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2024年10月16日今日の一枚
「今回の出雲駅伝。青学の全選手がアディダスで走るんです」
出雲駅伝スタート前、涼みに入った出雲大社前のスタバでばったり出会ったアディダス・ジャパンの担当者が挨拶もそぞろに満面の笑みで話し始めた。
「そりゃ、すごい。やりましたね!」
今年の箱根駅伝において青学のアディダス着用率は50%。出走メンバーが箱根より少ない6人とはいえ、全選手がアディダスを履いたことはとても大きい。ナイキヴェイパーフライシリーズ後、各メーカーの担当者の苦労を知ってるだけに我が事のようにうれしかった。
ユニフォーム契約をしてるから自社のシューズを履いてくれるという時代はとうの昔に終わり、ヴェイパーフライが広まりはじめた2018年くらいから、アディダスだけに限らず、すべてのメーカーの担当者たちはどうしたら自社のシューズを履いてくれるのか?学生駅伝選手の足元に翻弄されつづけてきた。それほどまでに学生駅伝選手の「足」には広告価値があった。
直前まで履いてくれると聞いていたのに、レース直前に「監督からヴェイパーで走ってくれと言われて。すみません」と選手から連絡があって履いてもらえなかったんですよね。というような泣くに泣けない話も聞いたことがある。ヴェイパーとその他のシューズでは戦闘力に明らかな差がある時期が長らく続いた。
いくらスピードが出るとはいっても、骨格も筋力も違う欧米人と日本人とではシューズに求められるものが違う。シューズを企画し作るのは本国のスタッフたちだ。グローバルに販売を展開する彼らにとって「一島国」の日本の特殊事情にあわせたシューズを作ることはありえない。しかし、このままでは日本の駅伝シーンはナイキ一強となってしまう。日本の駅伝にも対応できるシューズを作ってほしい。各グローバルメーカーの日本法人の社員たちは根気強くリクエストを送りつづけた。コロナも開け、各国間の社員の交流も増えてきたことで、それらがようやく実を結びつつある。
アディダスの飛躍に一役買ったのは間違いなく「EVO1」であろう。太田蒼生が佐藤圭汰を倒したときに履いていたことで強烈な後押しになったはずだ。今回の出雲駅伝。区間賞をとった選手は城西大3区キムタイ選手(プーマを着用)をのぞいた全員がアディダスで区間賞を獲得する。出雲駅伝テレビ中継でスポットを打ったアディダスとしては最高なプロモーションで三大駅伝の幕開けとなった。
今日の一枚は1区区間賞をとった青学1-2区のタスキリレー。二人とも足元はアディゼロプロ4を履いている。区間賞をとったアディダス着用選手のすべてがEVO1ではないというのもポイントだ。6区区間賞をとった國學院大平林清澄の足元はタクミセン9。1世代前のモデルである。体重が軽い平林にとって「跳ねすぎない」ところがポイントであるらしい。三大駅伝だけでなく、東京世界陸上選考を兼ねたマラソンが控えている平林用の「タクミセン9」の確保も担当者の重要なミッションとなる。
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— EKIDEN NEWS (@EKIDEN_News) October 1, 2024
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