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【エッセイ】じゅて~む 第二十一夜

【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
俺の名は達太。39歳の会社員だ。

好きな女性のタイプはホラン千秋としているが、これは表向きの回答。
本当は蓮舫がタイプだ。
蓮舫にならフラれても許せるからだ。
むしろ、ますます愛していく自信がある。

つまり俺は、聡明な女性が好きなのだ。
綾瀬はるかが好きという奴もいる。だが、放っておけ。
深田恭子が好きという奴もいる。そいつは、放っておくな。
そいつは飼い慣らすんだ。きっと良い仕事をする。

ホラン千秋と千秋をごっちゃにしている奴を放っておくか、どうか。
迷いどころだ。誰かが訂正してくれる日は、遠い。
ふたご漫才師のたっちくらい区別が難しいのがホラン千秋と千秋だ。

千秋問題はさておき。困ったことがひとつ。
俺は、日曜に暇だと薔薇を口に咥えて、踊ったりするほどに薔薇が好きなのだが、蓮舫のイメージフラワーは、おそらく「蓮」だ。

名前の一文字目が「蓮」だから、おそらくそうだ。
イメージフラワーの仏教カラーが強いな。

今のところ。俺が蓮舫に告白して良い返事をもらう確率は7割だ。
低いだろ。俺は堅実なんだ。
そしてデリケートでもある。
7割の確率ではアプローチをしかけたくはない。

ギャンブラーだったのは、音楽家バッハに似て白くてもちもちしていた29歳の頃だ。俺はもうギャンブラーではない。バッハでもない。

俺に足りない3割。どう埋めるか。
俺は薔薇好きの肩書を捨て、蓮好きになるしかないもかもしれない。

蓮は、午前中に咲くという。
早起きをしなければならない。
牛丼チェーン店の朝食セットを食べて、蓮を見に行く必要がある。

また、早起きのためには、良質の睡眠の為に、良質のたんぱく質を通常の5倍食わねばならないような気がする。
俺にできるか。
彼女に百パーの確率でOKをもらうために、蓮好きとして蓮を見に行くべく、通常の5倍の肉を食う事が・・・。できる。

だが自信がなくなってきた。俺の中のロマンチストとスタイリッシュが、俺の中のデリケートに殴り殺されそうだ。俺の中のドンファンをそこに投入すべきか、どうか。

昨日、幽閉され、無事に解放され、好きな女のタイプを明かせなかったため、今日、明かしてみた。

エッセイらしくなかったな。

飲み会みたいだったろ。

じゅて~む

蓮舫ならフランス語でこれが何を意味するか分かるだろう、
つまり。さらりと告白を終えることができたというわけだ。

俺は7割の確率で彼女のイエスをもらう、
来週、このエッセイは7割がた蓮舫とのノロケ話になると思われる。お付き合いよろしく。

2020.09.06

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