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Tracktown SHIBUYAからTracktown JPNへ。その4

昨日はTracktown JPNの第二回を収録したのですが、外出自粛期間となったので、リモートでの収録がデフォルトとなりました。自宅からfacebookのメッセンジャーを使いテレビ電話でつなぐというスタイル。

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ダイニングテーブルスタジオで収録したものを、文化放送に送り、編集と調整を加えてアップロードされるという仕組みです。しばらくはこのスタイルで収録していくことになるでしょう。おかげで配信技術のスキルが出演者全員が高まってきてまして、これから、ライブ配信を使って、いろんな場所からコンテンツを配信することができそうです。

さて、昨日は「渋谷のラジオ」は生で聞いてくれる人をアテにせずに、アーカイブとして聞いてくれる人を増やすという戦略をとることに決めたという話。本日は「継続」させるというテーマについて。

最初に考えたことは「3年継続できる仕組みを作ろう」ということでした。なぜ、3年かというと、外食コンサルタントの人に「飲食店は3という数字を大事にしている」ということを昔、聞いたことがあったからです。「まず、3日。次に3ヶ月、そして、3年続けば、その店はそうそう潰れることはないよ」と。この話はなるほどなあ。と、参考になりました。3年という期間の中に、「さまざまなトラブル」も内包されていて、それらを乗り越えられる力が必要なのだなと、理解しました。「広告収入に頼らないラジオ局」というイメージが頭に浮かびました。その前に放送免許を返上したSHIBUYA-FMが経営状況が悪くなったことが原因だったことも小耳に挟んでいたからです。メディアの収益は「多くの人に聴かれることで、広告が入る」というモデルです。つまり宣伝広告費をアテにすることでメディアは動いている。ただし、「渋谷のラジオ」のようなコミュニティーFMはそもそも聞いてもらえる数はたかだかしれている、自分が企業の宣伝広告担当であれば、ターゲットがしっかりわかり、金額も少額で、効果を検証しながら広告が打てるネット広告にお金を使うだろうし、ぼんやりとしたターゲットしか提示できないラジオは広告宣伝との相性はあまりよくないと考えたのです。

制作部長になったことで、さまざまな制作会社やディレクターからアプローチがありました。「ぜひ、わたくしどもで制作させてください」という話なのですが、こちらの年間制作費は「外資系ハイスペック管理職の年収」くらいしかありません。「超お値引き価格です」とある制作会社から出された見積もりには「放送作家・アシスタントディレクター・ディレクター」の最低限番組が作れるスタッフを用意し、月曜日から金曜日まで1時間の帯番組を制作した場合、一ヶ月これくらいください。という金額が書かれていました。その金額をみて、「すみません。この帯番組を作るだけで、わたくしどもは半年で破綻します」と返事しました。ラジオを作るというのは、かくもお金がかかるものなのか。ということを知るのです。

ある日、箭内さんと打ち合わせをしていると、「これ、とある局の番組フォーマットなんですけど」一枚の紙を見せられました。そこには1時間の枠の中で、ジングルやCM、曲を流すタイミングなどが書かれた番組の設計図のようなものが書かれていました。「箭内さん、これ意味わかります?」「わかんない」「ぼくもさっぱりわからないです」「わかんないことをするのはやめませんか?」「そうだよね」と話しているうちに、「ボランティアが100人以上」「帯番組」「フォーマット」「制作費」「放送作家・アシスタントディレクター・ディレクター」と、これまで浮かんだキーワードがぱたぱたと頭の中で整理されていきました。「箭内さん。こうしてみてはどうでしょう」

普通にラジオ作りのプロに頼むととにかくお金がかかる。すぐにうちは破綻してしまう。しかし、渋谷のラジオに関わりたいというボランティアが100人以上いる。100人の人にそれぞれの頼む仕事を見つけるほうが難しい。だったら、このひとたちに、ディレクターになってもらおう。聞く人を増やすことよりも、一緒に作る人を増やすことで、渋谷のラジオを自分ごとに感じてもらおう。だから、ボランティアの誰しもが番組を作れる簡単なフォーマットにしよう。そうすれば、制作費もつかわずに、みんなの熱意も受け止めることができる。たとえば、全ての番組フォーマットを55分間ノンストップ。残り5分は「渋谷のラジオからのお知らせ」ということにして、そこにCMなどが入る。CMなどは事前に自動送出でプログラミングしておけば、放送事故もないし、その5分間を利用して、ディレクターと出演者が入れ替わる。

「そりゃいいね」と箭内さんが言ってくれました。
じゃあ、それでいきましょう。やったやった!これでなんとかなるかも。
箭内さんの事務所を出て原宿の街を歩きながら気づきました。
計算すると月曜日から日曜日まで朝8時から夜7時までの77枠ある。
これ、誰がどんな番組を作ればいいんだ?

またしても途方にくれるのです。

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1月2日の大手町。

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