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キャンバー角に、盛り土問題

人としてこの世に生まれ落ち、そして今、noteを読んでいるあなたなら、あるフレーズを聞くと思わず笑ってまうフレーズというものが1つや2つあることでしょう。

そして、そんなフレーズに勇気づけられて、もう1度頑張ってみようと思ったことが1度や2度でないはず。

私にも、もちろんそのようなフレーズが存在しており、その中でも強烈なものを "キラーフレーズ"と呼んでいる。

そして、私にとってのキラーフレーズの1つに『盛り土問題』というものがある。

このフレーズが私にとってどれくらいキラーフレーズかというと、会社に約1時間掛けて通勤しているのだが、酷い時にはその半分の時間を『盛り土問題』を考える時間に費やしてしまうぐらいだ。

因みに、私は自動車通勤しており、赤信号や渋滞で車が止まる度に、このフレーズが浮かんできては前の車が発進すると共に消えていくため、その累計時間の30分が『盛り土問題』に割かれているという計算となる。

正直ね、もっと社会、地域、家族が幸せになるための方法を考えるべきなのはわかっているんですよ。

でもね、無理なんです。

なぜなら、『そんな崇高なことを考えるなんて止めろ!』と言わんばかりに、『盛り土問題』が頭をどんどんよぎってきて、考えないでおこう、考えないでおこうと思えば思うほど、"ゆりやん"のハリーポッターネタみたいな感じになってくるんですよ。

なお、この症状が特に酷くなるのが、タイミング悪く停止時間が長くなってしまった時で、そうなった時には妄想が深くに及んでしまい、後ろからクラクションを鳴らされて我に返るということも一度や二度ではなかかったことも併せて告白しておこうと思う。

そもそも、なぜこのような事態になってしまったのかを説明するに当たり、まず『盛り土問題』について説明しておくと、

東京で魚の卸しが行われる築地市場というものが存在する。

しかしながら、その築地市場は多くの問題を抱えている。

例えば、老朽化が進んできたり、魚の取扱い数量の拡大、アスベストなどの衛生問題、観光客の増加などである。

そして、それらの問題を一気に解決するために、思い切って豊洲という場所に新しい市場を建設して移転しようということになったのである。

しかし、建設していざ移転しようとなった時に問題が発生。

建設時の調査が不十分だったのか、分かった上で踏み切ったのかの真相は不明であるが、再調査の結果、土壌汚染物質が検出されたのである。

通常、土壌汚染物質を含む土壌の上に建築物を立てる時には、汚染された地面の上に土を重ねて汚染物質を封じ込める作業、つまり『盛り土』をする訳だが、それが一部の箇所でされていなかったということが『盛り土問題』のあらましです。

そして時が流れて、みんなの記憶から少し薄れかかったていた時に、私はとあるバラエティ番組を目にした。

その番組は、小池都知事の物マネで有名な八幡カオルが、汚尻を美尻にできるというEGFクリームをお尻に塗って効果を検証するというもの。

約9日間の効果をスタジオでお披露目する時に事件が発生した。

お披露目するに当たり、八幡カオルはお尻がしっかり見えるようにTバックを穿いてスタジオ入りしたのだが、お披露目前の後方振り向き待ち状態において、前方秘部の存在感が凄まじく、思わず司会の有吉が

『前の盛り土が危ないんで後ろ向いてもらって、盛り土の問題があるんで』

という社会問題に絡めた絶妙なツッコミを行ってしまったほど。

私はその時、笑わなかった。いや、笑いを通り越して感動すら覚えてしまったため、笑えなかったという言葉が適切かもしれない。

人って本当に凄いものがきた時、笑えずに動きが止まるんですね。

そして、時間が経った後にようやく笑わせようと、1波、2波・・・と時間差で何度も笑いの波を届けるスタイルに変化するんだね。

本当、お笑い芸人の人達って凄いと思う。なぜなら、たった一言で周りの人の人生にも影響してしまうんですから。


ではなぜ、凄かったのかを分析してみると、

これは、お葬式で元ギニア外交官でタレントのオスマン・サンコンが、他の参列者が焼香後に「ご愁傷様でした」と言っているのを『ご馳走様でした』と聞き間違えて、抹香を3回食べてしまうという話と通ずるものがあって、

笑っては済まされない社会問題や場面において、通常存在し得ない真反対のことが急に放り込まれたことでギャップが際立ち、笑いが発生するという笑いの定番がきっちり抑えられている点がまず1つにある。

そして、もう一つを『キャンバー角』を例に説明してみる。

私は、『キャンバー角』というフレーズも頭から離れない。

先程、通勤で車を運転しているということはお伝えしたが、その通勤途中に出会った改造車が芸術的だった。

タイヤの角度が30°程度だろうか、外側に向いており、車高が異様に低いのである。

その角度をキャンバー角というのだが、30°は明らかにタイヤの外側が地面に接地していないため、タイヤの減りは相当なものだろうと予想するのに難くないが、芸術と法律というギャップの中で、ギリギリを追求するというその意気込みが、『キャンバー角』というキラーフレーズに乗っかり、ふとした瞬間に私を笑わせようとしてくるのです。

その『キャンバー角』と『盛り土問題』には共通点がある。

その共通点とは、"共に7文字である" という点である。

つまり、ワンフレーズ、一口で言いきれるという点で同じなのだ。

これまでのことをまとめると、思わず笑わせてしまう条件としては、ギャップの大きさはもちろんのこと、そのギャップを伝えるためのフレーズが一口で言えるということも、気軽に口ずさむという意味では重要な要素だということだ。

で、最後に言っておかなければならないのが、

『一人の男が、妄想が止まらない中で運転している』

というだけの話だという点である。

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