ライブハウス
私は某ライブハウスで
ドリンクスタッフをしている。
「ドリンクスタッフ」というのは
ライブハウスにやってくるお客様と必ず1度は対面するポジション。
ライブ前のお客様へは
「いってらっしゃいませ」の気持ちで送り出し、
ライブ後、またその最中のお客様からは
興奮や熱をヒシヒシと感じ取る事ができる。
未だ公演ごとに掛かる規制に違いはあるが
「マスク解禁」と政府が発表してから
マスク着用が必須では無くなった事により、
ライブハウスに表情が戻ってきたのを直に感じた。(まるでバンドマンのような事を言っているのは承知だが...。)
コロナ禍では見えなかった光景が多々見え、
「皆が数年頑張ったからこの光景がまた見えたのだな。」とライブにやって来た人々の姿を見ながら私は涙が出そうになった。
―開演前―
前のめりになりながら
真剣な顔をした整番が早いお客様。
開演前にやってくる笑顔が素敵な
少し大人な夫婦。
自分より背の高いバーカウンターに向かって
「あれが飲みたい!」と声を発してくれる子供。
「ありがと!これで美味しいお酒が呑めそう!」
そう言ってくれる若い兄ちゃんやおっちゃん。
―(転換中)―
館内でお酒を飲みながら語り合う人々。
大量にかいた汗も目に見える。
また、館内ではダイバーと思われる人が
裸足で靴を探し回っているではないか...。
(この光景もとても愛おしい)
―終演後―
興奮のせいか、ジャンプをしてたり
口を大きく開け浸っている人々が見える。
「ありがとう!」と笑顔で伝えてくれる人々。
熱を持ちながらハァハァと急ぎ足で
「これください!」とやってくる人々。
マスクが無くなったことで
伝わってくる声、表情、体感する熱
私にとってこの全てが本当に愛おしい。
ここにいるみんな音楽が好きで
音楽に愛されている。だから戻ってこれた。
そう思うと皆が仲間のように思えてくる。
音楽は本当に素敵だ。
人々をいきいきと生かさせてくれる。
そしてこんな素敵な場所で働けて幸せだ。
そして私は今日もライブハウスへ向かう!