新型肺炎の影響を機にはじまった、素敵なアクション事例をまとめてみた
「新型肺炎」の流行がきっかけとなり様々な領域での自粛ムードが高まるなかで、たくさんの企業・団体が「困っている人のためになにか助けになりたい!」との思いでスタートした活動がとても素敵だと感じたので、まとめてみました。
ただ、単なるまとめ記事というよりは、ちいさな願いを込めた記事という意味合いが強かったので、冒頭には記事を書くにあたって感じたことや願いをこめて書いています。
まとめ内容だけ読みたい方は、冒頭をすっ飛ばして、
「新型肺炎の影響をうけて始まった、素敵なアクション事例」からご覧いただければと・・・!
アクション事例では、現在リリースされている情報をざっと見て、下記のようにカテゴリー分けして紹介しています。
(※2020年3月12日:アクション事例を加筆)
1)芸術・文化領域
2)働き方改革領域
3)学び(教育)領域
4)子育て支援領域(食に関するサポートも含む)
5)学生の活動(就職活動・卒制展示など)領域
6)その他
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はじめに:この記事を書こうと思った背景と、願いについて
「新型肺炎(コロナウイルス)は、わたしたちに、一体なにを問うているのだろうか?」
最近、様々な情報・見解・憶測が飛び交う中で感じるのは、実際の感染リスクへの不安よりも、人間が潜在的にもつ狂気への恐れの方が強いということだ。
恐れや焦りに支配されると気持ちに余裕がなくなってしまい、普段もてているはずの他者への思いやり・想像力がなくなってしまうことがあるのかもしれない。人によっては個人的な切迫した理由(新型肺炎以外の病気・怪我・介護・その他緊急度の高い家庭内事情など)も重なって緊急度がさらに高いのかもしれない。
でも、お願いだから、どうか目の前の相手も同じ人間であることを思い出してほしい。
ドラッグストアやコンビニの店員さんがトイレットペーパーの売り切れや在庫に関して詰問されたり罵詈雑言を浴びせられ続けてノイローゼ気味になったりとか、マスクを買おうとしたら横の人にタッチの差でとられたことで怒って殴り合いになったとか、海外でアジア人だからという理由で差別的な発言・行動をされ身の危険を感じたとか・・・地獄絵図でしかない。
自分がその場にいたわけではなく、友人・知人からの情報なので詳しい背景まではわからないけれども、人間が潜在的にもっている狂気・差別的感情が炙り出される状況を想像するだけで胸が詰まるような思いがする。
そして、この緊急事態の状況下で、急な対応に追われつづけ、それでも毎日真摯に対応にあたられている皆様、ほんとうに頭が下がるばかりです。。
人間の力ではどうしようもない瞬間というのは、現実に存在する。
だからこそ、その瞬間に、人間同士で争ってはいけないと思うんだ。
目の前にいる人をただ責めるのではなく、ひとりひとりが「なにができるか」に向き合い、どうすればこの状況を一緒に乗り越えることができるのかを考える想像力と行動が大事なのではないだろうか?
そんな余裕がない、と思われる方もいるかもしれないが、目の前の人に「ありがとう」「あなたのおかげで助かったよ」の一言を伝えるだけで、いつも以上に救われる人がいるかもしれない。
一方で、同じ状況下でも
「この状況を逆手にとってテレワークにチャレンジしよう!」
「オンライン学習に切り替えてみたら、むしろ集中力が高まった状態で授業に臨めた」
「こんな時だからこそ、世の中に対してできることを積極的にしていこう」
といった前向きな姿勢・行動があちこちで起きている。
これらの動きにはとても希望を感じるし、人間の良心・善意が新たな未来を創り出すエネルギーになっていくことを強く願っており、積極的に応援していきたいと思っている。
同時に「自分にはなにができるのか?」を日々問われている中で、たとえ自分にできることが限られていたとしても、全くなにもしないよりは、ほんの小さな一歩でも踏み出す人生でありたい。
と、勇気をもらっていたことが、今回の記事を書くことにつながっていった。
つらつらと前置きが長くなったけれども、そんな思いを背景に抱えながら、新型肺炎の影響を受けて動き出した「素敵だなと思えるアクション」をまとめてみたので、紹介していきたい。
■新型肺炎の影響をうけて始まった、素敵なアクション事例
1)芸術・文化・エンタメ領域:
集英社:漫画誌『週刊少年ジャンプ』のバックナンバー(2020年1号~13号)を無料配信
「漫画で笑顔を届けたい、楽しませたい思いから」と。漫画にはたくさんの感情を教えてもらってきた人生なので、こういう取り組みは心があたたかくなる。
外出を控えよう、なにごとも自粛しようというムードが漂ういまの閉塞感に対して、救われる人たちがたくさんいるんじゃないかな。
コミックDAYS:『宇宙兄弟』1〜50話を無料公開
外に出るのは自粛モードだけど、家にいながら宇宙に行けるぞ。
という、宇宙兄弟好きの人間としては、胸熱なリリース。
ドワンゴ:休館中の展覧会をネットで配信。ドワンゴが「ニコニコ美術館」を無償提供へ
わたしは「ニコニコ美術館」のサービスを初めて知ったのだけども、全国で美術館・博物館が閉館しているのを見て寂しい思いをしている人に朗報のサービス。実際に見に行くこととの価値とはまた別の観点で楽しんだり学びになるのでは、と思う。
閉館せざるを得ない状況に追い込まれている美術館・博物館の方々も、なにかコラボできたらとのことなので、これを機に新しいチャレンジ・共創が生まれるといいな、という願いも添えて。
The Chain Museum:新型コロナウイルス感染症で卒展や展覧会が中止/延期となった学生の作品を対象とした、特設ページをArtStickerで開設。
ArtStickerは、アーティストへ「好き」の気持ちを直接おくれるプラットフォーム。スマイルズ代表でもある遠山さんが代表を務める「The Chain Museum」の素敵な取り組み。
Google Arts & Culture:Googleでモネ展を楽しむ。ナショナル・ギャラリーのオンライン展覧会
イギリスを代表する美術館、ナショナル・ギャラリーとGoogleがタッグを組み、Google Arts & Culture上でオンラインの展覧会を行なっている。
ナショナル・ギャラリーのキュレーターによるオリジナルのテキストとともに、作品画像や動画などが公開されているのだが、中には超高解像度でズーム閲覧することのできるものもあり、実際の作品では決して見ることができない細部の筆致まで楽しめるとのこと。
Hulu:人気ドラマやバラエティ100作以上を3月6日(金)から3月31日(火)まで無料配信
NetflixもAmazon primeもいいけど、ここぞとばかりにHuluを試してみるのもおすすめ◎
avex:エイベックスが所属アーティストのライヴ映像コンテンツを無料公開
無料公開するのは、TRF、浜崎あゆみ、倖田來未、AAAなどのライヴ映像コンテンツ約100本(順次公開)とのこと。ライブがバタバタとキャンセルになって悲しみに暮れているファンの人たちにとって、少しでも励みになるといいな。。あとは、ファンの人だけでなく、アーティスト自身や、所属会社、ライブ企画・運営会社、ライブ(イベント)会場の人たちにとっても大打撃だから、そちらも心配だけども。。
東京国立博物館が展示をYouTubeで公開。新型コロナによる臨時休館受け
臨時休館期間に本来開催されている予定だった展示「おひなさまと日本の人形」の様子をYouTubeで公開。様々な歴史をたどってきた雛人形とともに、江戸の地で製作された雛飾りの名品を展示するものらしい。
同館によると「今後の配信は未定だが、準備が整い次第順次アップしていく予定」とのこと。
2)働き方改革領域:
Zoom:遠隔授業向け クラウドビデオ会議サービス「Zoom」 ■学校への提供 ■無料(2020年4月30日まで)
Zoomには日々どれだけ助けられていることか・・・
リンク先は学校への無料提供サービスについて書かれているけど、今回のことをきっかけに、企業・団体・地域などで、これまでなかなか完全テレワークに踏み切れなかった人たちも一歩を踏み出すきっかけになることを願ってます。
サイボウズ: サイボウズの「テレワーク」に関する情報を公開します
圧倒的にテレワークの知見をもっているサイボウズの情報がここで見れる・・・!東日本大震災など、いくつかの実践・段階を経てアップデートしてきたノウハウが詰まっている。
キャスター:新型コロナウイルス対策としてリモートワーク導入企業をサポート: リモートワーク導入に関するホワイトペーパーを公開
700名以上のメンバーがリモートワークしている株式会社キャスターが「リモートワークで組織を運営する際のポイント」伝えるホワイトペーパーを公開している。すでに実験的にリモートワークを実践し始めている会社が増えているが、まだ不安があって踏み出せてない会社やこの状態が長期化することで不安を抱える会社も出てくると思うので、困ったときはぜひ。
3)学び(教育)領域:
探究学舎:探究学舎の授業を無料でオンライン配信します(3/2〜3/20)
情熱大陸にも出て、申込者数が殺到している大人気の「探究学舎」の授業が、なんとオンラインで見れるとは・・・!
「探究学舎はこれまで、歴史・宇宙・元素・ロボット・建築・金融・経済など、子どもたちの興味が広がる授業を独自に制作」しており、子供たちのクリエイティビティを育む素晴らしい学び舎なので、この機会に要チェック!
つくばSTEAMコンパス:つくば市、子どもの学習支援 ホームページ開設
臨時休校となった子どもたちへの学習支援をしようと、つくば市は、インターネットで児童・生徒の自由研究を研究者や司書に相談できる「つくばこどもクエスチョンオンライン」を開始。学習支援の対象は市内在住の小中学生約2万人。
自由研究を進めるためのワークシートや、市内の研究機関が最先端の研究を分かりやすく紹介した動画をホームページ「つくばSTEAMコンパス」で提供する。研究者への質問は市内の小中学生が対象だが、つくばSTEAMコンパスの動画視聴や研究テーマシートのダウンロードは誰でもできるとのこと。
こういう行動がさっとできる街は、住んでる人にとっても誇りだね。
小学館:『少年少女日本の歴史』、全24巻を無料公開。
”無料公開が発表されるとTwitterでは早速『少年少女日本の歴史』がトレンドとなった” ということから分かるように、この本にお世話になった大人も多いはず・・・!この機会に読み直したいし、いまの時期だからこそ「歴史」から学ぶ意義はより深いと感じる。
Yahoo!きっず「おうち学校」
おうちにいる小学生の子供たちが、パソコンやスマホで楽しく勉強できるためのサービス。大人にとってもいま改めて学ぶと面白そう。オンライン教材はすでに世の中にもたくさんあると思うけど、無料で閲覧できるので興味ある方はぜひ◎
ゼロ高:全国の休校された生徒の皆さまへ 3/1より、N高のオンライン授業を無料開放~学習アプリ「N予備校」を無償提供~
気になっていたN高の一端をここで垣間見れるとは・・・!
・・・と、ここまで書いていたら「教育系」に関してnoteで素晴らしいまとめ記事を既に書かれている方々がいらっしゃったのでリンク先を貼らせていただきます。(教育系の情報を集めたい方は必見です)
4)子育て支援領域(食に関するサポートも含む):
キッズライン:ベビーシッター割引による支援対策
「本日発表された全国小中高の臨時休校に対し、お子様の預け先に不安のある全てのご家庭の方がキッズラインを利用される場合、初回利用の方は3000円分、既にご利用いただいている方に300円分の利用割引を行うことをお知らせいたします。」とのこと。
クックパッド:有料機能「人気順検索」の無料開放をはじめとする支援を開始〜毎日の料理を楽しみにし、新型コロナウイルス感染症拡大防止・在宅環境の向上へ〜
在宅時間が長くなる人が増えたり、家族のご飯を作らなきゃと思う方々にも少しでも「料理を楽しめる」ように、との想いから。クックパッドはこの信念が創業時から一貫していてとても素敵です。
クラシル:「お助けランチ」特集で、臨時休校中の昼食づくりをサポート
料理動画サービスとして有名なクラシルも、これまた素敵なアクション。
”管理栄養士が監修した「かんたんにおいしく作れるレシピ」を34,000件以上提供” とのことなので、お子さんにつくる料理で悩んでいる方はぜひ!
cakes:おうちで過ごす時間を豊かに。400以上のレシピを無料公開!
人気の料理連載を、3月末まで全記事無料で公開とのこと◎気になるレシピがありすぎて、なにをつくるか迷うなあ
タスカジ:【新型コロナウイルス】学校給食の代替として料理 作り置き割引支援を開始〜全国臨時休校に対する家事代行支援策について〜
「学校給食の代わりの家事代行の作り置きの利用が増加」している背景を受けて割引サービスを開始することにした、とのこと。こういった柔軟さはほんとうに助かるね。。
ワタミ:幼小中高生に無料弁当宅配、臨時休校支援
これはすごい・・・!
対象は休校になった園、学校の満3~18歳(今年3月卒業予定まで)で、「食材、生産体制に限りがあり、数量上限に達し次第、終了する」とのこと。(対象地域は「ワタミの宅食」の配達エリアのみ。)
本当に困っている方に届くことを心から願っています。
インディゴ・フィルムズ:【日本映画史上初の試み!】 映画『ママをやめてもいいですか!?』新型コロナウィルス対策で映画館とオンラインでの同時上映を緊急決定!!
映画館側と協議し、外出を自粛せざるを得ない方たちにも映画を楽しんでもらおうと、約2週間の限定配信を決定したとのこと。「産後うつ」をテーマにしたドキュメンタリー映画で、予告編を見るだけでぐっと胸に迫ってくるものがある。とても意義のある作品だと思うので映画公開の時期に重なってしまったのは残念だけども、映画館になかなか行けない子育てママ・パパが家で見ることができることが、この作品を必要としてる人に届く追い風となりますように。
5)学生の活動(就職活動・卒業制作など)領域:
ワンキャリア :新型コロナウイルスによる就活イベント中止を受けて【緊急開催決定】ワンキャリアは3月毎日、YouTubeLIVEにて就活生向け企業説明会を配信します。
月間100万人が利用する就活クチコミサイト「ONE CAREER」の運営会社である株式会社ワンキャリア による素晴らしい取り組み!
合同企業説明会が次々と中止になる中で、「説明会に行きたくても行けない」就活生が不安を抱えている。そんな状況に対して、3月の平日に毎日、WEB説明会を行うとのこと。就活生にとって必見なのは間違いないが、企画趣旨に賛同される企業の方にもぜひオススメの情報。
逃げBar:卒制展示できなかった学生に無料でギャラリーとして貸し出し
今年、横浜にオープンしたばかりの「逃げBar」。サイレントフェスなど様々な音楽フェスを手がけるOzone合同会社が手掛けている。
卒制展示会ができなかった学生に無料でギャラリーとして貸し出す試みをしている。WEBサイトやFacebookで見ていただいたら分かる通り、真っ白な空間なのでギャラリーとしてもかなり遊び心を活かせる場なのでは、と勝手に妄想している。「展示にあたっての配送料や保険費も皆さんと共に考えたいです」とのことで細やかな気配りも素敵。
6)その他:
READYFOR:新型コロナウイルスの影響で中止となったイベントを支援
日本初・国内最大級のクラウドファンディングサービス「READYFOR」が、新型コロナウイルスの影響で中止となったイベントを支援するクラウドファンディングプログラム(以下、本プログラム)を開始。
本プログラムが適用となったイベントは、目標金額への到達の有無に関わらず集まった資金を受け取ることができるALL-IN形式が適用され、サービス手数料が無料となり決済手数料(5%)のみでクラウドファンディングの実施が可能とのこと。
株式会社aMi:出張撮影の無料提供を実施
全国1,300名以上のプロフォトグラファーの撮影プラットフォームを提供する株式会社aMiが、新型コロナウイルスにより入学式、卒業式や結婚式を中止にせざるを得なかった方を対象に、無料で出張撮影を実施している。撮影料金は無料で、全国どこでも出張できるとのこと。
一生に一度の大事な機会に、思い描いていたような「ハレ」の日が過ごせなかったという人にとって、少しでも喜びになるといいなという気持ちが伝わってくる。
Peatix:オンラインイベント(会場を持たないイベント)の告知・集客にPeatixをご利用いただけるようになりました
いまや自粛モードのイベント(オフラインイベント)が多い中、それでも中止にはしたくないという人たちがオンライン主体でのイベント運営に切り替えているのを目にすることが多くなった。そんな潮流に対して嬉しい動き。
カイテク:介護ワークシェアリング「カイスケ」期間限定の手数料3回無料キャンペーン!!新型コロナウイルスによる人手不足で危機的になる介護事業所を救う
「カイスケ」は1日単位から介護・医療有資格者に仕事を依頼できる、業界初のワークシェアリングサービス。主婦層の方々が多く従事する介護業界では、人手不足が顕著となることが想定されるが、介護事業所は今回の休校要請などで急な欠員が発生しても、「カイスケ」で助けを呼ぶことが可能になる。3/15までに申し込んだ企業には、期間限定で利用手数料3回分無料キャンペーンを実施するとのこと。サービス提供エリアは東京都・神奈川・埼玉・千葉のみのようなのでご注意を・・・!
ローソン:国産牛乳消費支援でホットミルク半額&学童保育施設の昼食として、おにぎりを無償でご提供
ローソンは、利用客の栄養補給とミルクの消費支援を目的に、期間限定で国内の生乳を使用しているMACHI café「ホットミルク」を半額の65円(以下税込)で、「カフェラテM」を30円引の120円で販売。
学校が休行になったことで牛乳の提供をしている会社や生産者の方々に大打撃なのは間違いないが、ローソンで少しでも牛乳の売れ行きがよくなることで、引き取り手を失った牛乳が、欲しい人の元へ届くことを願う。
また、学童保育の昼食をサポートすることを目的に、3月10日、17日、24日の3日間、おにぎり各日1万個(合計3万個)を、希望する全国の学童保育施設に、無償提供および配送するとのこと。
ブルーパドル(佐藤ねじさん):「宿/ホテル」関係者と、「ライブ/イベント」関係者の方が使えるかもしれないPR企画・アイディア集の提供
周囲にリアルに困っている友人が多いので、ぜひ見てもらえるといいなとの思いで最後にご紹介。
企画・アイディアという発想力で困ってる人のチカラになれたらいいなという姿勢は、たとえ、場所もサービスもお金も権力も「自分はなにも持っていない」と思っている人にとって新たな思考のきっかけになるのでは、と。そういった面でもとても勇気づけられる投稿だと感じた。
久々のエントリーで、書き方も慣れてないので見辛い部分があったかもしれません。そして、きっと、まだまだ知らないだけでたくさんの動きがなされているのだと思いますが、だれか一人でも、この投稿が助けになることを願っています。
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