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プロキシサーバーの思い出

今まで使っていたプロキシサーバーが廃止されます。
今のネットワークが導入された、おそらく平成12年度からずっと使われていて、今まで累計数百回は端末設定で入力してきたURLが無くなるのは、寂しさを感じます。
思うところを書いてみます。

プロキシサーバーとは

プロキシサーバーは代理サーバーとも呼ばれ、インターネットへのアクセスを代理で行うサーバーです。
プロキシサーバーを介することで、組織内の端末が直接インターネットに接続することがなく、安全であるとされています。
また、キャッシュを使って高速化したり、フィルタリングしたりする機能もあります。
情報処理技術者試験や情報Ⅰの勉強をしていると必ず出てくる内容ですが、実際に導入されている環境にいないと「知識としては知ってるけど・・・」という感じではないかと思います。

私がプロキシサーバーを知ったのは、2ちゃんねるだったと思います。
プロキシサーバーを介せば真のアクセス元の特定が難しくなるので、よく匿名で使える「串」リストが流れていました。

学校で働くことになり、私物のパソコンの接続設定をしてもらうと(当時は全員が私物のパソコンを持ち込まないと仕事にならなかった)、プロキシの設定もありました。
本県の教育系の万単位の端末のインターネット接続を一手に引き受けるサーバーだから、管理が大変だろうなと思っていました。

異動してもプロキシサーバーのURLは県立学校ならどこも同じなので、「季和さん、なんで知ってるの?」と驚かれることもありました。
プロキシサーバーの仕組みを知っていれば当たり前の話ですが。

インターネット接続が重い時、デフォルトゲートウェイ(校内)にpingを飛ばしてもすぐに戻ってくるのに、プロキシサーバーにpingを飛ばすと、かなりの率でパケット損失が起きていました。
プロキシサーバーは最初のころは教育センターに、その後は業者内に設置されていたようです。

2つのプロキシ設定

プロキシの設定は、Windowsでは「設定」→「ネットワークとインターネット」の「プロキシ」で設定します。
でも、WindowsUpdateとパソコン版Googleドライブが、プロキシの設定をしてあるのにプロキシのエラーが出て使えないことがありました。

Windowsにはプロキシを設定する場所が2か所あります。

・「設定」
・Windows PowerShell(管理者)

でも、設定が連動していません。
「設定」で設定しても、PowerShell側には反映されないのです。
そして、Windows UpdateやGoogleドライブアプリはPowerShell側のプロキシ設定を参照するため、「設定」で設定してもプロキシのエラーが出るのです。

Windows PowerShell(管理者)を起動するには、
Windows10では
「スタート」を右クリック→「Windows PowerShell(管理者)」
Windows11では
「スタート」を右クリック→「ターミナル(管理者)」
をクリックします。
ユーザーアカウント制御は「はい」をクリックします。

プロキシの設定を確認するには、

netsh winhttp show proxy

を実行します。

プロキシサーバーを設定するときは、

netsh winhttp set proxy (プロキシサーバー)

を実行します。
プロキシサーバーのIPアドレスが192.168.1.1、ポートが8080なら

netsh winhttp set proxy 192.168.1.1:8080

になります。

10年ぐらい前までは、これだけのためにヘルプデスクからバッチファイルが提供されていました。
でも、委託業者が変わったらバッチファイルが提供されなくなりました。
だからと言って設定しないとWindows UpdateとGoogleドライブはつながらないため、「季和さん、そんなことどこに書いてあるの?。」と言われていました。
プロキシの設定は組織内の経験知になっていました。

プロキシサーバー廃止

今回のネットワーク工事によって、プロキシサーバーが廃止されます。
「設定」からの変更が必要だという通知は来ましたが、PowerShellからの変更については載っていませんでした。
でも、先に工事が済んだ学校からは、
「パソコン版Googleドライブでプロキシのエラーが出る」
との質問が出ていました。
PowerShellから、プロキシサーバーの設定を今までのプロキシから直接接続に変更する必要があります。
つまりプロキシ設定のリセットです。

netsh winhttp reset proxy

私が伝えると無事につながるようになったとのことです。

まとめ

20年以上、何百回も打ち込んでいたプロキシサーバーのURLが無用のものになります。
また、今までのプロキシサーバーに関する経験知もいらなくなります。
寂しくはなりますが、ネットワークが統合されることにより利便性は格段に向上します。
プロキシサーバー、今までお疲れさまでした、と言いたいです。


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