【宗教2世が語る統一教会】全国霊感商法対策弁護士連絡会が会見 文字起こし③【質疑応答】
46:30頃から再開
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ニコニコニュースの記者会見が会見主催からの要望により一時的に非公開になっております。上記の動画は公式のリンクで無いことをご容赦ください。
2022年7月12日に行われた全国霊感商法対策弁護士連絡会の記者会見の文字起こしです。司会進行中の事務的な会話やマイクトラブル、また不要なつなぎ言葉など一部を省略しております。
また、この声明は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の田中富広会長の「安部首相銃撃事件にに関する報道を受けて」で行った記者会見に対する抗議声明という意味合いが非常に大きいものです。
下記動画をご覧になってからお読みいただきますと、一連の流れの把握が十全になると考えます
Aさん(匿名)への質疑応答
信仰離脱後の統一教会側のアクション、母との関係
本田記者「ジャーナリストの本田正和と言います。週刊金曜日などに書いており今回もそのための取材です。学生時代から以前は朝日新聞の社会部記者として勝共連合の時代からリサーチをしております。Aさんのお話を聞いて胸が詰まる思いですけれども、2013年に日本に帰ってきてその後信仰から離脱したという趣旨のことをお聞きしましたが、その後現在に至るまで統一教会側からアプローチとか追いかけてきたとかそういうことがあったのか、そしてもしあった場合どのようにしてご自分を守られてきましたか。それから聞いてよろしければ、お母様は今どういう状態にあるのか?よろしくお願いします」
Aさん「私の場合は、協会が私を追いかけてきたということはありませんでした。ただ母が信者ですので、母を追いかけてくるということがありまして、実は私が駄目だと思った(信仰をやめた)時点で母は娘たちいわゆる孫に矯正をし始めました。それを私は阻止したかったので警察に相談しに行きました。警察の方でストーカーやDV、児童虐待などいわゆる住基閲覧制限をかけるための申請をしたいということを相談に参りましたらとても同情してくださいまして、判子を押してくださり、自治体の方にそれを提出し、今は母との縁を切って生活しているという感じです 」
統一教会への献金(お布施)の内実、選挙活動の手伝いなどの事例があったのか
望月記者「東京新聞の望月と申します。2点なんですけれど、お布施的なものをかなり若くして結婚された上、再婚もされたことでお布施的なものは個人的にどのぐらい協会側に出したのか。それから今回の被害者のお母さんも含めて、旧統一教会系は選挙などで、いわゆる動員、戸別訪問したり街宣活動の場に行ったりとか、それから電話をかけたりはがきをかけたり、非常にその自民党議員がなぜ使うかというのを理由に積極的にそういった活動に関わってくれるということへの期待が大きいときます。具体的に同じようなことで、選挙活動の手伝いをしたようなことがあるかっていう点もお願いいたします」
Aさん「まず献金の話でが、10分の1献金は基本です。その他に協会系の例えば絵画展ですとか、宝石店の物を買わされたりということはありましたが、私自身その後韓国に渡ってかなりの極貧生活を送っていましたので、協会に献金できる状況ではなかったということがあります。ただ、母は壺を買ったりいろんな大理石のものを買ったり印鑑を買ったりはしていたようでした。また選挙のことなんですけれども、私達にはメールで自民党の誰々に今回は入れてねということがありましたけど、実際に選挙活動に参加したお手伝いをしたということはありませんでした 」
紀藤弁護士「今の点を誤解がないように説明すると、日本の統一教会と韓国の統一教会は主幹が違うんですね。韓国の統一教会は先ほど今説明されたように、日本人と違うって別扱いなんですよ。日本の統一教会においては、いわゆるノルマとか霊感商法の商品を購入するノルマであるとか現金のものは非常にきついんですけども、韓国ではそこまで要求をされないという前提があるということでご理解ください。ですから合同結婚式は最終局を受けられて、韓国主幹に変わってるっていうのが、ポイントだと思います。日本主幹のお母様は相変わらず金銭提供を続けているということだろうと思います。それでよろしいですよね? 」
Aさん「全くその通りです」
Aさんが山上徹也容疑者を理解できる部分について
倉岡記者「NHKの倉岡と申します。Aさんにお聞きしたい点として、先ほど冒頭にお話いただいた中で、犯人のしたことが許せない、擁護できないけれども心情として理解してしまって苦しい心情だとおっしゃられていたと思うんですが、なぜ安倍元総理の殺害に向かうのかという点について、なんとなく想像はできるんですが、改めてAさんの言葉で統一教会や思うところをお聞きしてよろしいでしょうか」
Aさん「私は犯人ではないので彼の心情ははちょっと分かりかねますが、私の中で統一教会=安倍元総理という考えは全くありませんでした。」
倉岡記者「教会=安倍元総理というのは無かったけれども、安倍元総理への殺害というのは理解できてしまうという苦しい心情があるというところ、それは何故そう思われるのでしょうか」
A「安倍総理にではなくて、教会を、まず教会を恨んだその先が安倍総理だったわけで、いわゆる彼の本質的な恨みは教会に対する恨みなんですよね。おそらく。そういう意味では理解できるということです」
連絡会と知り合うキッカケ、姉妹の状況
カワシマ記者「弁護士ドットコムニュースのカワシマと申します。本日はありがとうございました。年齢の確認なんですが結婚された年から、計算すると今40代ということでよろしいでしょうか」
Aさん「はい、そうです」
カワシマ記者「今も悩んでらっしゃる宗教2世の方は沢山いらっしゃると思うんですが、どうやってこの弁護士の先生たちと繋がれたか、あと3人姉妹ということだったんですがご姉妹の形はどうされているのか、聞かせていただければお願いします」
Aさん「私は脱会してからブログの方にいわゆる私の体験を書いておりました。それを通じて山口先生と知り合うことのきっかけになったと思います。現在は本も出しているので、そこら辺での繋がりで参加させていただいております。それと兄弟は、一家離散状態です。統一教会の信者である母から逃れるために、全員を隠しております。兄弟同士でも1人は連絡取れていません 」
政治家が宗教団体にメッセージ(エール)を送ることについて
ハルナシ記者「毎日新聞のハルナシと申します。先ほど山口先生からは、こういう話があったんですが実際にですね、統一教会の被害に遭った方として統一教会を政治家がエールを送るようなことをするというのは、今どういうふうに見えますか」
Aさん「いわゆる政教分離ということが言われていますけど、結構ズブズブなところが多いんだろうなと思いますし、統一教会でなくとも、いわゆる宗教がらみの政治家政党は実際に存在していますし、ここのところをはっきり分けないといけないとは思っていますが、なかなか難しい問題なのだと思っています」
ハルナシ記者「先ほど先生方の解説によると、統一教会は自分たちの組織を守るために政治を利用しているという解説があったんですが、そういったものにもし政治が利用されてるのであればもしくは政治家側から教団の方に近づいてるのであれば、それは被害に遭った方としてどういうふうにお考えになりますでしょうか?」
Aさん「例えば私なんかはゴルバチョフと会った教祖の写真だとか、金日成とあった教祖の写真などを見せられたことがあります。そしてやっぱりそういう大物政治家に通じているんだイコールやっぱりこの人はすごいんだ、この人はメシアなんだ、といういわゆる一つの動機付けにはなると思います」
山口弁護士「今指摘された写真は、会場後ろにある写真集に載っています」
統一教会がどのように大物政治家を利用してきたか
横田記者「フリーの記者の横田一と申すもので、今の質問に関連して、ゴルバチョフさんなんかと同じように、安倍元首相とか岸元首相ら大物政治家をどう教団が利用していたのか、お墨付きを与えて活用してきたかについてお伺いしたいです」
Aさん「先ほども申しましたけど、そういう大物政治家と教祖が繋がっているんだっていうんことに関して、なかなか大物政治家と繋がれるってことは普段ないですから、やはりそういうものを見せられると、やっぱりすごいんだ、やっぱりメシアなんだっていう思いにさせられてしまうっていうのはあると思います」
山上徹也容疑者が凶行に及ぶ前に救えなかったのか、他の宗教2世、3世の方々に呼びかけたいことはあるか
北野記者「朝日新聞の北野と申します。山上容疑者のしたことについては同情の余地はないかもしれないですけども、ただ非常にお母様が信者であるというところが、自分の人生がもうかなり滅茶苦茶にされたというところは、共通すると言ったらなんですが、そこで山上容疑者が犯罪を犯す前にですね何らかの救い、こういったあの弁護士の先生や、救出グループなどに繋がれなかったことをAさんはどのように思いになるか。今も悩んでいる宗教2世、3世の方、たくさんいらっしゃる方々にどういうふうに呼びかけたいとかんがえているでしょうか」
Aさん「一番初めに申し上げたいのは、このカルト問題って触れてはいけないものと捉えられてる部分ってとっても大きいと思うんですね。 だから友達にも相談できない、親はまだカルトにいる、誰にも相談できないっていうのが、今の2世の状況なんてはないかと思います実際私が韓国から帰ってきたとき、どこにSOSを出したかというと、いのちの電話でした。 それくらい相談する場所がなかったんですね。 これを契機にそういう相談する場所、2世が駆け込めるような場所っていうのは本当に必要なのではないかということはつくづく感じています」
北野記者「具体的に2世の方にどういう風に呼び掛けたいかというか、どうしたらいいか分からないでいる2世の方がどこかで孤立しているとして、Aさんの立場からどういう風に呼び掛けたいとお考えでしょうか。」
Aさん「ここにいる弁護士の先生方もそうですがジャーナリストの方の中でも、この統一教会の問題にとても尽力されている方々もいらっしゃいますし、実際にいわゆる家族の会という相談できる場所もあったりしますので、やっぱり、当事者本人にしかわからないこと、つらさっていうのは、あの存在するので、できたらいわゆる同じ体験をした人たちと交流するのはとてもいいことなのではないかなとは思っています」
田中富広 旧統一教会会長の記者会見の感想
松谷記者「キリスト新聞社の松谷と申します。昨日の田中会長の会見をもしご覧になっていたらその感想をお聞かせいただきたいと思います」
Aさん「私は仕事をしていたのでニュースでしか見れなかったんですが、やっぱり何て言うんですかね、嘘ばっかり言っているなあっていうのはとても思いましたね。例えば現金にしても何にしても、信者がいわゆる自らの気持ちでやっているとか、強要はしていないとかっていう言葉を聞いたときに、本当に血圧が上がる思いでした。そんなことは一切なく、いわゆる地獄に行くとか、天国に行けない、そういう脅し文句を使いながら献金をさせているのは事実なので、とてもまた何かうまく、なんていうんですか統一教会に操られてるリーダーだなという印象を受けました」
宗教2世は統一教会会員に必ずなるのか、ならないまま影響を受けるケースがあるのか
藤倉記者「やや日刊カルト新聞の藤倉と申します。昨日の統一教会側の会見でですね、山上容疑者の母親が信者だったことは統一教会認めたんですけれども、山上容疑者自身については、信者ではなく会員にはなってなかったというようなことを統一教会側は言ってたと思うんですが、あの2世の問題っていうのはその会員になってるかどうかってほとんど関係なく、やっぱり親の影響というのは、いずれにせよ受けるんではないかと思うんですけれども、ちょっとそのあたりについて簡単で構いませんので、会員になってない場合でもどういう影響を受けるのかとか、あるいはその子供というのは会員に必ずなるのかならないまま影響を受けるケースってのがあるのかというような辺りもちょっと説明をいただければと思います。
Aさん「先ほど私は三姉妹と申しましたが、教会に引っ張られたのは姉と私で、一番下の妹は、唯一引っ張られなかった人間です。幼い頃いわゆるまだ私も高校生だったんですが、その親の助けがないと生きられない年齢のときに、親を拒絶して断るというのはなかなか難しい問題があります。それは子供にとっては命に関わる問題だからです。要は親にあなたはこれを信じなければご飯あげませんとか言われてしまったら、子供としては生きていくすべをなくしてしまうわけですよね」
おそらく山口弁護士「言われるの?そんなこと?」
Aさん「言われますよ。なので、やはり従わなければならない家庭環境に状況に置かれてしまった人たちがほぼたくさんいると思います。妹はそれを蹴って出ていったんですけど、それだけの強さを持ってればいいですが、それができない子たちっていうのは、否応でも、親の言うことを聞いて育つしかない。それは統一教会に限らず、カルト2世と呼ばれる人たちは全てそういうような理不尽な生き方を強要されてきたとは思っています」
安部元首相や岸元首相の写真などは見せられたのか
発言者不明「もし引用する場合趣旨を取り違えてはいけませんので確認だけさせてください。先ほどフリーランスの横田一さんの質問は、阿部さんや岸さんの写真を見せられたのかどうかそのことについての質問だったんですが、Aさんのお話は、ゴルバチョフや金日成の写真を見せられたら、やっぱりメシアだすごいという感想を抱かれるということですが、過去に安倍さんや岸さんと教祖が握手している、あるいは統一教会の幹部が握手してたり祝福を受けたりだとか、そういう姿のあの写真をご覧になったことを見せられ見せられたことはあるのでしょうか?」
Aさん「岸さんはあります。実際教祖がひざまずいて座っている写真っていうのは見させられたことがあります。ただ、安倍元総理の場合は、祝電が来たっていうような形でしか、聞いていません」
山口弁護士「それはどういう場所で来たの」
Aさん「いわゆる今回隠れ蓑みたいになっているその統一教会とは違う団体、友好団体というふうにおっしゃってましたけど、その団体の要は大会でですね 」
次回は全国霊感商法対策弁護士連絡会への質疑応答をまとめます