SIA2019 社会起業家ケーススタディWS Vol.3 秋保醸造所株式会社 毛利親房

今日はSIA2019の3回目となる社会起業家ケーススタディWS。今日のケーススタディは宮城県仙台市の株式会社秋保醸造所代表取締役の毛利さんのストーリーでした。

ケーススタディWSとは?
日本人ビジネスパーソンが最も通いたいビジネススクールNo.1にも輝いている世界トップ校であるハーバード・ビジネススクール(HBS)ケースメソッドとは、実際の企業の事例に基づく教材である「ケース」を学生が事前に読み込んだ上で、「自分が経営者だったらどう判断するか」を教授と学生で議論するものです。

秋保醸造所HP

概要
1968年アメリカ生まれ→7歳で日本に戻る→仙台で3年→小6から高校まで山口県宇部市(剣道部)→理系で進学 建築を学ぶ
1991年 前田建設入社 職人をまとめ工事の進行を管理する仕事
11年すぎから現場だけでなく設計の仕事 
アメリカ在住 姉の隣人 設計事務所で働かないか?

2001年同時多発テロ 公共工事が激減 採用されなかった

2003年 大手設計事務所仙台支店で働き始める

最初の担当「女川温泉ゆぽっぽ」→東日本大震災

「建築って弱い。自然の力の前に人の命も助けられない」→建築に対して違う考えを持ち始める

復興会議への参加→自転車レースやワイナリー建設→人の流れをつくる様々な案

自転車レース→地元からは嫌な顔をされる→自転車案は保留

ワイナリーから各種産業を盛り上げる→地域経済へのインパクト

自治体はやらないという→自分がやろうと思った→設計と建築ができるから
↓ 
2012年初めワイナリーへの覚悟→新潟県ワイナリーカーブドッチ訪問

落希一郎との出会い→苗木の確保やワインの産地化に関するアドバイスを受ける

宮城県山元町でやることを決意→宮城県はブドウの生産力全国44位

2013年5月 自らガレキ撤去→20数本のブドウの木を試験的に植える

行政との交渉→地元での理解醸成→サポートコミュニティの構築

三菱復興支援財団 行政や銀行との交渉の側面援護

山元町から見に覚えのない誹謗中傷→ ワイナリーが失敗すれば地域のためにはならない→撤退を決意→牡蠣漁師との出会いで踏みとどまる→「海中熟成ワイン」全国PRの話で盛り上がる→ここで諦めたら漁師を裏切る

秋保温泉郷 県のタバコ栽培の試験場を使えることが1週間で決まる→土地がいい→三菱復興支援財団から出資を受けられるかは未確定→山元町からの撤退→毛利に批判的なコメント→精神的山場→妻の一言でネガティブ思考から脱出

2014年6月 10年後一括返済5000万出資決定→設計事務所に辞表→醸造の専門家が入る

2015年4月 ワイナリーの建設開始
↓ 
10月山梨県のブドウで醸造を開始

2015年12月 秋保ワイナリーオープン

初年度20,000本 次年度35,000本、3年目50,000本

2017年時点で7,000本のブドウ秋保ワイナリーで栽培 
↓※2015年 国産葡萄100%使ったワイン 日本ワインと名のれる
人気の高まりで苗木の需要が一気に増える

2016年 シードル醸造・販売開始

醸造の上限を70,000本に決定

地域活性化のための拠点→周りの産業に波及できるかが大切

ワイン用ブドウ栽培でも稼げるというモデルの必要性→農家や企業に働きかけ

地域産業への波及 ワインベーコン 木箱、ソムリエナイフ

秋保温泉郷の観光地としての発信力や魅力向上の活動

東北の飲食・観光を盛り上げる「テロワージュ宮城」

マリアージュはライフワークとして時間をかけてゆっくりやっていく

東北にワイナリーを増やしてく→地域経済活性化

秋保と仙台を繁栄させたい→広域の活動に時間を割きたい

※2017年秋時点

ケーススタディでは事前に資料を渡され、そのケースの主人公になった気持ちになれるくらい読み込むことが必要とされます。今回で3回目となり、読むのもなれてきました。今回の印象として、毛利さんがいかに全体を広く見ているかということが伝わってきました。それは、ワイナリーという農家、漁師、その他にも多岐にわたる経済波及効果があるという直感を持って自分で実践されているのがすごいと思いました。

ワークでは事前に宿題が出され、今回の宿題は
1:あなたが毛利さんの立場に立ってビジョンを書くとすると、どんな1文になりますか?

2:秋保ワイナリーのビジネスモデルを考え、仕入先、パートナー、お客さん、それぞれについて教えてください。

3:毛利さんの立場で、あなたならこの先、何を考え、どのようなことに自身の時間を使っていきますか?

という今までで1番難しい宿題です。

私はそれぞれに対して
1:あなたが毛利さんの立場に立ってビジョンを書くとすると、どんな1文になりますか?
・東北を元気に!!

2:秋保ワイナリーのビジネスモデルを考え、仕入先、パートナー、お客さん、それぞれについて教えてください。
ワインに合うつまみの開発
仕入先 ブドウ農家、漁師、肉屋さん、
パートナー 宿、レストラン、旅行会社(飛行機、観光列車)
お客さん
ワインツーリズム 宿泊客、チャペル 、旅行客

3:毛利さんの立場で、あなたならこの先、何を考え、どのようなことに自身の時間を使っていきますか?
広域で経済を活性化できる案を実行 知名度や影響力がありそうなので、発言権を活かす

という感じで考えていきました。

ケーススタディWSではこのように講師の方と一緒になって、あなたが経営者だったら?というふうに考えていきます。

最後に、実際に毛利さんも会場に来ていろいろお話してくれました。
文章から読むのと違い、冷静で落ち着きをもってビジョンを語れる人なんだな〜という印象でした。

自分が響いたのは、
・とにかく種を撒き続けること
・同じビジョンを持つ仲間がいることは心強い
・ストーリーを知ってほしいという熱意
・ビジョンは大切だけど、数字的な部分も重要 専門家としっかりやる
・自慢はきちんとする

です。

また、毛利さんの立場でビジョンを一言で書くと?という問いは、これからビジョンをきちんと言語化する上で参考になる問でした。シンプルに想いを伝えるというのは難しいのですが、日に日に言葉がクリアになっていきます。

今回でケーススタディWSは終わりますが、まだまだSIAのプログラムはつづきますので、随時アウトプットしていきます。




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