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親が子の気持ちを解釈するのとは別に、子どもにも気持ちやその日の気分があること、親を想う気持ちがあることを忘れないで。

みなさまこんにちは。
りむすび共同養育コンサルタントの江島るな子です。

最近のご相談のなかでも、面会交流の調停中、これから協議・調停をする、というご相談者さまが後を絶ちません。同居親さん、別居親さんそれぞれ葛藤を抱え、お辛い心情のなかでのご相談です。今回は、面会交流がスムーズにできていない親御さんに、私が思うことをお伝えしたいと思います。

まずはコロナ禍においての面会交流について

8月末からさらに延長となった緊急事態宣言。
昨年から何度かお伝えしているように、面会交流がストップしてしまうご家庭も多くあったと思います。
そんなとき、「子どもを別居親に会わせたくないわけではない」という同居親さん。コロナ感染が心配であればオンラインの面会交流がお薦めです。

コロナ以前も満足に面会ができていない別居親さん。たとえば離婚時の取り決め通りに面会ができていない、もしくは現在面会交流調停中、など約束が定まっていないご家庭ですと、ただでさえ会えない状態の別居親さんは自分に会わせたくないだけでは?と勘ぐってしまうのも無理はありません。

同居親本心→コロナ感染が心配だから、面会をストップしたい。
に対し、
別居親本心→コロナを理由に、会わせたくないだけでしょ!

こんな構図になってしまい、「そういうわけではない」という理屈が通じない状況が生まれてしまいます。

どちらの言い分もよく理解できるので、そんなときにオンラインの面会交流をお薦めしたいのです。
りむすびがホストとなり、連絡仲介から当日のサポートまで対応いたします。お子さまが座ってられる年齢ですと30分からスタートがお薦めです。小学1年生ぐらいであれば、一時間ほど座っていられることがほとんどです。もしもまだ月齢が小さく難しい、だれかのアシストが必要な際、同居親さんの対応が難しければ身内の方などにサポートしてもらえると良いかと思います。

特に乳幼児さんだと、オンラインの面会はハードルが高くて無理!と考えられ、サポートしてくれる人もいないということであれば、たとえば動画や写真をお相手に送るといった、成長が見られるものを送るなど考えられることはあると思います。

面会交流は親子のためのものです。同居親さんの意思や別居親さんの意思とは別に、お子さんにも気持ちがあることを、どうか忘れないでください。

面会交流がスムーズにいかない、その背景は?

いま、面会について揉めてしまっている親御さん。お子さんはそんな両親の姿をよく見ています。これはコロナに限ったことではなく、子どもにとって片親がもう片方の親の存在をなかったことにする、タブーにしてしまうと、
お子さんの中で親の離婚=ネガティブなこと・話してはいけないこと・聞いてはいけないこと、と記憶します。

少なくとも、いまは憎き相手でも、目の前にいる子どもはそのお相手との子どもですよね。その子にとっては、ふたりから生まれたのが自分、という現実がある限り、どちらも親に変わりありません。親が離婚したことで、本来ふたりから愛情を受け取ることができた子どもが、片親からしか愛情を受け取れないという状況にするもしないも、親次第です。

いずれ子どもが大きくなり、もうひとりの親に会ってみたい、となるかもしれないですし、ずっと避けてきたからなんとも思わない、となるかもしれません。それはその子の性格や育った環境、周囲の影響によって異なると思います。ただ、別居・離婚をした時からいつでももうひとりの親に会える環境を整えておけば、そんな悩みは親子それぞれが考えずに済むのではないでしょうか。

長い目で見ても、両親が離婚したとしても自分のルーツである親はふたりだけ。その子のさまざまな選択肢を狭める必要はないと思います。

父子関係・母子関係と、子どもにとってはふた通りの親子関係が存在します。同居親さんから見て、別居親さんとお子さんの関係が悪いわけではなかった、という場合。その子が大好きなお父さん(もしくはお母さん)の関係を断ち切るのは、相手を嫌いだから、相手にされたことが許せないから、という理由に尽きるのではないでしょうか。

そこで面会がストップされると、子どもは突如として片親との関係がなくなってしまいます。その子の気持ちはどうなっていくでしょう。子どもは自分の所有物ではなく、ひとりの人間です。自分と同じ気持ちに違いない、と言っても、その理屈を説明するのは難しいのではないでしょうか。

夫婦カウンセリングに見る、両親の解釈

私は普段、夫婦間に入ってお話を聞くこともあります。それぞれに言い分があり、それぞれのお気持ちがよくわかります。離婚せざるをえないきっかけがあったとしても、その前からお互いくすぶっている部分が必ずあり、どちらかが一方的に悪い、ということはほとんどありません。

同居親さんからよく聞くこと→別居親さんが、子どもの前でしないでほしい言動をとる。子どもに悪い影響を及ぼすので会わせたくない。子どもも会いたいとは言っていない。不安定なので様子を見てからでないと会わせられない。(←様子を見るというのはいつまで?という問いに明確な答えはない)

別居親さんからよく聞くこと→子どもは、自分の前では自分のことを大好きと言ってくれるし、もっと遊びたい、と言っている。同居親が子どもに自分の悪口を吹き込んでいるに違いない。(離婚前であれば)まだ自分だって親権をもっているのに会えないなんておかしい。あの子にとっても、自分は必要な存在だ。どうして相手にすべてを決められなければならないんだ!

などなど。

どちらの言い分もわかりますが、子どもの気持ちを勝手に解釈しすぎているように思います。子どもは子どもなりに考えて発言していることがほとんどですし、気持ちだってころころ変わるものです。その言葉ひとつひとつに一喜一憂したり、目くじらを立てて相手を責めることは、子どもの発言に責任を持たせていることになります。

子どもにだって気持ちや気分がある。だから会える時に極力会って親子関係を築いていくことが大切で、子どもが小学校高学年ぐらいになったら、子どものその日の気分で別居親と会うか会わないか選択することができるようにしていくことが負担が少ない形と思います。つまり子どもの意思で自由に行き来できる状況ということです。

親だから子どものことはすべて把握できている、それって本当でしょうか?子どもの気持ちは複雑ですし、成長していく過程で変わっていきます。彼らにも親以外に影響を与える人たちがどんどん出てきて、他の大人と自分の親を比較することだってあります。子どもの気持ちはそう簡単に理解できるわけではないし、気分によって昨日と今日、言うことだって変わります。
思い返してみてください。親に理解してもらえない!!と苛立ったこと、みなさんもおそらくあると思いますし、大人になれば、自分の親ってこういう人、というのがなんとなくあると思います。親の前では甘えることだってあるしわがままを言うことだってあるはずです。でも、気分が変わった、こう思っている!ということを遠慮なく伝えてもいいのが、親なんじゃないかと思います。離婚したとしても、そういう当たり前の関係を築けるといいですよね。

夫婦関係と親子関係は別もの。子どもだって親を見ているし、想っています。

夫婦関係と親子関係、切り離して考えることは難しいことです。
ただ、自分がいやだからといって子どももいやだ、となることはまずありません。実際に子どもが別居親に会いたくない、と言っているのであれば、それは普段相手を拒否するような話を子どもの前でしている、もしくは態度に出していたりしないでしょうか。改めて、別居親と子どもの関係はどうだったのか?思い返してみるとよいと思います。

そして、お子さんに会えない別居親さん。子どもにとってこれがいいこと!と思いこむのではなく、子どももひとりの人間であることを理解し、会わせようとしない相手を責めるのではなく、陰ながらできることを探してみましょう。そして、相手に正論をぶつけるのではなく、どうしてそこまで会うことに後ろ向きなのか? 婚姻生活の振り返りをしてみることをお薦めします。必ずその理由が見つかるはずです。

感情ってときに邪魔をするもの。いつまでも怒りを持ち続けることも辛いでしょうし、そのうち心身が病んでしまうと思います。悲しい、許せないときは、クールダウンしましょう。
ひとりで抱えきれないときは、りむすびにご相談ください。胸の内、教えてください。その先の展望を一緒に考えていくお手伝いをさせていただきます。自分自身が幸せになって、子どもの前でいつも笑顔で生き生きとしている、親として自慢できるお父さん・お母さんでいてほしいと思います。

お子さんは、そんなみなさんの姿を見ていますし、みなさんが思うよりもお父さん・お母さんのことを愛しているんです。

【プロフィール】
江島るな子(えじま・るなこ)
一般社団法人りむすび共同養育コンサルタント。
二児の母であり、離婚後別居親の立場となる。自身の経験から、別居・離婚によるダメージを受けた夫婦の気持ちに寄り添う場が必要だと感じていたところ、りむすびを知る。「離婚しても親はふたり」そんなりむすびの共同養育の理念に感銘を受け、離婚しても両親から愛される子どもがひとりでも増えることを願って、共同養育コンサルタントとして活動中。



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