一般男子校生VSハイスクールマンザイ レポ
モンジュノチエ中村です。ハイマンの調べ物をした時思ったより情報がなかったので、惨敗ではありますが筆を取らせていただきます。
成り行き等も書いていますので本番(準決勝)の情報だけ得たい方は『準決勝!』まで読み飛ばし可能です。
始まり
漫才って、カッコいいですよねえ〜。
自分は物心ついた頃から頭のどこかにはお笑いがありました。ガチの幼少期からドリフターズを見せ続けた我が親渾身の教育の賜物でしょう。
だからかわかりませんが、小学校5年生の頃にはM1出場を夢見ていました。学校でコントやって滑ったりもしました。しかしなかなか一歩を踏み出せず、小学校を卒業していきました。
転機は中3の頃、クラスで今の相方を見つけた時です。どこでかは覚えてないんですが、彼はなんだか立ち振る舞いにオーラがありました。
うちは中高一貫なので高校にも一緒に進学し、たまたま再び同じクラスになって宿泊行事で同部屋になった時に、なんかすごいノリが合ってしまって。
もう彼しかいないとなって、翌々月くらいに結成を持ちかけました。
コンビ名は相方の脳内に浮かんだ『モンジュノチエ』に決定。
結局その年はほとんど活動できなかったのですが、その次の年に彼から「今年はやらないの?」と声をかけられ、「やったるか!」と元気よく返事。標準をひとまずはとハイスクールマンザイに定め、参加したといった感じです。
予選
この大会は予選が動画審査で、4月、5月、6月(追加で7月)ごとに審査が行われ準決勝に進出する人が決められます。ちなみに何本でも応募できます。
しかしモンジュノチエは最大の泣きどころ、スケジューリングに苦しめられます。
自分はテニス部、相方は剣道部なのですが、平日の練習日程がまるで違うのです。また、4月は実力テスト、5月は模試と中間テストが待ち受けており、相方の体調不良も相まって最初の2回分は撮影することすら叶いませんでした。
なんとか6月第3週の日曜日、初めて集まって撮影を始めました。しかしまたしても問題。ネタが覚えられないのです( ; ; )
そもそも漫才を撮るタイミングが1回しかないのが大きな間違い。ましてや初めてで緊張します。
なんとか一回だけ通せましたが、テンポも早く、声も小さく、解散後は自分はこれは落ちるな、としか思ってませんでした。
7月分に出すと予選が旅行の日に確定してしまうのでもうチャンスはありません。終わった…と脳内で呟き渋々提出した2週間後。
受かった!!!!
受かってました。驚きです。校舎を2周しました。
披露に向けて準備
準決勝に進むにあたって、ネタの改善が必要なのは自分たちが1番分かっていました。予選のネタ、まあ『ヒッチハイク』って言うんですが、人に見せられるものじゃありません。
自分は去年の挫折時からネタを暇な時にちょくちょく書いてはいたのですが、はっきり言って披露できるレベルに達しておらず、なんとか結構マシな方だったものをチョイスしました。『タイムトラベル』です。
…いやまあ題名ポンと出しても特に意味はないんですけどね?!わかりやすくするためです。
原案の時のこのネタは結構ニッチすぎてわからないしついでにおもんないと言うものが多く、自分の面白くないポイントに気付かされ若干自信をなくしましたが、もう後戻りできないためなんとか改良を重ねます。
去年のハイスクールマンザイを見てネタの傾向をチェックしたり、プロや大学生のネタを見て間の取り方を研究したりしました。そしてやればやるほど思い知ります。漫才って、ほんと難しい!
それと前回苦しんだスケジューリングの問題ですが、今回は準備期間が夏休みと重なったこともありかなり楽になりました。練習の日程に限れば。
どう言うことかというと、本番の日程が合宿と被ってしまったのです。結局自分は漫才の大会という前代未聞の理由で合宿を途中離脱し、山中湖-新宿を余分に往復する羽目になりました。
相方は東京で合宿でしたが顧問が厳しく、出場は認められましたが合宿の前半は休み&選手登録取り消しという厳罰を喰らいました。本当に良かったんだな…?
『タイムトラベル』は本番数日前まで微調整を続け、なんとか覚えきって本番を迎えました。
準決勝!
準決勝です。前日は東京で相方と一泊し、翌朝9時半ごろ電車で会場の越谷レイクタウンへやってきました。
ここで一つびっくり。レイクタウン、広すぎる。
念の為早めにレイクタウン駅に着いておいたのですが、会場となる木の広場が駅から1番遠い建物に位置しているためそこそこ歩く羽目になります。
さらに悪いことに、持ち物に指定されていた筆記用具を忘れるというシンプルな失態を犯してしまったため、私は1人でさらに奥のミニストップまで足を運ぶことになってしまいました。まあ、なんか使わなかったんですけどね。
広場に到着すると受付の人がいたので、コンビ名と氏名を伝えました。
ピリピリしていたわけではないですが、結構皆さん緊張していらしゃったのか、顔がこわばっていた人が多かったのが印象的でした。
自分はなるべく紛らわそうと意識的にヘラヘラしてました。別に吉とも凶とも出ていません。
全員揃うと説明がはじまり、出順が発表されました。モンジュノチエは…
2番!!!早〜〜!!
はい。早かったですね。まあしょうがないので受け止めました。
ちなみに本部の方は厳正なる抽選とおっしゃっていましたが、おそらく合格した月ごとにグループ分けされています。
6月組→5月組→4月組というふうな出順になっており、そのグループ内の順番のみが抽選というように感じました。というかほぼ100%そうでした。
ここで4、5月にぐだった事が裏目に出てしまいましたね。まあ終わってから考えたら後に出ていたら埋もれていた気もしますが。
説明が終わると裏側に通されます。裏側は人数分強の椅子が用意されていて、多少のネタ合わせができるくらいのスペースもあります。
裏に来てからは流れの確認が行われ、終わるとしばらくセンターマイクを前にした練習ができる時間が与えられます。
自分たちは立ち位置や声の拾われる範囲を確認しました。意外とちょっと離れるだけで声って小さくなってしまうんですね。
本番開始!
いよいよ本番がスタートです。MCのコットンさんの声がしはじめます。
実は裏側、ステージで起きていることが何一つわかりません。
声が出ているか出ていないかくらいしか伝わらないのでコットンさんがどんなことを話されたのかはわかりませんが、結構ちゃんと喋って下さっていました。さあどう始まる…と思っていると、
出囃子!
めっちゃ急にはじまりました。裏からは兆候が見られなかっただけかもしれませんが、トップバッターの方が勢いよく飛び出していきました。
誰もまだ出ていない舞台に先陣を切って飛び出したお二人が本当にかっこよかったです!
このコンビは途中でネタを飛ばしてしまったのですが、その時の観客席からの『頑張れー』という声援は本当に印象的でした。なんて温かいお客さんなんだろう、と勝手に少し安心。
トップがネタを終えました。ついに我々の出番です。トップのコンビと入れ替わる形でマイクの前へと飛び出しました。
モンジュノチエは人に漫才を見せたことがなかったため、正直ウケるのかどうかの感覚もなく、とても心配していました。というかまず飛ばさず言えるのかどうか。目の前で1組失敗してしまった空気感に飲まれてしまうのではないか。色々緊張していました。
先述の通り、今回披露したネタは『タイムトラベル』。
タイムトラベルが当たり前だと思っている相方が自分をタイムトラベルスクールに誘い、入会するもそこがめちゃくちゃだった、というネタです。恥ずかしいので台本は載せません…
今回課題としていた声の大きさ、マイクの収音範囲を意識した動き、そもそも飛ばさないなどはおおむねできていたかと感じます。ドキドキしながらも楽しんで
3分間が終了。体感では少しテンポが速くなってしまったかのように思えましたが、ひとまずやり切ることができました。
そのまま前半が終わります。言い忘れてましたが少なくとも関東では準決勝が前半と後半に分かれています。
そうしたら前半に出たコンビは一回全員舞台に上がってコットンさんによる軽めのインタビューを受けます。“平場“ってやつです。
ここで、私は2つ失敗を犯します。
まず一つ、用意がほとんどなかったこと。ネタに尽力するあまり、受け答えやボケの持ち手がなく、当たり障りない会話に終始してしまいました。最後に「早口になってしまったので次やる時あれば、」の後にめっちゃ早口で喋る、という刻んで香りを引き出した消しかすようなボケを敢行しました。なんとか拾ってもらえもしたのですが、普通にミスったと思われたのかややウケでした。
次に、その場を自然に乗り切ろうとしすぎたあまり、なんと相方にマイクを持たせることができませんでした。これもノープランが産んだ連携ミスです。後普通に思い出を一つ奪ってしまいました。本当に申し訳ない…
不完全燃焼のままインタビューを終え、裏に引き返しました。ただ、体感ではありますが前半ではモンジュノチエは悪くない立ち位置にいると思ったので、ここまでは割と自信もありました。
そう、ここまでは。
先ほどお話ししたとおり、準決勝はまず合格した月が遅い人から漫才をします。それすなわち、後半のレベルは前半とは全く異なるという訳です。
後半組は、ほぼ全組ウケていたと思います。姿は見えず声も聞こえにくい裏にも鮮明に届くネタと笑い声。特にM1予選やハイマンで既に若干名が売れているコンビは圧巻のパフォーマンスでした。
後半とそのインタビューが終わると、最後は全組が舞台に上がります。結果発表です。ただしその前に少し特技等を披露する時間があるという話がありました。平場の延長戦です。
しかし困った、モンジュノチエにはそんなボケをする勇気もストックもありません。いつかライブ出る時のために考えとかないとダメですね。
ここで輝いたのが、低学歴ブラザーズさん。
彼らの特技は『外国人の名前を言うとその顔ができる』と言うもの。片方がハーフみたいな顔つき(実際にハーフかは不明)であることを生かした技です。
早速コットンさんが叫びます。『〇〇〜!』
するとハーフ顔の方がキメッキメで客席の方を向くのです。これで大ウケ。
いや〜、文字づらじゃ面白みが伝わりづらいのが残念ですが、その後の何回も含めて本当に受けていました。低学歴ブラザーズさんはその前のトークのフェーズでも『片方が高学歴でもう片方は低学歴』『低学歴の方が勝つ自信ある』といったように自身の境遇に絡めた勢いもありつつ巧みなトークで会場を沸かせていました。評価の材料になったのかもわかりません。
そしていざ発表の時。コットンさんが紙に書かれた文章を読み上げます。
関東大会を勝ち抜いたのは…
低学歴ブラザーズ!!!!
おめでとう!!!
こうしてモンジュノチエの夏は終わりました。
今回の準決勝は、下馬評的には先ほど話した名の売れているコンビ(2組いて、そのどちらか)が決勝に行くのではというような戦いでしたが、低学歴ブラザーズさんが決勝に駒を進めました。ネタ見たかった〜!
のちに聞いた話によると、勢い強めのはちゃめちゃ漫才だったらしいです。コットンさんにも「初期のフースーヤ」とか言われていました。そっちの方が高校生らしさもあっていいのかもしれませんね。ちなみに低学歴ブラザーズさんも後半組でした。
後半の雰囲気から察するに、モンジュノチエのネタは反対に勢いがないし口調も弱いし構成もイマイチでした。テスト終わってから「あそこ勉強しとけばよかった!」ってなるみたいな気持ちをこんな所で味わうとは。
最後はネット掲載用にみんなで記念撮影をして解散となりました。
その後は希望者は審査員の作家さんにアドバイスをいただけるということでそちらに向かいました。
被せた方がいいボケ、ずらし方、ボケの方向性などいくつかの助言をいただきました。自分なりに咀嚼して今後のネタづくりに活かせたらなと思います。
終わりに
こうしてモンジュノチエのハイスクールマンザイへの挑戦は幕を閉じました。
はっきり言って悔いは残りましたが、元々ダメ元で提出した動画から始まったと考えれば、やれる全てのことをやった結果なので、清々しい気持ちもあります。
こうやって書いているとますます悔しさが増幅します。
ネタの内容以外で反省点を挙げるとすれば、平場の用意がなかったこと、それと人にネタを一回も見せずに本番に臨んだことですね。余裕なかったですが、ガツガツやるんだったらライブとか出ておくべきでした。
来年はもう受験シーズンに突入するので高校で漫才をやるのはこれが最後かもしれないですが、自分は大学に入ったらお笑いサークルに入るつもりなのでそこでまた頑張ろうと思います。でもできれば今年のM1出たいなあ…
それと、高2の夏とかいうそこそこ大切な時期に1ヶ月以上にわたりガチで漫才に付き合ってくれた相方には感謝してもしきれません。皆さんも友人を誘って漫才をする場合は、本当に相方に感謝して方がいいですよ。青春の一部を自分の好きなことに注ぎ込んでくれる友人なんて何よりも尊いのですから。