見出し画像

こんな面白い日が、またとあるでしょうか-かた雪わたり-

雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たい滑らかな青い石の板で出来ているらしいのです。・・・(中略)・・・こんな面白い日が、またとあるでしょうか。いつもは歩けない黍の畑の中でも、すすきで一杯だった野原の上でも、好きな方へどこ迄でも行けるのです。 (宮澤賢治「雪渡り」)

2/24 朝5時に起きたら、窓の外からホウホウとフクロウみたいな鳴き声がした。廻戸王国へ行き、錦秋湖で雪わたり。湖面が下がって、普段は湖に沈んでいる旧廻戸橋を渡る。

錦秋湖があるところに、昔は町があった。水位が下がると、往年の面影があらわれる。

こんなとこ歩けるの!?ってのも驚きだし、長靴でも全然沈まなくて、どこまでも歩いて行けそうな気分。こんな風に軽々雪の上を歩けるなんて!!

春になると水位が上がって、いま歩いているところ一帯が水の中になる。春はカヌーでここまで来る。

かた雪が春間近の現象だというのも初めて知った。雪わたりの童話に描かれた陽射しや影や空気感は、真冬じゃなくて、いまのこの感じなんだなー。新学期が始まる前、ひとつおとなになる直前というのも意味ありそう。

北上線を見上げるこの角度もいまだけ!


先日は、ほぼ満月の夜にカンジキ履いて雪原散歩。静かで明るくて無重力空間にいるみたいだった。月の下を行く短い飛行機雲が月光で光り、銀河鉄道みたいだった。

自分で書いてて、読み返すと非現実感すらある日々。これを現実にしたくてここにいるんだもんなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?