2020年9月22日今日の一枚
全日本実業団が終わった翌朝。体中が筋肉痛で一日ぐったりと寝ておりました。写真を撮ったり、ツイッターしたりしてるくらいなので、Apple Watchがカウントする運動量は大したことがなさそうなのですが、実際のところ、でっかいレンズをつけたカメラを3台もって、移動して、寝転がったり、しゃがんだりするのは、ダンベルをもってスクワットをし続けるのと大差なかったりします。三日目くらいになると、カメラのグリップを握る手が筋肉痛でパンパンになってきます。鍛えられるなあ。
短距離だとそうはいかないのですが、中長距離だとスタートからゴールまで周回を重ねながら移動することができます。個人的には招集所から出ていく瞬間が好きです。その選手の試合直前の表情や過ごし方を観ることでレースそのものだけじゃなく、レースの前後までが物語としてつながっているからです。
男子選手だとシューズのようなギアに目がいきますが、女子選手のスタート前はディティールに目がいきます。レースの後は汗でぐしゃぐしゃになってしまって気づかないのですが、ネイルとか、ピアスとか、髪の束ね方とか、そういうところにも選手の個性が出てくるからです。女子選手はレース前が一番整った状態。たとえば積水化学の佐藤早也伽選手をみると、とてもいろんなところに気を配っているのが伝わってきます。
今度、もう少し詳しく書いてみようと思っているのですが、5000m14:55.83日本歴代2位の記録を叩き出した新谷仁美選手は出場者の中で一番実績も経験もあるはずなのに、いつも誰よりも不安な表情でスタート前を過ごします。
ギリギリまで超ネガティブに追い込んでおくのも、彼女のルーティーン。レースに入ると、ネガティブな気持ちを一気にポジティブに変換する。その振り幅がすごい。直前までそこによりそい、送り出す横田コーチも大変です(笑)日本選手権の中距離と長距離種目が分散開催となって恩恵があるのは横田コーチかもしれません。それぞれの選手たちに専念できますからね。
今日の一枚はレース後のものから。
全実5000m3組での富士通坂東、浦野両選手の握手。
競技場で撮った写真が暗かったので、仕上げてみました。この好記録、そして握手の背景には前日の10000mでの鈴木健吾選手の走りがあったと考えます。MGCしかり、今回の10000mしかり、格上と思われる選手たちにも果敢に挑み、粘ばり、結果を出していく。その姿をみて、富士通の選手たちの心に熱いものがこみ上げてきたのは間違いないからです。
MGCが終わってから、トラックで東京オリンピックにどれだけ近づけるか?中長距離選手のマインドはそちらに一気に傾いていってるように感じます。MGCに出場するために、男子マラソンのレベルが一気にあがってサブ10が続出したように、トラックでも同じような現象がおこりはじめるのは間違いなさそうです。延期となったDenka Athletics Challenge Cup 2020、11月末の八王子LD。そして12月の日本選手権。ここでさらに好記録が続出しそうな気がします。
というようなことを書いていたりする月刊EKIDEN News編集部もぜひ。