「侯爵嫡男好色物語」の感想①
「ウィルクよ、俺はお前になりたかった」
本作の感想を極めて凝縮して一言で表すならば上記の通りとなる。
自分の本作の入り口は漫画だったが、小説版を読んでその世界観に引き込まれた
今までで一番納得感があり没入できたなろう系作品だといって間違いない。今後もなろう系を見るときはこの作品を指標に考えていく自信がある。
https://novel18.syosetu.com/n9598df/
本作の世界観設定は非常に精緻であり、読んでいても納得感が強い。物語の展開もご都合主義的展開ではなく裏事情もあってこうなってるんですよと辻褄が合っており非常に面白い。
よく考えると結果的にはありえないほど物事がスムーズに進んで英雄的活躍をする主人公だが、それには裏付けも根拠もあるとていねいに描き切っている。
R18ものだが、軍記物としても傑出しており、商業作家にも引けを取らないと思う。
心配なのは作者の方がスランプ気味?で作品がエタってしまいそうなところだ。このような素晴らしい作品が最後まで読めないのは大きな痛手である。
しかし、非常に精緻な構成を積み重ねてきているので構築には相当な苦労があるのだろう。専業作家でもなく、ノベライズで対価を受け取っているわけでもないのでモチベーションの維持に苦労されている様子。続きを楽しみにしている読者は必ず沢山いる。
このような場末の文章が作者様に届くかは分からないがとても応援している。