母にあてた贈り物
お祝いに母へ
母の好きなお蕎麦を送った。母が買わないであろう、ネットで評価の高かったお蕎麦だ。
届いたプレゼントに電話からの母の声は予想外れの “ふつう”のトーンだった。
喜んだときの弾んだトーンを想像していた私は、そういうものかと拍子抜けした。
次の日
母に書いた私からの手紙がプレゼントより遅れて届いた。
手紙は手作りのポストカードで、ちぎって切って貼って折って塗って作ったオリジナリティいっぱいの私独特の創作作品だった。母がこれを見てニコニコして言うであろう言葉を想像しながら、仕事終わりの夜に作った手紙だ。
届いたよ、の電話が鳴り、
聞こえてきた母の声は
お蕎麦のときよりワントーンも高かった。ありがとう!!! と。
ポストカードの感想とありがとうの言葉は、とても嬉しそうな温度があって、私の心にも染みこんだ。
母は
想いが乗ったプレゼントが嬉しかったようだ。母の様子を想像し、手をかけて作った手紙の気持ちは伝わり、それをとても喜んでくれた。
離れて暮らしている今、
母にとって贈り物は、気持ちの方が大事なのかもしれない。
自分にかけてくれた時間や想いは嬉しい。
美味しい珍しいお蕎麦も勿論ありがとう、だけれど
母にはいい代物ではなくて、想いがあるモノ
それが1番のプレゼントなんだ。
お手紙は気持ちの届く贈り物。
メールや電話もいいけれど、また手紙をかこう。