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【勝利の女神:NIKKE】エーテルの個別エピソードを読みました。

この記事の内容には、エーテルの個別エピソードのネタバレを含みます。


はじめに

私事ですが、私の投稿した記事の閲覧数が合計で1000を超えたみたいで、なんかうれしいです。そのうちの半分以上が、初投稿のレッドシューズの記事だったようで、「OLD TALES」とレッドシューズの話題性の凄さを思い知らされました。


話題は戻りまして、個別エピソードの記事11本目、今回はエーテルです。エーテルについては、M.M.R付属高校関連のイベントで、悪役的な立ち位置にいた印象くらいしかないのですが、実際はどういう人物なのか気になります。

エーテルについて

エーテルのプロフィール

いつも通りまずはキャラ紹介から。エーテルはミシリスのニケで、ミシリスの技術力を借りて運営される中央政府軍のアーク兵器開発部署である、M.M.R(Missilis Military ResearchCenter)に所属するニケ。ニケでありながら研究者であり、マッドサイエンティストらしい。

EPISODE.1地上の病

指揮官が寒気を感じて咳をすると、ラピとアニスが心配してくる。アニスが指揮官の額に手を当てると、とても熱い。いつからこんな状態なのか聞かれると、指揮官は昨日の夕方からと答える。どうやら任務を終えて戻ってきた時らしく、地上でかかったのかと問うラピに、うなずいて答える。首を動かしたことでさらに気持ち悪くなった指揮官。心配そうな二人をよそに指揮官の意識は遠ざかる。目が覚めると指揮官はベッドに寝ていて、そこにはエーテルがいた。目覚めたことに気づいたエーテルは、軽いバイタルチェックをする。

ここはどこかと問う指揮官に、エーテルはM.M.R.研究所だと答える。病院じゃないのかと聞くと、更生館に連れていかれたいのと返される。不思議そうな指揮官にエーテルは、指揮官が地上でかかった病はまだアークで誰もかかったことのない物だから、治療薬開発のためにM.M.Rに来る必要があったこと、そのための研究に協力しなければ更生館に連行されることを説明する。それから、開発中だが、安全性は確保してあるという薬を飲まされる。指揮官はエーテルに病気をうつしてしまうのではないかと心配するが、人間とニケでは脳以外の肉体の構成要素が違うから、ニケ用にウイルスを改良して注射器で注入でもしない限りは、うつることはない、だから自分が担当すると説明し、研究に協力する旨の同意書にサインさせられる。サインをするとエーテルは何かあれば呼び出しボタンを押すように伝え、早く寝るようにと言い残して去っていった。少しして、寝ている指揮官のもとに、部屋のドアの下からメモが入ってくる。そのメモは欠けていて、「PM 11、右端、CASE01、HEL」とまでしか読み取れなかった。指揮官はメモの続きを少し考え、HELPではないかと思い至る。

EPISODE.2右端のHEL

このメモを見た後指揮官は、翌日エーテルに採血や健康状態をチェックされた後、部屋に時計を置いてもらうことと、自分の部屋を出て、同じ階の廊下に出ることの許可を得ることをしたようで、その日の夜の10時半頃に許可をもらった時のことを考えていた。時計と部屋の外に出る許可から、まるで誰かに会う約束でもあるみたいだと言うエーテル。気分転換も兼ねて明日の面談は廊下でするかと提案するが、すぐに自分でも面倒くさいと思ったというエーテル。仕事を辞めたい、でもここはまだマシと呟きながら椅子から立ち上がったところ、エーテルのストッキングが破れる。研究所の一回に買いに行くのが面倒そうなエーテルに、十分行ける距離じゃないかと指揮官が言うが、距離は重要ではなく、その行為をするか、しないかが重要だと返される。結局、偉い人に小言を言われてもいいやと、破れたストッキングをそのまま履くことにして、部屋を去っていった。10時57分になり、メモを再確認する。そして部屋の外に行き、右端の部屋に向かって歩く。右端の廊下から咳をする音が聞こえてくる。急いで歩き右端の部屋に着く。ドアにCASE.01の文字を確認する。中から咳の音とエーテルの声がする。ドアにロックはかかっておらず、そっとドアを押して中をのぞく。中ではベッドに拘束された量産型ニケたちに、注射をしようとしているエーテルの姿が見える。そんなとき指揮官は咳をしてしまい、エーテルに誰かいることを気付かれる。指揮官は背を向けて廊下へ駆け出し、自分がもともといた部屋のドアの前へ行く。そのドアにはCASE.0と書かれていることに気づく。誰もいない廊下を見つめたエーテルは「研究所にネズミがいるのか」「捕まえるべきか…逃がしてやるべきか…」と呟きながら実験室の中へ戻り、面倒くさいと言ってドアを強く閉める。

EPISODE.3in the CASE

翌日、何もなかったかのように健康チェックを受ける。それから昨日の夜に外に出たか聞かれる。どうしてそんなことを聞くのかと問うと、昨日の夜ネズミが一匹いたけど、どこに行ったのか全然わからないので、散歩していた時に見たかと返される。見ていないと答えるとそれで話は終わり、薬を渡される。少しためらう指揮官だがエーテルに急かされて飲み込む。徹夜三日目らしいエーテルは、今日はシャワーして寝よと言って去ろうとする。そんなエーテルにドアの「CASE.0」はどういう意味か聞くと、オリジナルの「O」を「0」と表記したものだと答える。「なんで?」とエーテルに聞かれると、ちょっと気になっただけだと言って誤魔化す。エーテルは余計なことは考えないでと言い残し去っていく。午後三時、指揮官は目を閉じて昨晩の光景を思い浮かべる。ニケ用に開発したというウイルス、それが入った注射器、拘束されたニケたち、CASE.「オリジナル」。指揮官はもう一度あの部屋へ行くことを決める。午後11時になり、また廊下に出て右側に向かう。すぐに一つ目のドアが見える。「CASE.05」と書かれたその部屋は鍵がかかって開かない。右へ行くほどその数字は小さくなっていく。「CASE.04」から「CASE.02」までのドアは同様に開かない。咳がひどくなり、少し立ち止まって息を整える。そこで今日は廊下で咳の音が聞こえないことに気づく。「CASE.01」の部屋に向かいドアを押すと、ドアは開く。部屋の中には、拘束されたニケたちも誰もいない。デスクの上に注射器が散らかっており、それで昨日の光景が夢ではないことを悟る。デスクに近づいたところ、体に銃口が当たる。エーテルにここで何してるのと声を掛けられる。指揮官はエーテルに、ここで何の実験をしていたかと問い詰める。外では指揮官だが、ここでは実験体でしかない指揮官の言葉にどうして従わなければいけないのかと、面倒くさそうに答えるエーテル。指揮官はテーブルの上の注射器をとり、答えなければこの注射器を自分に注射する、ニケ用のウイルスなのでこれを打てば自分は死ぬかもしれないが、そうなればエーテルは責任を問われて困るだろうと脅す。そんな指揮官にエーテルは、シュエンの言う通り面倒くさい人間だと言い、仕方なさげに実験の内容を話すと答える。それからここは気に障るものが多いから場所を変えようと言って指揮官に麻酔銃を撃つ。指揮官はそこで気を失う。

EPISODE.4モルモット

「CASE.0」の部屋で目覚める指揮官。エーテルは指揮官に水を渡す。それから命を懸けるほど知りたいのかと心底面倒そうにしながら、話を始める。この研究所は地上の病にかかったら来るところで、階ごとに種類の異なるウイルスを研究していること。そのウイルスの治療薬開発のため、どんな形をしているか、身体にどんな悪影響を及ぼすか、悪化したらどのように変化し、感染力はどれくらいか、治療薬の製造方法、治療薬による副作用、そういった一つ一つを「CASE」として作り、詳しく研究することで治療薬を開発するのだという。その結果としてオリジナルを無事に治療して無事にアークへ戻すことが目標らしい。その実験にニケを使う理由を聞くと、安く、調達しやすくて、メンタル的に通じる部分があり、言葉が通じることで反応のチェックも容易だから、この世界で生体実験用に最も安く調達できるのがニケだからニケを使っているだけだと答えられる。

自ら志願したニケはいるかと聞くが、当然人間と同じ脳を持つニケが志願するはずもない。ならどうしてと言う指揮官にイラつきながらエーテルはなら何を標本にして治療薬の研究をするんだと答える。それから指揮官に飲ませていた治療薬のできた経緯を淡々と説明するエーテル。それを聞いた指揮官は吐き気を催すが、ゆっくり息を整えて自分が完治すればそのニケたちは治療されるのか聞く。治療するのは効率が悪いから廃棄して新しく買えばいいと言われ、指揮官は治療薬を飲まないと宣言する。それから自分を治療薬のモルモットにしてニケたちを治療するように提案する。その提案にエーテルは面倒くさいと怒りをあらわにする。他人を犠牲にして生き残りたくないという指揮官に人間はもともと他人を犠牲にして生き残ってきたんだと話す。地上の化け物相手に銃一丁だけ持たせて戦いに追いやるのは良くて実験用のモルモットになるのはだめなのか、本当に便利な正義だと言い捨てる。しかし指揮官の提案を飲み、これから一週間、予定していた実験全てを、指揮官をモルモットに実験する、薬が完成したら特別にニケたちも治療すると約束する。それからエーテルはそのくだらない勇気が何回目の実験から崩されるか楽しみと言って、オリジナルのウイルスの入った注射器を取り出し、実験を始める。

EPISODE.5必要悪の深淵

実験が始まり、指揮官が苦痛に耐える日々が始まる。

指揮官が今回頑張って実験を終わらせても、ニケたちはこれからも実験材料になり続けるのに、どうしてそんなに我慢するのかと問うと、これは自己満足にすぎないと答える。それからも過酷な実験は続いたが指揮官は諦める様子を見せない。

そうして実験最終日となり、指揮官の病は、それまでの苦痛が嘘のように消えて完治する。指揮官がニケたちも完治したのかと聞くと、指揮官のおかげでニケ用の治療薬も無事完成したから完治したと答える。

指揮官はエーテルがニケたちに憂さ晴らしをしていないか気にするが、エーテルはしがない社員に過ぎず、ニケたちは会社の公共財だから会社のルールに従って手順通りに始末すると答える。その手順にニケの廃棄がある場合廃棄するのかという指揮官の問いに、実験中に思考転換を起こしていれば廃棄されるだろうが、そうでなければ生き残れるだろうと返す。そして話は終わり、エーテルに治療の感謝をした指揮官は、エーテルにアークまで送られる。アークに着いて、エーテルはむやみに足元を覗こうとしないで、偽善の楽園で幸せを享受するように言うが、指揮官はイヤだと答える。永遠に秘密にし続けることは不可能だという指揮官に、知ったところで人間は「必要悪」だと言って知らないふりをするだろうと答える。それからエーテルは、次は指揮官が不治の病にかかってきてほしい、自分の命の価値が落ちて脅迫の手段に使えなくなった時に、それでも指揮官の正義が人間の本能に勝ち、この「必要悪」を思い出さないか知りたくなったと続ける。

別れ際に渡し損ねたものがあると、メモを投げ、立ち去ろうとするエーテル。そのメモを広げると前半部分がちぎれた紙に「P。7号。私の実験体になってくれるよね?あなたは正義の味方だから」と書かれていた。研究所でもらったメモとつなげてみる。
「PM 11、右端、CASE01、HELP。7号。私の実験体になってくれるよね?あなたは正義の味方だから」
エーテルの方へ振り返る。エーテルは手を振って去っていき、指揮官もその場を去る。

感想

ニケという作品における「倫理観」を題材とした個別エピソード。昨日ウンファの個別を読んで、「予定外の変数により命を脅かされた量産型の訓練生たちを、ルールの中でどうにか助けようとする」姿を見たばかりなのもあって、ニケの本来受けている扱いを思い知らされた気がして心が重たくなりました。人間が生きるためという大義名分のもと、人間と変わらない脳を持ち、思考する、しかし道具として扱われるニケを生体実験に用いるというのは、現代の人間が動物を生体実験に用いているようなものであり、こういった問題は現代でも、時折倫理的な問題として取り沙汰されることがあるように思います。指揮官の正義感からくる自己犠牲によって今回はニケたちも治療されることになりましたが、こんな方法が常にできるわけはありません。それに加えて薬のための生体実験のモルモットというのはどこまで行っても倫理問題が付きまとうものだと思います。仮にニケの代わりに地上から動物を捕まえてくるとしても、ニケはだめで動物ならいいのかという風に。そういった解決不可能な倫理問題に対してどう考えるのかということを問いかける、そんな意図のある個別エピソードなんじゃないかと思います。


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