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私の旅の原体験-福井県南越前町でのまちみらいチャレンジ-
こんにちは。POOLO JOB3期生のえじです。
今回のテーマは、『原体験の旅について』
私の原体験となった福井県南越前町でのまちみらいチャレンジ2022についてご紹介します。
福井県南越前町「まちみらいチャレンジ」
まちみらいチャレンジとは
福井県南越前町は、福井県の中央部に位置しており、福井平野や日本海、豊かな森林に囲まれた海と緑と歴史のまち。
そんな福井県南越前町が2020年から毎年行っているのが、まちみらいチャレンジという、学生向けの取り組みです。
「まちみらいチャレンジ」とは、学生が南越前町に関連のある活動を自由に設定し、主体的に取り組むものです。活動場所は南越前町内のほかオンライン等で、活動期間は2022年8月から2023年2月までの約半年間です。多彩な形で南越前町をフィールドとし、地域で挑戦する学生を応援します。
国際系のコースで多文化共生について学んでいたので、大学でインプットした知識を、「今度は実際に街の多文化共生に携わりたい」との思いから応募しました。
選んだテーマは、『南越前町での多文化共生』
南越前町の人口が約1万人であるのに対し、在住外国人は57人と、割合でみるとかなり少ないということを事前調査で知り、少ない在住外国人への支援や課題を考えようという計画でした。
テーマ変更のススメ
しかし、活動はなかなかうまくいきませんでした。
まずそもそも、人数が少ない故に調査対象者となる在住外国人と出会うこと自体が難しかったのです。
何かしらヒントをつかめることを期待して町役場に行きましたが、言われた言葉は
「テーマを考え直した方がいいかもね」
まちみらいチャレンジの過去の活動をみても、テーマは町の魅力の再発見や発信など、観光に関わるものが多く、私の当初のテーマが少し異様だったのかもしれません。
つながりが、新たなつながりを生んだ
活動が行き詰りつつも、少ないからこそ目を向ける必要があると考え、テーマは続行することに。
地域おこし協力隊をはじめとした街の方々の協力を得ながら、
「街で外国人を見たことはありますか?」と聞きまわり、関係のありそうな会社へは電話をしてお話を伺わせてもらいました。
最初はなかなか情報を得られず途方に暮れていましたが、
「この道を通っているのを見たことがある」「この会社で外国人が働いているらしい」といった情報をもらい、南越前町では十数人の外国人が技能実習生として働いているということにたどり着きました。
東京からいきなり来た大学生が、南越前町の町民の方々のつながりのおかげで、街に住んでいるわずかな技能実習生にたどり着いたのです。
”実際に街に滞在し、歩いて、現地の人と交流する”
この経験は、間違いなくその後の私にとっての原体験となりました。
忘れられない外国人技能実習生の言葉
技能実習生を雇っている会社の人にお誘いいただき、忘年会に参加させてもらうことになりました。
その時に1人のベトナム人技能実習生に言われた言葉は今でもはっきり覚えています。
「外国に行くときは、その国のことをよく勉強してください」
20代という若さで家族のために、日本に働きに来ている実習生たちの苦労や努力、経験から出たであろうその言葉は、留学を控えていた私にとって重く、大切にしたい言葉になりました。
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異国の地で生活者になるこ
母国語ではない言語で働くということ
その覚悟と努力、そこから得られる楽しさや達成感は、今、留学・アルバイトを通して身をもって実感しました。
最終的には技能実習生や受け入れ先の会社へのアンケートやインタビューを実施し、回答を集計。アンケート結果と課題として挙がった日本語学習支援方法の提案をもって活動報告としました。
2023年2月に行った活動報告をもって、私のまちみらいチャレンジは終了し、その後は街とのかかわりもなくなってしまいましたが、活動が終わって1年たった今でも、いつかまた訪れたいと思う魅力的な街です。
まちみらいチャレンジ2022での私の活動報告はこちら↓↓
この活動での気づき
私がこの活動、南越前町での活動を通して気づいたことは3つあります。
旅人はソトモノ
まず、旅人は部外者、ソトモノだということです。
ひとつのコト、街であっても、内側から見た時と外側から見た時では見え方感じ方が違う。そんな当たり前のことを実感した経験でした。
街の人だからこそ知っている魅力、生活してみてわかる様子、外者だからこそ気づく課題。
「何かしらの課題がある」という先入観を持って取り組んでしまったことが、私のまちみらいチャレンジの反省点です。アンケートの質問内容は、課題がある前提の質問になってしまいました。
技能実習生はテレビで放映されているような問題があり、助けてあげなきゃという自分のエゴが入ってしまっていたのです。
しかし、実際に会社の人に会って話をきき、忘年会で技能実習生と共に乾杯をし、街の人の農業を少しお手伝いしてみる。実際に街で生活をしてみることで街の温かさ、南越前町の人のやさしさに触れることができました。
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そしてそんな南越前町に住む外国人技能実習生もまた、南越前町の人々に温かく迎えられており、アンケートやインタビューの中では、
『住みやすく、いい街だ』『海や山がきれい』
といった魅力を私に伝えてくれました。
初めて訪れるこの場所は、誰かにとって大切な場所だということ
南越前町の魅力の原点には、南越前町の街と人を思う気持ちがあるということを活動を通して気づきました。
南越前町だけでなくどの町にも、生活している人がいて、その場所を帰ってくる場所としている人がいて、大切にされている伝統や風習がある。
自分が初めて訪れるこの場所も、あの場所も、きっと誰かの地元や大切な場所であるということ。
訪れたのは2回、たった7日の滞在でしたが、今となっては南越前町は私の原体験、大切な場所となっています。
人のつながりの強さ
活動中に一番印象的だったのは人のつながりの強さです。
在住外国人を探す際、手掛かりはほとんどなかったため頼みになるのはインタビューで得る情報だけ。正直私は途方に暮れていました。
しかし同行してくれた地域おこし協力隊の方やインタビューした相手が、私の知らないところでほかの人にも聞いてくださったおかげで、外国人技能実習生へとたどり着くことができました。
地域おこし協力隊の方からは、人口が少ないからこそ町中の人が知り合いになり、つながりが強くなるという話を伺い、助け合って生きている強さを感じました。
最後に
以上が私の旅の原体験となった体験である、福井県南越前町でのまちみらいチャレンジ『南越前町での多文化共生』の活動内容です。
私はこの活動である意味、”ソトモノ”体験をしました。
自分が部外者で、何もしない方がいいのではないか、余計なことをしているのではないかと考えたこともあります。
しかし、部外者だからこそ、旅人だからこそ知ることも多いはず。今回町の人に向けての外国人技能実習生に関する活動報告は意味のあるものだったと言えます。
まちみらいチャレンジに参加した目的は旅とは関係のないものでしたが、私の旅の原体験は思わぬところにありました。
この活動は間違いなく、行ってみないとわからない、面白さ、大変さ、新しい街や文化に触れる体験、自分自身の成長や発見になる旅の魅力を知った人生の転機でもあります。
この記事を読んでくださったあなたの旅の原体験も、思わぬところにあるかもしれません。原体験と呼びたくなる素敵な出逢いがこれからも訪れますように。