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悩みの源流は忘れられた原体験の中にある。という話【後編】

自分自身がなぜ悩んでるのか?
結果として「解らない」という答えを基に源流をたどる旅の話の後編です。

前回までの相談者との”はじまりの書”はコチラ↓↓↓

前回は仕事の相談から始まり、その中で感じた”ノイズ(違和感)”の基が何であるかを相談者と一緒に探す旅の始まりまでを描きました。

本日はその旅の中身を描いていこうと思います(=゚ω゚)ノ

3、目の前の悩みが原因だとは限らないという”気づき”

初見で感じたイメージの中で、ポテンシャルに溢れた若者の中にある僅かな違和感を頼りに、二人でその源流をたどる訳ですが、いきなり本題に突入しても本人でも記憶にないレベルのところに原因があったりするので、まずはその”輪郭”をなぞる所から初めていきます。

簡単にいうと”どんな人生を歩んできたのか?”という事です(=゚ω゚)ノ
思い出をアルバムを見ながら懐かしむ感覚で対話形式で行っていく、これが原体験を探る私の方法です。

一般的なお仕事相談では、この辺りをせずにいきなり仕事に対してのクロージングに入ってしまうパターンが多く見受けられますが、それでは根底にある違和感は取れず、同じことを繰り返すリスクが増します。

また、仮に上手くいったとしてもそれが原体験を凌駕するものでなければその先で同じ事で悩む事に陥りやすくなります。

悩みや不安は、ただ目の前の事に対しての感情の揺れ動きだけではなく、なぜその思考が生まれ、悩みにまで成長するのかの原因を理解する事が重要だと感じています。

そしてその原因となる事象の中に、もう一人の自分がいたりするのです。
これが私の中での、原体験を探す旅、もう一人の自分を迎え入れる為の活動だと思っております。

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4.自分でも覚えていない記憶の中の感情の振れ動きの中でうまれた”違和感”の中にいたもう一人の自分

前述したように、原体験を探す旅はアルバムを見返すように少しずつ自分自身を振り返っていきます。

「こんな事してたっけぇ!?」

と思わず笑ってしまう思い出や、それと同時に思い起こされる五感で体感した刻まれている感覚が蘇ってきます(=゚ω゚)ノ

こうして相談者と色々な事を振り返り、時には思い出しながら進むこと幼少期、小学校3年生のタイミングで足が止まりました。

景色はとあるワンシーン、相談者が少年野球に夢中になっていた頃の光景です。懐かしそうに笑いながら話していましたが、そこでの重要な写真が一枚足りないような違和感を感じていました。


何かがあったけれども何があったのかは思い出せないから大したことではないと言う相談者のリアクションで、ここに悩みを起こした原体験の源流があると確信したのです。

ここで重要なのは、解ったからと言っても一気に突き進むのではなくゆっくりと映写するように呼び起こす事が重要です。焦ると記憶は塗り替えるという行為でごまかされてしまうので、ここは少しずつ歩み寄る必要性があります。

「野球ではどこのポジションをやっていたんですか?」
「チームメイトの中ではどんな存在だったんですか?」
「野球を始めたキッカケはどんな事があったんですか?」
「学校でもそのメンバーとは一緒に遊んでたんですか?」
「途中でクラス替えとかはあったりしたんですか?」

様々な会話を繰り広げていく中で
「途中でクラス替えとかはあったりしたんですか?」
という質問で一つのキーワードが浮上しました。それが

「クラス替えは無かったけど他校との合同練習に途中で変わった」

という所で少し流れが変わったのを感じました。
核心に迫ってきました!もう少しで背中が見えそうです。

私:「そうなんですねぇ。一緒に練習した事でまた刺激が増えてワクワクしたんじゃないですか?」

相:「いや、そうでもなくて…なんか向こうの上級生の気に障ったのかあまり上手く馴染めなかったんですよね…」

私:「なんと!?積極的で元気なタイプだと人気がでそうなもんですけど…何かした記憶とかありますか?」

相:「いや、特に何をしたわけでもないですが、積極的なところが気に入らなかったのかもしれんですね…そこからはあんまり楽しく無くなったんですよ。まぁ飽きたのかもしれないですね(笑)」

いかがでしょう?この会話の中に相談者が気にもしない事でも今後の行動自体を大きく変える出来事が起こっています。

それが”環境の変化でこれまでの安心や安定が脅かされる”という出来事です。

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5.その当時は解らなくてもその後の経験で”原体験”も成長する

私:「そこです!」

と言うと相談者は驚いていました(笑)そりゃそうです。本人からしたら小学校時代の忘れていた記憶なので。そしてその当時は”大したことない”と片付けた感情だからです(=゚ω゚)ノ

しかし、時が経つにつれて経験も増え身も心も成長をするように、原体験もまたその時の経験をもとに成長します。

何が言いたいかというと、今回のポイントは

”これまで楽しく過ごせていた場所が、外的要因で失われる”

という事です。

その時はそれ以上の事も起こらなければ、飽きたからつまんないという感情で手当てされましたが、大人になっていくにつれて”外的要因”はどんどん増えていきます。

中学校では思春期もあって女性との関りが小学校よりも減りました。
高校では女性と一切からまなくなり、仲のいい少数のメンバーと過ごし、
大学では馴染める環境が見つからず中退をしています。

そして社会に出てからも仕事には集中できても、どこか自信は取り戻せずに迷いながらも本来のポテンシャルに頼って仕事を着実にこなしては、環境が変わらないように自分の居場所を確保しようと必死になっていたようです。

相談者の能力であれば更に新しい技術や経験、更にはそれら学んだ事を活かして環境を変化させていける積極性が最大の武器なのですが、原体験で刻まれた積極性を出した結果、安全が損なわれてしまうという経験がひっかかり本来の”積極性”が発揮できなくなってしまっていました。

原体験とは、自意識では判断できない経験と感情に刻まれたものだと思っています。

それを呼び起こしカタチにする事が、本来の素材のポテンシャルを発揮するキッカケとなり、更なる成長のスタートラインだと思っています。

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【まとめ】

原体験を探す旅とは、自分では忘れてしまっているような経験が、実は成長の過程では大きなターニングポイントになっている事が多いです。

本来の自分が、外部からの衝撃により二分化する事で別の人格を形成し、その人格で更なる経験を積んでいっている方がほとんどです。

そのままでも上手くいく方ももちろん大勢いらっしゃいますが、そのターニングポイントで変化した内容が自分にとっての人格形成に大きく関わっていればいるほど、その後の人生の決断の度に顔をのぞかせては気付いてくれるのを待っています

今の世の中を生きにくくしているのは、環境や外的要因もあるのは確かですが、道中でもう一人の自分とはぐれてしまっている可能性も同じように高いという事を再確認できる貴重な経験だと感じております。

悩んでる事への”答え”がわからなくなり、自分自身すら見失いそうになって苦しんでいるならば、一緒にその源流を辿って答えを探すお手伝いができ、本来の自分自身のポテンシャルを取り戻すキッカケになれる事はこれ以上ない幸せな事だと思っています。

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