空想エヂマ会 第12回目は「小公子」です。
小公子といえばフジテレビのアニメで、ハウス世界名作劇場で放送されていたなぁと思い出す人もいると思いますが、ぶどうの「小公子」は、アニメとは全く関係がありません。
「小公子」は日本固有の品種で、澤登晴雄氏によってつくられました。
世界では栽培されておらず、日本でしか栽培されていません。
ワインとしては、勝沼醸造が1988年に委託醸造されたのが、最初のリリースです。
現在では勝沼醸造は栽培をしていませんが、全国で数は少ないですが、栽培されています。
栽培地の北限は北海道の名寄で、東北地方、中部地方や中国地方、九州などでも栽培されています。
最近ではリリースしているワイナリーも少しずつですが増えています。
「小公子」は、固定ファンも多く、人気もある為に発売してすぐに売り切れになるワイナリーもあるくらいの人気です。
山ぶどう系品種と言うとネガティヴなイメージがある人も多いですが、、最近の「小公子」を飲むと、良くなっているなぁと感じますねぇ。
「ヤマ・ソービニオン」とかも、やり方によっては可能性がありそうな気がするのだがなぁ。
全ての山ぶどう系品種に可能性があるとは、思えませんけどねぇ。
特にアレとかアレなどは、いかがなモノかと思ったりするが。。。
今回の「小公子」の会はですが、そもそも「小公子」のワインと言っても、イメージ出来ないし、何ソレ?と言う人も多いと思ったので、メジャーな「小公子」を集めました。
題して『小公子の特徴とは、どんな感じなのだろう?』です。
今回のワインリスト
【森臥ワイナリー】小公子 2017
【くずまきワイン】蒼 -あお NV
【安心院葡萄酒工房】安心院ワイン 小公子 2019
【奥出雲ワイナリー】 SYMBIO 小公子 UNWOODED 2020
【奥出雲ワイナリー】 小公子 2008
【奥出雲ワイナリー】 SYMBIO 小公子 2019
小公子とは?
「小公子」は澤登晴雄氏が育成した日本固有の品種で、セイベル13053と中島1号を交配したと言う説や中国やヒマラヤ、日本産の山ブドウを掛け合わせて作られたと言われています。
日本全国で栽培されていますが、基本的には日本葡萄愛好会の関係するワイナリーが栽培しています。
特徴としては粒が小さく、糖度は高くなるが酸が切れにくく、樹勢が強く耐寒性に優れていることと、タンニンとアントシアニンの含有量が豊富な事です。
単体で作られることも多いが、アッサンブラージュしたり、スパークリングワインにしても良さそうです。
澤登晴雄氏は「小公子」の他にも「ワイングランド」「ブラックペガール」「ホワイトペガール」などの個性的なワイン用品種もつくっています。
北と南の「小公子」の飲み比べ
北海道の【森臥ワイナリー】と岩手県の【くずまきワイン】、そして九州の【安心院葡萄酒工房】の北と南の「小公子」の飲み比べ
【森臥ワイナリー】小公子 2017
日本最北端のワイナリーで作られる「小公子」。
2017ビンテージは10Rワイナリーでの委託醸造。2019年には自社のワイナリーを設立。
【くずまきワイン】蒼 -あお NV
山ぶどうや山ぶどう系品種をメインにつくっているワイナリー。
「小公子」としては一番手に入りやすいワインだろう。
ワインには珍しく漢字1文字の名前がついた、星(セイベル9110)や夏(デラウェア)などといったワインもあります。
【安心院葡萄酒工房】安心院ワイン 小公子 2019
スパークリングワインやメルローやシャルドネが人気だが、この「小公子」や「アルバリーニョ」なども、最近は注目されている。
「小公子」はどんな熟成をするのか?樽アリとナシではどう違いがあるのか?
【奥出雲ワイナリー】の樽熟成した2008と2019の飲み比べとUNWOODED(樽を使用してない)「小公子」の飲み比べ
【奥出雲ワイナリー】 小公子 2008
樽熟成した「小公子」の2008ビンテージ。
生産本数2383本。新樽率33%。
はたして「小公子」はどんな熟成のしかたをするのかを確かめてみましょう。
【奥出雲ワイナリー】 SYMBIO 小公子 UNWOODED 2020
ステンレスタンクで醸造。樽を使わず短期間のタンク熟成。
2020ビンテージの「小公子」
【奥出雲ワイナリー】 SYMBIO 小公子 2019
樽熟成した「小公子」の2019ビンテージ。
樽アリと樽ナシの違いを確かめてみましょう。
【奥出雲ワイナリー】は、他にも「小公子」としては、珍しくスパークリングワインなども発売しています。
しかし、「小公子」だと集まらないだろうなぁ。
そもそも山ぶどう系品種と言うだけで、拒否反応をおこす人もいそうだしなぁ。
そして「小公子」をまず飲んだことないと言う人も多そうだし。
興味持つのは、変態日本ワインマニアだけの気がします。