ビジョンは何一つ変わっていない〜ネビラキカフェ4周年を迎えて思うこと〜
2024年7月15日をもってネビラキカフェは4周年を迎えました。
思い通りに行ったこと、そうじゃないことは多少あったかもしれませんが、全体で見ると順調に、そして思いがけないポジティブな方向に進んできているようにも見えます。振り返りとこれからのアクションについてまとめてみます。取り止めのない散文ですが定点観測として読んでいただけたら幸いです。
ビジョンは何一つ変わっていない
人通りが少なく、空き家も増えている。人口減少や過疎高齢化も岩手県で最も進む地域である西和賀町。
2019年に体一つでやれるネイチャーツアーガイドで起業をし、壊される寸前の空き家の裏に絶景があったのでカフェを開くことを決意し、周囲から心配の声もいただきながら2020年になんとかカフェをオープンしました。
その当時に書いたnoteを改めて読んでみましたが、我々がやっていること、やろうとしていることは1mmも変わっていませんでした。
それは、自分が良いと思える感受性を起点に最初の一歩目を踏み出すこと、自分のやれることから暮らしを作っていくこと(身体性)をできる人が増えて行くことが1番の地域活性化だと言うことです。地域活性化という言葉はあまり好きではないのですが、自分の内側にある「こうなりたい」、「理想」、「夢」みたいなところからスタートすることが自分の活性化であり、それが増えて行くことが地域を形づくり、国を形づくり、世界を形作って行くということ。
「カフェじゃ食べていけない」、「こんなところに人が来ない」
多くの人からカフェを始めるときに言われたことでした。
でも我々がしたかったのは、自分が感じている見ている世界観を世に表現したかったということ。
錦秋湖をただぼーっと眺めているだけで居心地はいいし、また今この瞬間から一歩を踏み出そうという気にさせられるこの景色を誰かと共有したかった。
カフェをやりながら理想の子育てをし、地域とも関わり、過不足なく生きてみたい。
そんな理想がありました。
ボロだと思っていた布切れが、とてつもなく価値のある何かに変わるように、世の中は不思議だらけで、そこに気がつけないのは、自分たちの感受性がひどく貧しくなっているからだけなのではないのかということ。
だったら、自分たちが心の底から良いと思えるものを共有し、そこで感じてもらったことを、フィードバックしてもらい、またそこから次のアクションを考え実行するということ。
結果、3年後には近所の空き家を2軒手に入れ、ようやく1軒を宿という形でオープンできそうなところまで来ました。
この4年間のうちに、おてつたびをはじめとする関係人口・交流人口は増え、ゲストハウスやコワーキングスペースを始める人が出てきたりと、地域は少しずつ変わってきました。
人の動きが出ることで、新しい気づきが得られ、そこから自分の可能性を広げていく。
なんとなく最近感じていることですが、過疎地域と呼ばれるリソースが一般的に乏しいと言われる場所は、自分を起点に世の中を形作って行くことができるのが面白いことです。
ある人はこれを「村づくり」と呼んだりしてますが、私は「くにづくり」と呼んでいます。制度や仕組みとしての国家があるけど、それに対して、自分の心と身体が喜ぶ故郷が「くに」。そこには自分を生かしてくれる自然があって、他者がいて、その他者も自分の「くに」を持っているので、その他者と互いに影響し影響され合いながら、自分の心と身体の喜びを体現していく。
自分がいいと思った景色やフィロソフィーを次世代に繋げるという感覚で、世の中にダイブして行く。
できないと思っていることは本当はすでにできていて、それが見えなくなってしまっているのが今の世の中だと思っています。
もしかしたら、自分がそうだったように、西和賀のネビラキから見えなくなってしまっている曇りみたいなのを取っ払いたい。取っ払ったら世の中はクリアで、生きる喜びに満ち溢れた世界にもう一度なるんじゃないか。
最近、エフェクチュエーションやアート思考について学ぶ機会をいただいています。
学んでいて、これが自分のやりたかった世界観を表現する手段だと最近はっきりしてきた感覚があります。
まだまだ道なかばではありますが、次のアクションにご期待ください。
zen