空想エヂマ会 第9回目は「ピノ・グリ」
近年、世界中で栽培面積が増えている「ピノ・グリ」ですが、日本でも栽培面積が増えつつあるようです。
日本のワイン原料用国産生ぶどうの受入数量としては、白ワイン用品種では14位で、全国で21tが生産され、そのうちの12tが北海道で生産されています。
(国税庁課税部酒税課 国内製造ワインの概況製造ワインの概況[平成30年度調査分]より)
「ピノ・グリ」は比較的冷涼な産地向きの品種なので、北海道には向いているのかもしれません。
イタリアではピノ・グリージョ、ドイツではグラウ・ブルグンダー、ブルゴーニュではピノ・ブーロ、シャンパーニュではフロマントーなど、いろいろな名前で呼ばれています。
今回の「ピノ・グリ」の会は、北海道の「ピノ・グリ」を集めまてみました。
題して『北海道のピノ・グリの未来』です。
今回のワインリスト
【ココ・ファーム・ワイナリー】こことあるシリーズ ぴのぐり 2019
【奥尻ワイナリー】ピノ・グリ 2020
【山崎ワイナリー】ピノ・グリ 2018
【宮本ヴィンヤード】ヴィーニュ・シャンタント キュベ・プランタにエール 2017
【ばんけい峠のワイナリー】峠のピノ・グリ 2019
【北海道ワイン】鶴沼ハーベスト スペシャルキュベ ピノ・グリ Orange 2019
ピノ・グリとは?
ピノ・ノワールが突然変異種で皮の色がピンク色になったものです。
ピノ・ノワールと同じく、フランス・ブルゴーニュ地方が原産と言われています。
ドイツの南部という説もあるようです。
現在のブルゴーニュ地方では、ほとんど栽培はされていなく、ヨーロッパでは、フランスのアルザス地方、ドイツのバーデン地方、イタリアのフリウリやアルト・アディジェ。
ニューワールドでは、アメリカのオレゴン州やニュージーランドなどで、生産されています。
昔は収穫量も不安定であったが、栽培技術の向上などもあり、近年は世界中で人気となってきている品種である。
グリ系のぶどうの中でも濃いめの果皮が特徴です。このため、ワインの色調も通常の白ワインと比較して、濃くなる傾向がある。
ピノ・グリから作られたワインは多種多様で、生産地や醸造スタイルによって大きく変わるので、北海道でもいろんなタイプのピノ・グリのワインが出来てくるだろう。
奥尻島と余市の「ピノグリ」の飲み比べ
【ココ・ファーム・ワイナリー】こことあるシリーズ ぴのぐり 2019
余市町の中川農園と木村農園のピノ・グリを10Rワイナリーにて醸造。
2019年は6回目のヴィンテージ。
【奥尻ワイナリー】ピノ・グリ 2020
奥尻島にある自社畑もピノグリを使用。
酸が特徴的で、塩味やミネラルが感じられるピノ・グリ。
三笠市の「ピノ・グリ」飲み比べ
【山崎ワイナリー】ピノ・グリ 2018
北海道三笠市の自社畑産の樹齢4~20年のピノ・グリを使用。
醸造はMC(一部)、ホールプレス、樽醗酵(一部)。
レモンやライムなどの柑橘系の香りや南国の果実のような味もあり、ミネラルと冷涼な酸、骨格もあるしっかりとしたピノ・グリ。
【宮本ヴィンヤード】ヴィーニュ・シャンタント キュベ・プランタにエール 2017
元滝澤ワイナリーの醸造をしていた宮本亮平氏が、三笠市達布地区の自社畑のピノ・グリを使用したワイン。
ピノ・グリ95% オーセロワ5%で、新樽100%で熟成。
2021年の秋には「濵田ヴィンヤード」の浜田洋文氏と共に、新しいワイナリーを設立予定。
「ピノ・グリ」のオレンジワイン飲み比べ
【ばんけい峠のワイナリー】峠のピノ・グリ 2019
石狩市産のピノ・グリを使用。
果皮・種と共に発酵させる「醸し発酵」でつくられ、ステンレスタンクで低温熟成。
酸化防止剤無添加。
【北海道ワイン】鶴沼ハーベスト スペシャルキュベ ピノ・グリ Orange 2019
鶴沼ヴィンヤードのピノ・グリを使い、「醸し発酵」を行い、4か月間フレンチオーク樽で熟成。
定員は6名。今回は「ピノ・グリ」です。
「ピノ・グリ」はあまり固定観念が強くなく、産地によって多様なスタイルのワインがあり、北海道でも面白いワインが出来そうです。
北海道は特に栽培的にも「ピノ・グリ」は向いていそうな気がします。もしかすると「ピノ・ノワール」よりも向いていたりして。
これから北海道の「ピノ・グリ」には未来があると思います。
今回のワイナリー
【ココ・ファーム・ワイナリー】栃木県足利市【ばんけい峠のワイナリー】札幌市中央区磐渓【奥尻ワイナリー】奥尻町【山崎ワイナリー】三笠市【宮本ヴィンヤード】三笠市【北海道ワイン】小樽市朝里川温泉