変質者に遭遇した話

小学4年生の頃の話です。

当時、土日はお昼ご飯を家で食べた後、
17時か18時まで外に遊びに行っていた。

別に家に居てもいいけど、
父親のハイライトの副流煙がキツすぎるのと、
祖母と母の宗教争いに巻き込まれて面倒なので許される限り外に遊びに行っていた。

同級生の多くはドッヂボールや鬼ごっこ、自転車競争など外遊びをしていたけど、
私は運動が苦手で一切体を動かしたくないため、
同じような境遇のインドア友達と共に行動していた。

インドア女児が外で何をするかというと、
月刊少女漫画「ちゃお」を割り勘で買って、
セリフを覚えるくらいまで読んだり、シーンを再現したりしていた。

しかしそれでもまだまだ暇なので、
公園のベンチを机にしてキャラクターの顔に
第3の目や鼻毛など落書きをするのがいつもの流れだった。


その日も、ファミリー向け分譲マンションに挟まれた
中くらいの公園のベンチでちゃお落書きをしていると、
隣のベンチに座っていた中年男性が話しかけてきた。

中年男性に声をかけられるのは
可愛い女児だけだと思う人もいるでしょうが、
実情はそうではありません。


思春期だからかTVの影響か、当時私の周りでは
"ぶりっ子をして男に媚びる女が最も愚か"
という共通認識があり、

ピンク色やフリルなど可愛らしい雰囲気のものを
身につけるとぶりっ子だと揶揄される風潮があった。
(ただしちゃおは読んでもいい。全員興味があるので)

そのため私は
「スカートは絶対に履かないしピンクの服も着ない」と強く心に決めていて、
授業で作るナップサックもピンクやハムスター柄は選ばず
ぶりっ子ではないですよ、というアピールのため好きでもない青の迷彩柄にしていた。

その日はあずき色のGAPのパーカーにデニムパンツを履き、
青の迷彩柄のナップサックを背負って変ファッション女児だった。

そのパーカーを着てポケモンの「かぜおこし」を真似して
袖をバタバタさせて空間を攻撃することが多かったので、
袖は腕の1.5倍くらいに伸びてボロボロだった。

おまけに成長期で肌荒れしていて、
あまりにも男子にからかわれるので数えてみたら
顔に72個もニキビがあり、眉毛もかなり太いし、
髪の毛の量も多すぎてサザエさんみたいに3点で髪をまとめていたし
可愛い女児という雰囲気ではなかった。

少し逸れましたが本題に戻ります。
突然話しかけてきたおじさんは
「これ、知ってる?」と言ってガラケーの画像を見せてきて、
おかしい人かはそのときわからなかったけど、

当時は自分の気持ちを正しく伝えられなくて
思うように物事が進まなくて、

親や先生、PTAの人など大人全員に反発心を抱いていたので、
私はおじさんの方を見ずに冷静にちゃおキャラに鼻毛を描き続けていた。

一緒にいた友達は優しい子だったし、
私よりおじさんに距離が近かったこともあり

「ホラホラ」と誘われすっかり画像に見入っていて、
そのうち友達も「ほらほらエモちゃんも見なよ〜」とおじさん勢に転身してしまった。

もちろん楽しんでいるのではなく、
言われるがままに見ていた感じだったと思う。

友達を無視することはできないので私も画像を見ると、
陰部に荒めのモザイク処理をしたものだった。
なんで親切にモザイク処理してるんだ。

そのときは何かわからなかったので、
2人で(?)という顔をしていると、
おじさんは「見たことないでしょ…男の人のだよ」と言ってきて、
そのときに(あ〜!あそこの画像か)と理解した。

大人の頭で考えるとだいぶ気持ち悪い異常行為だけど、
そのときは「ちん見たことないでしょ?」と
普通に質問されたかと思い

「いつも弟のオムツ替えてるし見たことあるよ〜」と返答すると、
面白くなかったのかおじさんはどこかへ言ってしまった。

友達も私も怖いとかあまり思わなくて、
変なことがあったね〜という感じでその日は門限まで遊んで、

家に帰ってからお姉ちゃん(小6)に一連の出来事を話すと、
ゲラゲラ笑って「ちん見てますって言ったん⁉︎変態やん‼︎‼︎」と数日イジられて不快だった。

けど次の日学校で先生に「神対応だったね〜」みたいにみんなの前で褒められたのは嬉しかった。
今だったらみんなの前で言わないだろうな。

そのあと他の子に話したら、
私も草むらでおじさんに下半身触られたよ〜と言ってたり、
数年後に妹がおじさんに車に乗せられそうになったりしていたので
治安がヤバかったのかもしれない。

運良く何もトラウマを植え付けられることもなく、
こうして今も平和に過ごせていて良かったです。

見た目が変な女児でも変質者に声をかけられるので
皆さんが変な服装をしている日であっても充分気をつけてください。

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