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いきもの大図鑑 かぶとむし05 レビュー
ビルマニクスか…ビルマニクス!?
最近のかぶとむし&くわがたの人選がオタクすぎて好き
この記事は、最近店頭に並び始めた「いきもの大図鑑 かぶとむし05」のレビューです。
サンプルが発表された時点で、ビルマゴホンヅノカブトとケンタウルスオオカブトの塗装に違和感があり、「えっこのまま出るん…?」と不安になっていましたが、残念ながらその不安は的中してしまいました。
サタンオオカブト
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冒頭でいきなり商品を貶してしまいましたが、まずは一番よく出来ていると感じたサタンオオカブトから。「かぶとむし03」のネプチューンオオカブトのリデコかと思いきや、なんと脚部および触角を除いて新規造形という贅沢な仕様でした。
特徴的なツノはもちろん、翅の表面にたくさんある点刻(小さな穴)のほか、裏面の毛深さまで再現してあります。
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プレミアム版ヘラクレス(右)と。
設計データはヘラクレスのものに手を加えてるっぽい?
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唯一残念な部分が、頭部がやや胴体から飛び出していること。
カブトムシの場合、前胸(上のツノが生えている部分)と頭部の境目、そのフチにある尖った部分が、目に若干かぶさるのが正しい位置(右のネプチューンオオカブトもそう)ですが、このサタンは目のはるか後方に「尖った部分」が存在します。
体長は112ミリほどで、ほぼ実物のレコードサイズに並ぶ大きさ。
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ほぼ新規造形とはいえ、「いきもの大図鑑専用 ディスプレイスタンドセット」にも対応しています。新たに購入される場合は、後翅のサイズが「大」になっているものを選択すると良いみたいです。
ただ、後翅を取り付ける穴がやたらキツかったので、破損には十分注意してください。
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せっかくなので、かつてネプチューンオオカブトをベースに自作したものと比較してみました。完全に僕の負けです。
自作版は、翅に点刻を造形できなくても何とかしてネプチューンと差別化したく、わざと塗装を荒らして表面をボコボコさせるなどの涙ぐましい抵抗を試みていますが、新規造形にはかないません。
細かい事ですが、製品版は台座を取り付ける穴がより適切な位置に移動しているのがうれしいですね。
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相手を弾き飛ばして頭上で皿回しのごとく回転させる、「甲虫王者ムシキング」における必殺技だったS・A・S(サタン・エア・スピン)を再現してみました。
ビルマニクス(ビルマゴホンヅノカブト)
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続いて、個人的にゴホンヅノカブトの仲間で一番好きなビルマゴホンヅノカブトをご紹介します。
今回のカブト系の中では、唯一「ムシキング」未参戦の甲虫です。
特徴的なウサギの耳に似た胸角は、金型から抜く関係か若干アレンジされた形状になっています。公式サイトから、原型制作に使われたという実際の標本をスキャンした3Dデータを確認できますが、そちらは本種の平均的な形状をしています。
しかし、実際の製品では胸角先端が大きく離れた形状になっており、再現性を低下させてしまっているのが残念です。
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もう一つ残念な点に、翅が無塗装である点が挙げられます。本種の翅は紫がかったあずき色をしているのが特徴ですが、製品では成型色まんまの黒になっています。
そこで、「かぶとむし03」のヒメカブトと下半身を交換してみたのが上の写真。実物よりだいぶ明るい色合いですが、製品の状態よりは再現度が上がったかと思います。
ケンタウルスオオカブト
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塗装がおかしい人その2、ケンタウルスオオカブトです。こちらはビルマニクスとは逆の、「塗装しなくていい所を塗装してある」というパターン。
具体的には前胸および頭部がその部分であり、実物だとほぼ黒く、前胸の頬に見える部分(?)が赤く色づいているような配色です。
しかし、本製品では全体を翅と同じ色で塗ってしまっています。また、使っている塗料自体ももう少し赤に近い色相だと良かったと思います。
体長は92ミリほどで、実物のレコードサイズが100ミリ手前なので、実物大と言っていい大きさです。
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ムシキングにおける必殺技のサイクロンホイップも可能です。今さらですが、脚部や下半身はビルマニクスともども、「かぶとむし04」のヤマトカブト(改)と同じ金型を使用している模様。
そのため、ディスプレイスタンドセットを使用する場合も、同製品と同じ「中」サイズの後翅が適合します。
ヤマトカブト(赤褐色)
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そして、この「ヤマトカブト(赤褐色)」は全身が前作と同じ金型です。
しかし、塗装がより明るくなり、腹部などの成型色も黒から焦げ茶に変化しています。
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翅の塗装は個体差が激しく、筆者が最初に引いた2体はこのように暗い色となってしまっており、前胸との差が目立ってしまっていました。
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後日またガチャを回し、ようやく納得のいく個体を引き当てました。せっかくなので、前胸のツヤを調整してよりリアルにしています。
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ここは統一すべきでした。ごめんちゃい
「くわがた04」のもの(左)と比較。ヤマトカブトは体色の個体差が大きく、一概にどちらがリアルとは言えませんが、腹部の成型色が変化したことで裏面のリアルさは勝っていると思います。
余談ですが、「04」版はムシキングにおいてカードをスキャンしなかった場合に使用できるつよさ100のカブトムシに近く、今回のものはカード化されているつよさ120のカブトムシに近い印象を受けました。
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←ミニコレクション 04版(改) 05版(赤褐色)→
これまで「いきもの大図鑑」シリーズに登場したヤマトカブトを集めてみました。弾を追うごとに塗装がリアルになっていき、今作が500円という価格帯におけるひとつの正解にたどり着いたように思います。
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今回はムシキングではなく現実のカブトムシの必殺技、通称「サムライスプラッシュ」をイメージして遊んでみました。前脚の関節がもっと多ければより再現できたのですが、本シリーズの関節構造だと割とウソ再現になってしまいます。
ダイコクコガネ
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今作のアソートにやたらいっぱい入ってるダイコクコガネです。
他の虫から流用できる部分が一切なく、完全新規造形となっています。
脚と触角は本シリーズのなかでもひときわ細く、破損の恐怖と闘いながら組み立てる事になりました。いっぱいあるので替えはいくらでも利きますが。
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って書いてあってびっくり
樹液を吸っているカブトムシと違い、うん〇を食べているため、口の形状も違っています。っていうか転節(脚の付け根にある楕円形の部分)の向きがすごい。カブトムシは横向きですが、こいつは縦になっています。
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ディスプ(略)後翅(略)「小」(略)。っていうか飛べるんですねあなた。飛べない昆虫だと思ってました。
ゴライアスオリエンタリス
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最後に今回のレアアソート、ゴライアスオリエンタリスです。特徴的な模様を再現すべく手間のかかった塗装を施され、レア扱いにも納得の出来。
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後翅の形状はカブトムシのものとは大きく異なり、それを再現するためにデフォルトでこれが付属しています。意外とゴライアス用のディスプレイスタンドって出てないんですね。実物の後翅は、光が当たった部分が緑色に見える構造色となっているので、それを再現したものが付属する仕様で発売して欲しいと思います。
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なんだかんだでゴライアスは「かぶとむし03」以降毎回ラインナップにいる常連となりました。今回は裏側もちょっと塗装されていて豪華な仕様です。レアだから?
おわりに
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今回も一癖あるラインナップが魅力の「かぶとむし05」をレビューさせていただきました。
これまで同様に標本の3Dスキャンで正確な造形を実現しながら、塗装で損をしてしまっている実に惜しい弾だと感じました。
ちなみに、ダイコクコガネを除いた5種には、デアゴスティーニの「世界の昆虫 DATABOOK」でもフィギュア化された事があるという共通点があり(上の写真たちはその比較)、さらにムシキングに参戦したカブトムシは全員ナゲわざ(パー)が必殺技という、偶然の一致が2つもあるラインナップとなっています。