourは1971年発売、先行して発売されていたCB750forが当時としては非常に大きく、もっと日本人の体格に合ったバイクを……という声に合わせてのものでした。
当時のバイクといったら「カミナリ族」という言葉どおりに爆音バリバリ、エネルギー溢れる若者のパワフルな乗り物! というカラーを全面に押し出したモデルも多かったのですが、実際のところ当時から既に静かにツーリングを楽しむ大人なライダーはたくさん存在しており、CB500fourはそんなライダーをイメージした「静かなる男のためのバイク」というキャッチ―なコピーを打っていました。
これは当時から規制が始まった騒音規制に対応させるため、意図的に排気音を抑えておとなしいイメージに仕上がったことからのことだそうですが、実際のところハイエンドな750ccほどの威圧感はなく、さりとて250ccのような若者的落ち着きのなさはない、500ccの”こなれ感”はまさに大人のためのバイクといえたでしょう。そのせいか、カラーバリエーションはあまり展開されませんでしたが……。
今となっては高性能とはいえず、48PSの馬力はともすれば400ccでも平然と出してしまうパワーではありますが、しかし全力疾走するわけではなく、必要なパワーを必要なだけ使いきるミドルクラスの排気量には、やっぱり老練さを感じますね。
とはいえ、実車を見ると「ズオン ズオオン!」という空冷四気筒特有の重たいノイズ交じりの吹け上がりは、「トトトト……」という最近の弁当箱触媒つきバイクに慣れた耳からは強烈にパンチが効いており、「どこが”静かなる”だろう?」と言いたくなるほど存在感にあふれています。
プレミア化しているCBですが、いつかは乗ってみたいですねえ……。