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【勝利の女神:NIKKE】アンカーの個別エピソードを読みました。
この記事の内容には、アンカーの個別エピソードのネタバレを含みます。
はじめに
個別エピソードの記事、8本目はアンカーです。今年の夏イベで久しぶりに入手する機会があったので意外と持っている方も多そうなアンカー。イージス部隊で唯一SRなので、SR復刻もありがたいですが、SSR昇格もいつかしてほしいなと思います。
アンカーについて
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いつも通りまずはキャラ紹介から。アンカーは、エリシオンのニケであり、アークで唯一の海軍、イージス部隊に所属するニケ。体内に高性能レーダーが搭載されているようで、おぼれている人が居たらすぐに気づいて救助することが出来るらしい。
EPISODE.1好きな理由
指揮官室にヘルムが訪ねてくる。ヘルムは一つお願いしたいことがあると、相談を受ける。自分には到底手に負えないからと話された相談の内容は、アンカーの海洋生物コレクションを回収してもらいたいというもの。ヘルムが個人的に気持ち悪いから片付けてほしいわけではないと続け、詳細を聞くと、船上パーティーであるロイヤルがアンカーの人でを踏んで転んだことで目を付けられ、動植物管理局にクレームが入ったことで回収するよう警告を受けたのだという。イージス部隊では既に任務に役立つからと、マストのオウムが特例で認められているが、海洋生物はそんな言い訳もできないため、ヘルムがアンカーに事情を説明し、海洋生物を管理局に提出するよう頼んだところ、アンカーがヘルムを避けるようになったらしい。アンカーは高性能レーダーがあるため、その気になれば永遠に逃げ続けることが出来るのでお手上げになったヘルムは第三者である指揮官に相談しに来たのだという。リーダーとしての責任を指揮官に押し付けて申し訳ないというヘルムに指揮官はイージスのリーダーはヘルムだが、そのリーダーは指揮官である自分だから、よく相談してくれたと答える。そしてアンカーの現在地をヘルムに確認した後、ヘルムに仲間をよろしくと託される。アドマイアー号が停泊しているプールに指揮官が行くと、それに気づいたアンカーはヘルムとグルかと警戒し、ヒトデたちを箱に入れ始める。そんなアンカーに何してたんだと、指揮官は話しかけ、海洋生物を箱に入れていると答えられると、それを手伝おうとする。手伝いながら指揮官は、この生物たちがどこから来たか尋ねると、アンカーは色々なところから拾ってきたと答える。そのうちの一匹を触ってみるか提案され、実際に触るとぷにぷにした感触でツルツルしている。その感想を述べると、「でしょ?」と少し嬉しそうに答える。それから柔らかいから海洋生物が好きなんだと続ける。どうしてそういう柔らかいものが好きなのか聞くと、アンカーは自分が機械で、硬いからだと思うと答える。
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EPISODE.2ヒトデと機械の心臓
アンカーの言葉をうまく理解できないと指揮官は答え、アンカーから受け取ったヒトデをアンカーの顔に貼り付ける。するとアンカーは人出は好きだが合体したいわけではないと困ったような反応をする。その反応に指揮官はヒトデと自分を区別していることから、どう見ても人間の反応だと指摘する。そんな指揮官にアンカーは人間を一番人間らしいと感じる部分はどこだと思うか問う。指揮官は心臓だと答えると、アンカーは自分の心臓はコアだから重たくて硬いんだと言う。だからこそ、柔らかいヒトデたちが生きていると感じられて好きなんだと語る。その言葉に指揮官はじゃあ模型ではダメなんだなと確認する。肯定するアンカーに管理局の警告はどうするつもりか尋ねると、アンカーはわからないからとりあえず逃げてるが、そろそろそれも限界だと言いかける。そんなとき管理局の職員らしき反応を確認したアンカーは指揮官にヒトデを箱に入れるように促し、その場を離れようとする。指揮官は自分が箱ごと持って一緒に逃げるから返せないという。指揮官の返答に困惑しているアンカーに君を説得する余地を探すと続ける。説得の内容が管理局にヒトデたちを渡すようにというものか確認したアンカーに指揮官は、最悪の場合はそうなると答える。その言葉に、アンカーは、最悪ということは、もっといい方法を考えてくれているのかと尋ねると、指揮官はアンカーの頭をその通りだと答える。しばらくして、二人で逃げて職員をまくことに成功する。それからどこに行くのかアンカーに聞かれ、アンカーを説得するための場所を探して移動する。
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EPISODE.3記憶と人形
そうしてやってきたのはベロータとミカが経営するおもちゃ屋さん。指揮官は二人にアンカーを紹介し、海洋生物を見せる。そして代わりになりそうなものはないかと尋ねる。最初にツルツルでかわいいからという理由でスライムを持ってくる。アンカーはそのスライムを触ってみる。感触は似ているが水気もなく、自分で動いたりしないからイマイチだと言った反応。その言葉に、次は動くネコのおもちゃを持ってくる。腕を振るスピードが一定なのが機械みたいな上に、硬いからとこちらもイマイチな様子。硬いとダメなのかとベロータが問うと、指揮官はアンカーがしていた事情を説明する。その説明を聞いたベロータはどうして柔らかい者だけが生きていると思うのか聞く。アンカーは違うの?と不思議そうに返す。それに対して、違うに決まってると否定し、小さい子供も動物の赤ちゃんも硬いおもちゃを弟や妹と思って遊んでいるし、自分たちも同じように硬いコアを持っているが自分が死んでいるとは一度も思ったことがないと続ける。ミカもそれを肯定し、自分たちが人間だった時も今も、やってることは変わらないと続けると、アンカーは自分には人間だったころの記憶がないからわからないと答えると、二人は不思議そうな反応をする。指揮官は覚えてる方がレアケースだと説明する。それを受けてベロータは、アンカーが自分が生きていないと感じるのは人間だったころの記憶がないことが原因なんじゃないかと話す。アンカーと指揮官はおもちゃ屋を後にし、次の行き先について思案する。ベロータとミカの、考えを変える鍵は記憶だという言葉に、指揮官はアンカーの記憶を取り戻すことが最終的にアンカーのためになるかと悩んでいるとき、ヘルムから連絡が届く。
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ヘルムがどうにか海洋生物を渡さずに済むようにできないかと、エリシオン本社にも行ってみたと言うと、指揮官はエリシオンに別の方面でサポートしてほしいと返し、次の行き先をエリシオン本社に決める。
EPISODE.4深い水の中へ
エリシオン本社に到着し、イングリッドに事の次第を伝える。イングリッドはアンカーの記憶を取り戻してほしいということかと確認すると、指揮官は正確には記憶を取り戻しても問題がないのかを聞きに来たと答える。イングリッドはニケにとって記憶とは一種のブラックボックスであり、中に入っているのが宝か爆弾かわからない以上、前者である可能性が高くても、自分なら開けないと答える。なぜかと問うと、アンカーは自分の存在に違和感を覚えている、不安定な状態だからだと返す。それが思考転換の前兆だとも続ける。そんなイングリッドの言葉に、アンカーは指揮官が定期的に行うメンタルテストで問題がないから思考転換の心配はないと説得する。納得したイングリッドは二人の判断に任せ、問題解決のために必要だと判断したならあらゆる手段で手伝うという。指揮官はこのまま放っておいても自我に違和感を持ったまま生きていくことで思考転換を起こしてしまうかもしれないから、アンカーが生きていると感じられる程度の小さな記憶くらいは取り戻してあげたいと答える。その答えに納得したイングリッドはニケの記憶に関する説明をした。
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それからアンカーの過去の記録を確認したイングリッドは良さそうな記憶を見つけたと、プールに場所を移す。イングリッドはこのプールで最も深いのはどこか尋ねると、アドマイアー号がある場所で、水深は20メートル以上だという。その深さから人間は普通は入れないがイージス部隊の誰かと一緒なら問題ない、特に自分にはレーダーがあるから溺れた人が居たらすぐ信号が届くと説明を続ける。アドマイアー号の停泊区域まで場所を移すとイングリッドはアンカーにその中に飛び込むように言う。アンカーは心配そうな二人を説得し、ヒトデたちが入った箱を指揮官に預けると、戦艦の高いところまで上り、助走をつけて飛び込んだ。
EPISODE.5存在の定義
イングリッドと指揮官はアンカーがなかなか上ってこないことで心配な様子。イングリッドはなかなか上ってこないのはアンカーが記憶を取り戻した可能性が高いと推測した後、念のためにアンカーを救うために飛び込もうとは思うなと警告してくる。水中のアンカーに場面は移る。自分が経験してないことを思い出す。その記憶の中で、少女は水中にいるとき、車いすに乗ってる時よりも何倍も生きてると感じると話す。そしてアンカーは自分が海難救助隊を夢見る水が好きな子だったことを思い出す。そしてだから水が好きでヒトデが好きだったんだということも思い出す。また指揮官たちに場面が戻る。不安そうな指揮官にヘルムとマストに救助要請ならしてあると説明するが、指揮官はそのころにはアンカーは危ないかもしれないと答える。イングリッドはそれにも説得を試みる。指揮官は溺れている人が居たらすぐに気づくというアンカーの言葉を思い出し、イングリッドに解決すると言って、プールに飛び込む。指揮官に気づいたアンカーは、生きているということに心臓の硬さなんて関係ないと理解し、指揮官に手を差し伸べ救助する。それからヘルムたちに引き上げてもらう。アンカーは指揮官に自分が生きていることがやっとわかったと話す。イングリッドはこれでアンカーにヒトデたちは必要なくなったなと言うが、アンカーは自分は海洋生物が好きだからアンカーなのだと言い、自分にはまだ必要だと続ける。その問題は自分には解決できないとイングリッドが言うと、ヘルムが、商人連合が海洋生物のキャラクターを売ることを許可してもらう条件で交渉してくれたと伝えてくる。安心したようなアンカーに指揮官はこの子たちは自分たちが生きて帰ってきた記念ということにすればいいと言い、アンカーも自分が生きていないと感じたらヒトデたちを見て思い出すという。自分のために飛び込んでくれた指揮官の為にも心臓が弾まなくても気持ちが弾むように生きていくと誓うアンカーの頭を指揮官がなでる。
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感想
ニケは基本的に人間だったころの記憶を持たない状態で製造され、それが原因で自分は機械であり、生きていないという悩みを持ったアンカーを題材にした個別エピソード。人間の脳を持っていながら、体はすべて機械で構成されており、アンカーの場合は人間にはあるはずのない、レーダーも搭載されている。そんな状態で人間のころの記憶もないなら、自分を生きていないと感じるのも無理のない話だと感じます。そんなアンカーの悩みに指揮官は真摯に向き合い、記憶を取り戻すというアプローチでアンカーは自分が生きていると感じられるようになり、問題は解決したのですが、こんな問題にまた立ち会ったとき、記憶を取り戻すことで思考転換するリスクが大きいとなったなら、どう対応するのが正しいのか難しい問題だと思います。ニケという作品の世界観で、ニケが生きているかどうかという問題に一つの回答を持ったいいエピソードだったと思います。