# 23 Survey of the FIRE Movementの結果についての考察②
はじめに
前回の記事(# 22 Survey of the FIRE Movementの結果についての考察①)に引き続き、米国でのFIRE Movementの調査結果について、考察していきたいと思います。
※調査条件は、#22の記事にてご参照ください。
今回のテーマは、「経済的独立までの時間軸及び道のり」についてです。
【言葉の定義】
FIRE = Financial Independence and Retire Early(経済的独立を達成し、早期リタイアする)
経済的独立 = 個人もしくは家庭において、働くことで得られる収入がなくても十分豊かに暮らしていける状態
FIREまでの時間軸
それでは、まずは一般的にFIREをいつ目指し始めて、いつ達成するのかという時間軸について見ていきましょう。2018年時点では下図の結果となっています。
ところで、”Journey”という表現、いいですね。
キーポイントは、下記の2点だと思います。
①経済的独立した or 目指している人は、平均30代でFIREを目指し始め、60歳前後で達成していること。(結構遅いですね・・・)
②経済的独立を達成した人に限定すると、1/3は30歳になる前からFIREを目指し始めたということ。
この調査結果から推察するに、やはりFIREをするためには株式投資がキーになりますので、早く始めれば始める程、早くリタイアできるということでしょうか。
FIREを達成するために気をつけていること
それでは、次にFIREを達成するためにどんなことに気を付けているのかについて見ていきましょう。下図がその調査結果となります。
キーとなるポイントは2つあると思います。
①赤枠のとおり、Investing in the stock market(株式投資)について、経済的独立した or 目指している人は52%実践しているのに対して、そうでない人は26%しか実践しておらず、2倍近く差があります。やはり、株式投資はFIREに必須の手段のようです。
②黄色の枠はいわゆる、支出の最適化(三菱サラリーマンさんの表現を拝借させて頂きます)に関する項目です。予算に厳しく、ライフスタイルはダウンサイズし、人によっては住むところを変えたりもしているようです。
副業をするだったり、高給のポジションを目指すといった項目もありますが、予想どおり?少なかったです。これは、過去の記事(# 3)でも紹介しているとおり、支出のコントロールは比較的簡単で、だれでもすぐに成果を上げることができるからだと思います。(理想を言えば、収入を増やすべきでしょうが、簡単ではないということの現れと読めるかもしれません)
FIREを目指すために必要なことへの共通認識
それでは、次にFIREを目指すために必要なことへの共通認識について見ていきましょう。下図がその調査結果となります。
興味深いですね。キーとなるポイントは、下記の2つだと思います。
①経済的独立した or 目指している8割近くの人が、FIREをするためには”今”を犠牲にしなければいけないと考えているということ。
②ただ、経済的独立した or 目指している人も、そうでない人も、自分がみじめに思うくらいの犠牲をするくらいなら、FIREを目指す価値はないと考えていること。
やはり、FIREをするためには、不労所得(株式投資の配当金など)>生活費という状態を作り出す必要があり、そのためには相当額の資産が必要になります。そして、資産を作るためには、収入をそのまま支出に回すわけにはいかないので、今欲しいものややりたいことがあっても多少の我慢は必要ということでしょうか。(ただ、上記結果のとおり、無理をするほどの我慢はよくありません。自分が心地いいと感じられる形で、”支出の最適化”をするのがいいでしょう)
今回の記事では、以上に留めたいと思います。FIREに興味がある方、FIREを目指している方、FIREって何っていう方にとって参考になれば幸いです。
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